カスハラ対策の義務化とは、顧客等の迷惑行為から従業員を守る体制整備の義務化のことです。
厚生労働省は、2026年10月1日からカスタマーハラスメント対策と求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されるとリーフレットで案内しています(出典: 厚生労働省 令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について)。残された時間は多くありません。この記事では、顧問先の規程を施行日までに整えるための手順と、社労士側の作業設計を扱います。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は厚生労働省の公表資料で確認しています。
10月1日に向けて、いま何が確定しているか
顧問先に説明する前に、確定している事実と、まだ運用に委ねられている部分を分けておきます。ここが混ざると、助言が過剰にも過少にもなります。
根拠となる改正は、労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律等の一部を改正する法律(令和7年法律第63号)です。厚生労働省は、いわゆるカスタマーハラスメントや求職者等へのセクシュアルハラスメントのない職場づくりなどを図るための改正だと説明しています(出典: 厚生労働省 令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について)。施行期日は令和8年政令第17号で定められ、一部の規定は先行して動いています。
実務の中身を決めるのは、法律本体より指針です。事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針が、令和8年厚生労働省告示第51号として出ています(出典: 厚生労働省 指針(令和8年厚生労働省告示第51号))。求職者等に対するセクシュアルハラスメントの指針は告示第52号です。顧問先への説明資料を作るときは、法律の条文より先にこの指針を読むほうが早く形になります。
顧問先から最初に来る問いは、どこからがカスハラかという線引きです。ここは指針の本文にあたって確認する部分で、一般論で答えると後で食い違います。事務所として答えを持つなら、指針の該当箇所を印刷して手元に置き、顧問先の場面に当てはめずに、指針が挙げている要素をそのまま示すのが安全側です。当てはめの判断は、顧問先が自社の実態を踏まえて行う領域になります。
手段の広がりも説明の要点です。店頭や電話といった従来の場面だけでなく、オンラインでのやり取りを通じた言動も視野に入る点は、顧問先の担当者が想定していないことがあります。SNSでの中傷やレビュー投稿を含めて考えるかどうかで、対応マニュアルの設計が変わります。この範囲の確定は指針の記載を確認したうえで進める部分で、記事執筆時点では要確認として扱います。
比較の土台になるのが、既に動いているパワーハラスメント対策の枠組みです。労働施策総合推進法第30条の2は、優越的な関係を背景とした言動であって業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより労働者の就業環境が害されることのないよう、相談に応じ適切に対応するために必要な体制の整備その他の雇用管理上必要な措置について定めています。顧問先にとっては、パワハラで作った相談体制の隣に、顧客等からの言動を扱う枠を足していく形が現実的です。ゼロから作る話ではない、という説明は担当者の心理的な負担を下げます。
対象の広さも押さえておきます。厚生労働省のリーフレットは、10月1日からの義務化を規模の限定なしに案内しています(出典: 厚生労働省 リーフレット(詳細版))。パワハラ対策で中小企業に猶予期間が置かれた経緯を覚えている顧問先ほど、今回も猶予があると受け取りがちです。ここは早い段階で確認しておきたい点になります。
同じ日に求職者等へのセクシュアルハラスメント対策も動くため、顧問先の作業は二本立てになります。採用実務に寄った側の整理は就活セクハラ対策の義務化と社労士が渡す7手順で扱いました。規程の改定作業を一度で済ませるなら、両方を同じタイミングで載せるのが効率的です。
顧問先の規程を施行日までに整える7手順
