民事裁判IT化 全面施行後の実務対応と電子記録をAIで扱う7つの工程

民事裁判IT化の全面施行で何がどこまで電子化されたのかを裁判所と法務省の一次情報で確認し、増えた電子記録を事務所が捌く7つの工程と、AIに渡す前の前処理・守秘義務の線引き・実務対応を整理しました。

民事裁判IT化 全面施行後の実務対応と電子記録をAIで扱う7つの工程

民事裁判IT化の全面施行とは、民事訴訟手続が全面的にデジタル化された状態のことです。

訴訟記録が紙の束からPDFの束に変わりました。読む分量そのものは減っていません。むしろ、いつでもダウンロードできるようになった分だけ、事務所の手元にデータが溜まる速度が上がっています。この記事では、民事裁判IT化の全面施行で何がどこまで電子化されたのかを一次情報で確認したうえで、増えた電子記録を事務所の工程としてどう捌くか、生成AIをどの工程に噛ませて、どの工程を人が持つのかを整理します。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で確認しています。裁判所は改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要で、2026年5月21日に施行された改正民事訴訟法・改正民事訴訟規則により民事訴訟手続が全面的にデジタル化されたと説明しています。

全面施行で電子化された範囲を一次情報で確認する

制度の輪郭を取り違えると、その先の工程設計が丸ごとずれます。まず事実の確認から入ります。

法務省の民事訴訟法等の一部を改正する法律についてによると、民事訴訟法等の一部を改正する法律(令和4年法律第48号)は2022年5月18日に成立し、同月25日に公布されました。施行は一度にではなく段階に分けられています。同じ資料では、住所や氏名等の秘匿制度の創設が2023年2月20日、ウェブ会議等を利用した弁論準備手続と和解期日の見直しが2023年3月1日、ウェブ会議を利用した口頭弁論期日への参加が2024年3月1日、人事訴訟・家事調停におけるウェブ会議を利用した離婚・離縁の和解・調停の成立等が2025年3月1日、そしてオンライン提出・訴訟記録の電子化・法定審理期間訴訟手続の創設を含む全面施行が2026年5月21日と示されています。

電子申立ての根拠は民事訴訟法第132条の10です。同条第1項は、書面等をもってするものとされている申立て等について、最高裁判所規則で定める電子情報処理組織を使用し、書面等に記載すべき事項をファイルに記録する方法により行うことができると定めています。到達の時点も同条に書かれています。電子情報処理組織を使用する申立て等は、その事項がファイルに記録された時に裁判所に到達したものとみなすという定め方です。窓口の受付時間ではなく、記録された時点が基準になります。

代理人の扱いは別の条に置かれました。民事訴訟法第132条の11は、訴訟代理人のうち委任を受けたものについて、当該委任を受けた事件の申立て等を前条第1項の方法により行わなければならないと定めています。口頭ですることができる申立て等を口頭でするときは、この限りでないというただし書も置かれています。裁判所も改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要で、弁護士などの訴訟代理人等についてはオンラインによる手続が義務化されていると説明しています。

送達も回線に乗りました。民事訴訟法第109条の2は、電磁的記録の送達について、閲覧または記録ができる措置をとるとともに、送達を受けるべき者に対してその措置がとられた旨の通知を発する方法によることができると定めています。届出をしている場合に限る、というただし書付きの仕組みです。裁判所の説明では、この送達の効力は、当事者がシステムにサインインして裁判書類を閲覧した時、ダウンロードした時、閲覧またはダウンロードができる旨の通知が発せられた日から1週間を経過した時のうち、最も早い時に生じるとされています。出典は前掲の裁判所の概要ページです。

記録の見方も変わりました。民事訴訟法第91条の2は、電磁的訴訟記録について、何人も内容を表示したものの閲覧を請求でき、当事者および利害関係を疎明した第三者は、電子情報処理組織を使用して自らの電子計算機のファイルに記録する方法などによる複写を請求できると定めています。判決書も電磁的記録になりました。民事訴訟法第252条は、判決の言渡しをするときに、主文、事実、理由、口頭弁論の終結の日、当事者及び法定代理人、裁判所を記録した電磁的記録を作成すると定め、これを電子判決書と呼んでいます。

費用の納め方も変わりました。裁判所の説明によると、申立手数料はこれまでの収入印紙の貼付から、原則としてペイジーを利用した現金納付になり、これまで別に納めていた送達のための郵便費用は申立手数料に一本化されました。出典は前掲の概要ページです。金額の具体は、裁判所が公表している手数料額早見表で確認できます。

範囲の限定も押さえておきます。裁判所の民事裁判手続のデジタル化のページでは、民事執行、倒産、労働審判等の非訟手続、人事訴訟手続、家事事件手続は今回のオンライン申立て等の対象外であり、これらは令和10年6月までにオンライン申立て等の対象となる予定と説明されています。また、オンラインで訴えを提起したり送達を受けたりできるのは全面施行以降に提起する訴え等に限られ、それ以前に提起された訴えは引き続き書面で進むとも示されています。事務所の中に、電子で回る事件と紙で回る事件が同時に存在する期間が続きます。

新しい手続も入りました。民事訴訟法第381条の2は法定審理期間訴訟手続の要件を定めており、当事者は裁判所に対して、この手続による審理及び裁判を求める旨の申出をすることができるとしています。ただし、消費者契約に関する訴えと個別労働関係民事紛争に関する訴えは除かれています。

事務所の手数はどこへ移ったか

作業量そのものは、減った分だけ別の場所に移りました。移った先を先に決めておくかどうかで、負担感が変わります。

減った作業から書きます。印刷、製本、副本の作成、封入、郵送、持参。この帯は物理的に消えました。郵券の管理も、手数料への一本化によって手離れします。期日の一部はウェブ会議で足りるようになり、移動と待機の時間も削れます。

