デジタル庁がPMHの利用規約改正と導入施設リストを更新しました。
デジタル庁は2026年9月18日、自治体と医療機関等をつなぐ情報連携システム Public Medical Hub(PMH)のページを更新し、システム利用規約の改正履歴と、医療費助成のオンライン資格確認を導入済みの医療機関・薬局リストを差し替えました(出典: デジタル庁 Public Medical Hub(PMH))。マイナンバーカードを医療費助成の受給者証として使う仕組みが、先行実施から全国展開の局面に入りつつあります。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で確認しています。

PMHで何が更新されたのか
今回の更新は、利用規約の改正履歴と導入施設リストという運用面の2点です。デジタル庁のPMHページは、2026年9月18日付でシステム利用規約の改正に関する案内と、医療費助成オンライン資格確認の導入済み医療機関・薬局リスト(Excel)を更新したと記載しています。
規約そのものの直近改正は2026年8月3日施行分です。デジタル庁の利用規約の改正ページによれば、第2条の用語の定義が見直され、従来の「医療機関」「薬局」という区分が「医療機関等」に統合されました。対象には訪問看護ステーションと、保険者が開設または指定する職域診療所が加わっています。告知期間は同年7月24日から8月2日までで、既に同意済みの利用者は改めて同意する手続きを要しないと案内されています。
参加規模の数字も示されています。同ページでは、参加自治体数が2024年度末時点の183自治体から2026年6月7日時点で608自治体へ拡大し、全自治体である622自治体への到達が見込まれていると説明されています。PMHを利用できる医療機関・薬局は、2025年4月の約2.5万施設から2026年3月には約6.9万施設へ増えました(出典: デジタル庁 PMH 先行実施事業の実施状況)。もともとの位置づけは、2023年6月2日に決定された医療DXの推進に関する工程表(内閣官房)にある情報連携基盤の整備です。自治体ごとの整備状況はPMH(医療費助成)先行実施自治体一覧と、厚生労働省の自治体・自治体システムベンダ向けページで公表されています。
士業事務所から見た3つの論点
このニュースを事務所の実務に引き寄せるなら、見どころは制度そのものより、個人情報を扱う前に何を整えたのかという手順の部分です。行政が公開した枠組みが、そのまま事務所の生成AI導入を点検する材料になります。
第一の論点はPIAです。デジタル庁はPMHの資料として自治体向けのPIAひな形を公開しており、同庁はPIAを「個人情報等を取り扱う事務を実施する前に個人のプライバシーにどのようなリスク・影響があるかについて事前に評価する仕組み」と説明しています(出典: デジタル庁 PMH 資料)。運用を始めてから問題を探すのではなく、始める前に評価表を書くという順番です。顧問先の個人データを生成AIに読ませる構想がある事務所で、同じ順番を採る例が出てきています。
第二の論点は安全管理措置です。個人情報の保護に関する法律第23条は安全管理措置の見出しのもと、個人情報取扱事業者が取り扱う個人データの漏えい、滅失又は毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じることを定めています。AIツールの選定では、入力したデータが学習に使われるか、どの範囲の従業者が閲覧できるか、という点が導入可否を分ける材料になります。ベンダーが公表する利用規約やデータ取扱いのポリシーで確認する作業は、PMHの利用規約に同意する手続きと構造がよく似ています。令和8年改正の全体像は個人情報保護法の令和8年改正、課徴金とAI学習特例を顧問先に説明する7論点で整理しています。
第三の論点は顧問先への説明です。医療費助成の受給者証がカードに寄っていけば、窓口の持ち物と手続きの説明が変わります。関与先に医療機関や介護事業者を持つ税理士事務所、助成金と労務手続を扱う社会保険労務士事務所では、顧問先から、自分の地域は対応しているのかと尋ねられる場面が想定されます。自治体の対応状況は上記の一覧で確認できるため、推測で答えずに一次情報を案内する運用が現実的です。本人確認まわりの動きはマイナンバーカードのスマホ本人確認、確認用プログラム認定4件と士業3論点でも取り上げました。
今後の展望
PMHは医療費助成から、予防接種・母子保健の領域へ対象を広げる設計です。デジタル庁は、情報連携を行う制度とユースケースを増やす機能拡充と、対象自治体・医療機関・薬局の拡大を進めると説明しています。参加自治体が622の全自治体へ到達する見込みであることを踏まえると、次に注目されるのは、どの制度がPMHに乗るのかという範囲の話になります。
事務所側の関心事は、行政手続が紙から連携基盤へ移るたびに、確認作業の置き場所が変わることです。国税の分野では処分通知の電子交付が広がっており、その実務は国税の処分通知が電子交付へ拡大 税理士事務所が回す一括同意7工程で扱いました。行政書士の分野でも行政書士法の改正でデジタル対応が努力義務に 事務所が置く7つの確認工程のとおり、デジタル対応の位置づけが変わりつつあります。PMHの動きは、その流れの医療版として読むと位置づけがはっきりします。
まとめ
デジタル庁は2026年9月18日にPMHのページを更新し、利用規約の改正履歴と導入済み施設リストを差し替えました。同ページによれば、参加自治体は608、利用可能な医療機関・薬局は約6.9万施設に達しています。士業事務所にとっての読みどころは、PIAという事前評価の枠組みと、規約同意の前にデータの扱いを確認するという手順の部分です。
参考文献
- デジタル庁 自治体・医療機関等をつなぐ情報連携システム(Public Medical Hub:PMH)
- デジタル庁 Public Medical Hub システム利用規約(自治体向け)(医療機関・薬局向け)の改正について
- 内閣官房 医療DXの推進に関する工程表(PDF)
- 厚生労働省 医療費助成のオンライン資格確認 自治体・自治体システムベンダ向けの情報
- e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律第23条
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引用元: デジタル庁
本記事の作成体制について
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