社労士側の作業を、顧問先が動ける単位に割ります。以下の7手順は、そのまま顧問先への依頼リストとして渡せる粒度にしてあります。生成AIは下書きと整形に使い、内容の当否は有資格者が判断する構成です。
第1手順は、現状の棚卸しです。就業規則にハラスメント関係の条項がどこまであるか、相談窓口が誰で、記録がどこに残っているか。パワハラ対応の体制がある顧問先なら、その文書を集めるところから始めます。何も無い顧問先と、パワハラの枠だけある顧問先では、作業量が大きく変わります。
第2手順は、指針の項目と現状の突き合わせです。指針が挙げる措置の項目を縦に並べ、顧問先の現状を横に置いて、空欄を洗い出します。この作業は担当者にも見えるようにしておくと、後の合意形成が速く進みます。
第3手順は、方針の明確化と周知です。顧客等の言動に対して事業主としてどう臨むかを文書にして、従業員に知らせる。ここは経営判断が入るため、社労士が案を出して経営者が決める順序になります。案を複数用意し、業種の実態に近いものを選んでもらう進め方が動かしやすくなります。
第4手順は、相談体制の設計です。窓口を誰にするか、パワハラ窓口と統合するか分けるか、外部窓口を使うか。窓口担当者が現場のクレーム対応も兼ねている場合、その人が当事者になる構造になります。この点は設計の段階で潰しておく論点です。
第5手順は、対応マニュアルの整備です。どの段階で上長が出るか、どこから対応を打ち切るか、警察や弁護士へつなぐ基準は何か。線引きを現場任せにすると、担当者が消耗します。業種ごとに典型場面が違うため、顧問先の現場の声を拾う工程を挟みます。
第6手順は、就業規則への反映と手続です。規程の改定は、意見聴取と届出の段取りを含めて逆算します。10月1日に間に合わせるなら、8月中に案を固め、9月に社内手続を回す配分が現実的です。顧問先が複数事業場を持つ場合、事業場ごとの手続が要る点も見落とされがちです。
第7手順は、研修と記録です。管理職と一般従業員で伝える内容が変わります。研修をやったという記録を残すところまでを、この手順に含めます。安全衛生まわりの改正と合わせて年間の研修計画に載せる考え方は、安衛法改正の高年齢労働者と治療両立でも触れました。
7手順を並べただけでは動かないので、逆算の目安も添えます。10月1日を起点に置くと、9月は社内手続の月、8月は案を固める月、という配分になります。研修まで含めるなら、施行後の実施でも構いませんが、窓口担当者への説明だけは施行前に済ませておきたいところです。窓口が動き出したときに担当者が手順を知らない、という状態がいちばん危うい形です。
第3手順と第4手順は、順序を入れ替えたくなる場面があります。方針より先に窓口を決めたほうが話が早い顧問先もあるためです。ただ、窓口の設計は方針の中身に引きずられます。顧客との関係を維持する方向に振るのか、従業員の保護を優先する方向に振るのかで、窓口に求められる権限が変わるためです。経営者と方針を握ってから窓口を決めるほうが、後戻りが少なくなります。
第5手順のマニュアルは、分量を増やさないほうが機能します。現場が読むのは、実際に困った場面が起きた直後です。そのときに開いて答えが見つかる構成になっているか。典型場面を絞り、それぞれについて初期対応と引き継ぎの目安と記録項目を書く。この三点が揃っていれば、最初の版としては足ります。
7手順のうち、生成AIが効くのは第2、第5、第7です。指針の項目と現状の突き合わせ表の下書き、対応マニュアルのたたき台、研修資料の骨子。いずれも下書きであって、完成物ではありません。
あなたは社会保険労務士事務所のスタッフを支援するアシスタントです。
以下の「指針の項目メモ」と「顧問先の現状メモ」を突き合わせ、
不足している項目を洗い出す下書きを作ってください。
出力形式(項目ごとに箇条書き):
1. 指針が挙げている措置の項目
2. 顧問先の現状(あり / 一部あり / なし / 不明)
3. 不足している場合に顧問先へ確認すること
4. 社労士側で用意する文書の候補
制約:
- メモに書かれていない項目を追加しないでください
- 法的な当否の評価は書かず、事実の対比だけを行ってください
- 判断がつかないものは「不明」と書いてください
- 顧問先名は「A社」に置き換えてください
指針の項目メモ:
"""
