総務省が日本標準職業分類の第6回改定案の検討状況を公表しました。
総務省は2026年8月28日、職業分類改定研究会の第24回(令和8年6月23日開催)について、議事概要と配布資料をサイトに掲載しました。議題は日本標準職業分類第6回改定案の検討で、配布資料には次回の第25回で諮問案(改定案)を決定する予定が記載されています。日本標準職業分類は国勢調査や労働力調査で職業別に集計を行うための統計基準であり、弁護士や税理士といった資格職が統計上どの区分に数えられるかの土台になるものです。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。行政の見解は各府省庁の公表資料で確認しています。
公表されたのは第24回の議事概要と今後の予定表
今回公表されたのは、検討の中身そのものではなく、開催記録と工程表です。第24回職業分類改定研究会は令和8年6月23日の13時25分から16時50分まで、総務省第二庁舎7階中会議室でweb開催を併用して行われました。議事概要によれば、議題は「日本標準職業分類第6回改定案の検討について」と「その他」の2件で、事務局からの説明のあとに構成員等との意見交換が行われたと記載されています。出席者は川﨑座長、太田構成員、小松構成員、萩原構成員、藤原構成員、會田研究協力者と、総務省統計局・厚生労働省・経済産業省・国土交通省・統計センターの関係府省等です。
工程表にあたるのが配布資料の資料1「職業分類改定研究会の今後の予定」です。第22回から第24回までが「一般原則の検討」と「諮問案(改定案)の検討」、そして第25回(令和8年7月28日)が「諮問案(改定案)の決定」と書かれています。同資料には、この予定が検討の進捗状況等により変更される可能性がある旨の注記も付いています。なお本記事の執筆時点で、研究会の一覧ページに掲載されているのは第24回までで、第25回の議事概要と配布資料は確認できませんでした。
研究会そのものは、開催要綱によると「公的統計の整備に関する基本的な計画」(令和5年3月28日閣議決定)に掲げられた日本標準職業分類の改定を受けたもので、令和6年3月5日付で開催が決まっています。原則として非公開ですが、終了後に議事概要と配布資料をホームページで公開する運びになっています。今回の掲載もその流れの一環です。
士業事務所にとっての3つの論点
まず押さえておきたいのは、この分類が資格制度とは別建てだという点です。総務省は日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)のページで、「日本標準職業分類は、統計の結果を表示するための分類であり、個々の職業を認定するものではありません」と明記しています。士業の業務範囲や独占業務の話とは別のものとして読むことになります。
論点の1つ目は、AI・デジタル系の職業の扱いです。資料1に載っている過去の開催実績を見ると、第4回(令和6年7月19日)で「IPAにおけるデジタル人材の考え方」、第5回(同年9月9日)で「デジタル・ICT系分野の職業」が議題に上がっています。デジタル人材をどう分類項目に落とすかが、初期段階から検討テーマになっていたことが読み取れます。
2つ目は、士業が属する大分類の扱いです。同じ開催実績によれば、第3回(令和6年6月7日)で大分類B「専門的・技術的職業従事者」の研究課題等の洗い出しが行われています。現行分類で弁護士や税理士がどの項目に置かれているかは、分類項目名やe-Statの分類検索システムで職業名を検索して確認できます。ただし第6回改定案でこの区分がどう変わるのかは、現時点の公表資料からは確認できません(要確認)。
3つ目は、統計データの時系列比較です。分類項目が新設・廃止されると、改定の前後で同じ名称の集計値が同じ範囲を指さなくなることがあります。顧問先への提案資料や事務所の採用計画で職業別の統計を使っている場合、この切れ目をまたいだ比較では数字の指す範囲が変わり得ます。生成AIに統計データを読ませて分析させるときも、どの分類に基づく数字なのかを人が押さえておく前提は変わりません。経営診断レポートをAIで作成する場面や、事務所のAI人材を採用・育成する場面で職業別データを引くときには、出典の分類基準まで確認しておくと後で困りません。
今後の見どころ
当面は、第25回の議事概要と配布資料が研究会の一覧ページに掲載されるかどうかが最初の確認点です。資料1の予定どおりであれば、そこで諮問案(改定案)が決定されたことになります。ただし予定の変更もあり得ると明記されているため、公表を待って確認する段階です。
改定案の具体的な項目立てが公表されれば、AI関連の職業がどこまで独立した項目として立てられたのか、士業を含む専門職の区分がどう整理されたのかが読めるようになります。社会保険労務士のAI活用や中小企業診断士のAI活用のように、労働市場データを扱う機会が多い職種ほど、この改定の影響を受ける場面が出てきます。統計の更新情報を定点で追う運用は、金融庁の証券不正アクセス統計の更新を追ったときと同じ考え方で組めます。

まとめ
総務省が第24回職業分類改定研究会の議事概要と資料を公表し、日本標準職業分類第6回改定案の検討が諮問案決定の段階まで進んでいることが示されました。改定案の中身は未公表ですが、デジタル人材の分類が早期から検討テーマになっていた点と、専門的・技術的職業従事者の区分が洗い出し対象だった点は、公表資料から確認できます。士業事務所としては、統計データの分類基準が変わり得る前提で数字を扱う構えが要ります。
参考文献
- 総務省 職業分類改定研究会
- 総務省 第24回職業分類改定研究会
- 総務省 第24回職業分類改定研究会 議事概要(PDF)
- 総務省 第24回職業分類改定研究会 資料1 職業分類改定研究会の今後の予定(PDF)
- 総務省 職業分類改定研究会の開催について(PDF)
- 総務省 日本標準職業分類(平成21年12月統計基準設定)
- e-Stat 統計分類・用語の検索 日本標準職業分類
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引用元: 総務省
本記事の作成体制について
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