(ここに一次情報から抜き出した項目を貼る)
"""
顧問先の現状メモ:
"""
(ここにヒアリング結果を貼る)
"""
対応マニュアルのたたき台も、業種の場面設定を与えると具体的な下書きが返ります。
あなたは企業の現場マニュアルの編集者です。
以下の条件で、顧客対応時の困難場面に関する社内マニュアルの下書きを作ってください。
条件:
- 業種: (例)小売業の店舗、従業員20名程度
- 想定場面: 長時間の居座り、大声での叱責、面会の強要、SNSでの中傷
- 各場面について「初期対応」「上長へ引き継ぐ目安」「記録に残す項目」の3点を書く
- 法的な評価や、相手方の行為の当否の断定は書かないでください
- 従業員が読んで動ける平易な日本語で書いてください
- 実在の顧客名や事案は使わず、架空の設定で書いてください
補足情報:
"""
(ここに顧問先の現場ヒアリングを貼る)
"""
返ってきた下書きは、社労士が三点を見ます。指針の項目から外れていないか。顧問先の実態と噛み合っているか。従業員が読んで判断できる粒度になっているか。この確認を経ないまま顧問先に渡すと、現場で使われないマニュアルが一冊増えるだけになります。AIの下書きに人の判断をどこで挟むかという設計は、AIエージェントの人間介在をどこに置くかで整理しています。
相談記録を扱う社労士側の守秘義務と体制
カスハラ対応の支援は、扱う情報が重くなります。相談内容には従業員の心身の状態、顧客とのやり取りの詳細、場合によっては第三者の氏名が含まれます。これを生成AIに投げて整理させたくなる場面が続くため、事務所として先に線を引いておきます。
根拠として、社会保険労務士法第21条は、開業社会保険労務士または社会保険労務士法人の社員が、正当な理由がなくて業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、または盗用してはならない旨を定めています。社労士でなくなった後も同様とされています。相談記録の取り扱いは、この条文を出発点に所内で運用を決める領域です。
決めておく1点目は、投入してよい情報の範囲です。個人が特定できる記述を落としたうえで、場面の類型だけをAIに渡す運用が扱いやすくなります。氏名、店舗名、日時の組み合わせは、削っても分析の質がほとんど落ちません。逆に、削らずに投げると、削る判断を担当者ごとにさせることになります。
2点目は、顧問先との取り決めです。相談窓口の外部委託を受けている場合、記録の所有者は誰か、事務所側でどこまで保管するかが論点になります。委託契約の書きぶりに、クラウドサービスの利用に関する記載があるかを確認し、無ければ次回更新時に整理する。この段取りを持っておくと、顧問先から照会が来ても慌てません。個人データを含む記録であれば、個人情報保護法第27条が第三者提供の制限を定めており、委託に伴う提供の扱いも同条に整理があります。
3点目は、事務所内の閲覧範囲です。相談記録を所内の誰が見られるか、共有フォルダの権限がどうなっているか。ハラスメント関係の記録は、他の顧問業務の資料と同じ場所に置かない事務所が多い印象です。物理的に分けるだけでも、取り違えの事故は減ります。
体制面では、相談対応を担当する所内スタッフを固定しておくのが実務的です。ハラスメント関係の相談は、担当者が入れ替わるたびに顧問先が経緯を説明し直すことになります。属人化を避けたい業務ではありますが、この領域だけは連続性のほうが価値を持ちます。担当者が休んだときの代替を誰にするかまで決めておくと、運用が止まりません。
規程に落とすなら、投入禁止情報のリスト、匿名化の手順、記録の保管場所と保存期間、外部ツールを追加するときの承認者。この四つを書く構成が回りやすくなります。規程の組み立て方そのものはAI事業者ガイドライン第1.2版を事務所規程に落とす7項目で扱いました。
顧問先側の規程にも、同じ論点が入ります。相談記録を社内でどう扱うか、AIで要約させてよいか。顧問先が自社の判断で相談記録を生成AIに投入し始める前に、事務所から論点として提示しておく価値があります。
業種によって典型場面が変わる
対応マニュアルは、業種の典型場面を外すと使われません。顧問先の業種を踏まえて場面を選ぶところが、社労士の腕の見せどころになります。
小売や飲食では、店頭での長時間の居座り、大声での叱責、返品や値引きの執拗な要求が中心になります。現場の担当者が若いアルバイトであることも多く、判断を求めない設計が要ります。何分続いたら店長を呼ぶ、といった機械的な目安を置くほうが、現場では機能します。
医療や介護では、患者や利用者本人だけでなく、その家族からの言動が論点になります。ケアの継続と対応の打ち切りが正面から衝突するため、打ち切りの判断を現場に委ねない設計が特に重要になります。施設としての判断者を明示し、記録の様式を統一しておく方向です。
金融や保険、通信のようなコールセンターを持つ業種では、通話の記録が既にある強みがあります。録音の保存期間と、相談記録との紐づけ方を決めておくと、後の検証がしやすくなります。オペレーターの離席や交代の基準も、対応マニュアルに書き込む対象です。
BtoBが中心の顧問先は、取引先の担当者からの言動という形で問題が現れます。相手が取引先であるがゆえに、現場が声を上げにくい構造があります。営業部門の管理職を巻き込まないと実態が上がってこないため、窓口の設計段階から営業側を入れておく必要があります。
自治体や公共サービスに近い業務を担う顧問先では、対応を断りにくいという前提があります。この場合、打ち切りの基準そのものより、複数名での対応や記録の徹底といった別の手立てが中心になります。業種の制約を踏まえずに一般的なマニュアルを渡すと、現場から使えないと言われて終わります。
支援でよくある3つのつまずき
ひとつめは、就業規則の改定だけで終わらせることです。規程に条項を足すのは作業として分かりやすく、達成感もあります。ただ、指針が求めているのは体制の整備であって、条項の存在ではありません。相談窓口が機能しているか、担当者が対応の手順を知っているか。ここまで見ないと、実態が伴いません。
ふたつめは、線引きを顧問先に丸投げすることです。何がカスハラに当たるかの判断は、業種と現場によって幅があります。社労士が一般論だけを渡すと、顧問先の担当者が個別の場面で立ち往生します。典型場面を業種に合わせて具体化し、対応の目安を一緒に作る。この工程に時間をかけるほど、施行後の相談が減ります。
みっつめは、9月に着手する段取りです。10月1日に間に合わせるには、意見聴取と届出の期間を逆算する必要があります。顧問先が複数の事業場を持っていれば手続も増えます。8月の段階で案を出し始めるのと、9月に動き出すのとでは、余裕がまったく違います。採用まわりのAI利用と絡む論点はAI採用選考のリスクと社労士が助言する7論点でも扱っています。
顧問先の規模で工数と進め方が変わる
従業員が十数名の顧問先では、規程と窓口の整備が中心になります。マニュアルは分厚くする必要がなく、典型場面を三つか四つに絞って一枚にまとめるほうが現場で使われます。研修も、朝礼の延長で経営者が話す形が現実的です。
従業員が数十名から百名規模になると、店舗や部署ごとの温度差が出ます。本部が作った方針が現場に届かないという構造が生じるため、現場の管理職を巻き込む工程を挟みます。管理職向けと一般従業員向けで研修を分けるのは、この規模からです。
多店舗展開や複数事業場を持つ顧問先では、手続そのものが工程になります。事業場ごとの意見聴取と届出をどう回すか、本部が一括で用意する文書と各事業場で埋める部分をどう分けるか。ここを設計せずに走ると、施行日までに手続が終わりません。
社労士事務所側の稼働としては、棚卸しと現状突き合わせで一度、方針とマニュアルの検討で一度、規程改定と手続の伴走で一度、という三回の関与が基本形になります。研修まで請け負うなら、もう一回分が乗ります。スポットで受けるか顧問料の範囲に含めるかは事務所の方針次第ですが、施行後の運用支援まで見据えるなら、続く形で設計しておくほうが顧問先のためにもなります。
施行後に論点として立ち上がること
10月1日を過ぎると、関心は体制の有無から運用の質へ移ります。相談が来たときに誰がどう動いたか、記録が残っているか、再発防止につながったか。ここを回せる顧問先と、規程だけがある顧問先で差が開きます。
論点になりそうなのは、対応の打ち切り基準です。顧客等との関係を切る判断は、営業上の判断と重なります。現場の担当者に判断させるのか、本部が決めるのか。事前に決めていない顧問先ほど、実際の場面で対応が遅れます。
もうひとつは、記録の活用です。相談記録が溜まると、どの店舗で何が起きやすいかが見えてきます。個人が特定できない形に整えたうえで傾向を見る作業は、社労士が価値を出しやすい領域です。ここで生成AIを使う場合も、匿名化を経てから投入する順序は変わりません。
求職者等へのセクシュアルハラスメント対策も同じ日に動くため、施行後しばらくは二つの相談が並行します。窓口を統合するか分けるかの判断は、初動の混乱を見てから調整する余地を残しておくと、顧問先が動きやすくなります。
よくある質問
カスハラ対策の義務化はいつからですか
2026年10月1日からです。厚生労働省は、同日からカスタマーハラスメント対策と求職者等に対するセクシュアルハラスメント対策が義務化されるとリーフレットで案内しています(出典: 厚生労働省 リーフレット(詳細版))。
中小企業に猶予期間はありますか
厚生労働省の案内には、規模による猶予の記載は見当たりません(出典: 厚生労働省 令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について)。パワハラ対策で中小企業に猶予が置かれた経緯があるため、顧問先が同じ前提で受け取っていないかを確認しておく価値があります。
何を根拠に規程を作ればよいですか
実務の中身は指針が定めています。事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針が、令和8年厚生労働省告示第51号として公表されています(出典: 厚生労働省 指針)。法律の条文より、この指針の項目を軸に組み立てるほうが実務に落ちます。
パワハラの相談窓口と統合してよいですか
統合している事業主も、分けている事業主もあります。判断材料になるのは、窓口担当者が現場のクレーム対応を兼ねていないか、相談者が申し出やすい導線になっているかです。窓口担当者自身が当事者になり得る構造なら、分けるか外部窓口を併用する設計が検討されます。
相談記録を生成AIで要約させてよいですか
先に決めるのは、投入する情報の範囲です。氏名や店舗名など個人が特定できる記述を落とし、場面の類型だけを渡す運用にすると、分析の質を保ったまま範囲を絞れます。社会保険労務士法第21条が秘密の取り扱いを定めている点を踏まえ、事務所として統一した運用を作っておくのが順序です。
就業規則の改定は10月1日までに終える必要がありますか
逆算して段取りを組むのが安全側です。意見聴取と届出の期間、複数事業場がある場合の手続を含めると、9月に着手して間に合わせるのは窮屈になります。8月中に案を固め、9月に社内手続を回す配分にしておくと余裕が生まれます。
求職者等へのセクシュアルハラスメント対策も同時に必要ですか
同じ日から動きます。厚生労働省は、事業主が求職活動等における性的な言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針を令和8年厚生労働省告示第52号として公表しています(出典: 厚生労働省 令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について)。規程の改定は一度でまとめるほうが顧問先の負担が軽くなります。
参考文献
- 厚生労働省 令和7年労働施策総合推進法等の一部改正について
- 厚生労働省 事業主が職場における顧客等の言動に起因する問題に関して雇用管理上講ずべき措置等についての指針(令和8年厚生労働省告示第51号)
- 厚生労働省 リーフレット(詳細版)カスタマーハラスメント対策等の義務化
- e-Gov法令検索 労働施策総合推進法
- e-Gov法令検索 社会保険労務士法
- e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律
- 全国社会保険労務士会連合会
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本記事の作成体制について
本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。
本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。
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