代わりに増えたのは、データを整える作業です。mintsからダウンロードしたファイルをどこに置くか。事件番号と日付と書面種別をどう並べるか。同じ書面の差替版が届いたとき、どちらが最新かを誰が判断するか。紙のころは、物理的な綴じ順と受付印が版管理を兼ねていました。電子になると、その代わりを命名規則とフォルダ設計で作ることになります。

期限管理の性質も変わりました。送達の効力が閲覧またはダウンロードの時点で生じ得る以上、事務局の誰かがシステムを開いた行為が、そのまま期間の起算に効いてきます。誰がいつ開いたかを事務所側でも把握できる状態にしておかないと、期限の計算根拠が手元に残りません。裁判所は改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要の中で、記録一覧のダウンロードやアクセス状況の記録について操作説明の動画を用意しています。

アカウントの設計も新しい仕事です。裁判所のmintsについてのページでは、弁護士・司法書士・弁理士とその補助者の登録方法が分けて案内され、親ユーザと補助者ユーザという区分が置かれています。誰に補助者ユーザを持たせ、誰が提出の最終操作をするか。ここはシステムの都合ではなく、事務所の責任分担で決める領域です。

事故の型も入れ替わりました。裁判所は、mintsの事件情報に誤ったファイルをアップロードした場合の対応をまとめた資料を民事裁判手続のデジタル化のページに掲載しています。紙の時代の誤送付にあたる事故が、アップロードの操作ミスという形で残っているということです。

そして二重運用です。旧法適用の事件は紙で、新法適用の事件は電子で進みます。同じ担当者が両方を抱える期間、手順書は二本立てになります。ここを口伝で回すと、繁忙期に取り違えが起きます。

電子化された記録にAIを当てる7つの工程

結論を先に書きます。AIを当てるのは読む工程と並べる工程だけで、判断する工程には当てません。工程を分け、その間に人の関門を置く設計にします。

第1工程は、受領と保管の型を決めることです。ダウンロードしたファイルの置き場所、命名規則、版の見分け方を先に決めます。生成AI以前の話ですが、ここが崩れていると、後段でどのファイルを読ませたのかが追えなくなります。

第2工程は、AIに渡す前の前処理です。士業事務所ではここが肝になります。原本のPDFをそのまま投げるのではなく、渡す範囲を切り出し、外部サービスに出さない情報を置き換えます。スキャン由来のPDFはテキストが埋め込まれていないことがあるため、テキストを抽出できるかどうかを先に確かめます。抽出できていない状態で要約させると、AIは読めていない部分を推測で埋めます。この失敗は出力が自然な日本語になるため、読んだだけでは気づけません。

第3工程は、読み込みと要約です。1書面につき1要約を原則にし、要約の各項目に元の書面の該当箇所を併記させます。併記があると、次の検算工程で原本に戻れます。要約の精度より、戻れるかどうかを優先する設計です。

第4工程は、時系列化です。日付、出来事、根拠となる記載箇所の3項目を並べさせます。記載のない日付を推測で補完させないことが条件になります。人がやると時間だけが溶ける作業で、電子化の効果が最も直接に出る領域です。

第5工程は、争点整理の下ごしらえです。相手方の主張と自分の主張を対応づけ、どの主張に対する認否や反論が手元にないかを列挙させます。ここでAIに出させるのは対応関係の候補であって、評価ではありません。評価を出させた時点で、検算できない出力が混ざります。抜けを見つける道具として位置づけを固定しておくと、担当者ごとの使い方のばらつきが減ります。

第6工程は、検算です。第3工程と第4工程で併記させた該当箇所を頼りに、原本へ戻って一件ずつ突き合わせます。この工程を省くなら、そもそも前の工程の出力を使わないほうが安全側です。生成AIの誤りを止める関門の設計は生成AIのハルシネーション対策で整理しています。

第7工程は、有資格者による確定です。訴訟活動としての判断、書面に載せる表現、提出するかどうかの決定はここだけで行います。前の6工程はすべて下ごしらえで、成果物は事務所の内部資料にとどまります。

7工程のうち、生成AIが直接触れるのは第3から第5です。第1と第2は人が作る前処理、第6と第7は人が持つ関門になります。前処理と関門を工程として書き出しておくと、担当者が入れ替わっても運用が崩れにくくなります。書面の下書きをAIに寄せる場合の品質基準の作り方は士業の書面作成をAI下書きで回す手順で扱っています。

なお、過去の書面を横断して探す使い方は、この7工程とは別の設計になります。事件単位で完結する処理ではなく、事務所の蓄積を検索できる状態にする話だからです。手順は士業事務所のRAG構築で整理しています。

訴訟記録をAIに入れる前に決めておく守秘義務と規程の線引き

守秘義務の条文から確認します。弁護士については弁護士法第23条に秘密保持の権利及び義務が置かれ、弁護士または弁護士であつた者は、その職務上知り得た秘密を保持する権利を有し、義務を負うと定められています。司法書士については司法書士法第24条に秘密保持の義務が置かれ、正当な事由がある場合でなければ、業務上取り扱つた事件について知ることのできた秘密を他に漏らしてはならないと定められています。

条文の書き方から読み取れることが一つあります。どちらも対象を依頼者の情報に限定していません。職務上、あるいは業務上取り扱った事件を通じて知った秘密が対象です。訴訟記録には、相手方の主張、第三者の氏名、取引の内訳が含まれます。電子化されて手元に置きやすくなったぶん、この範囲の広さが効いてきます。紙のころは保管庫の容量が物理的な上限を作っていましたが、電子にはその上限がありません。

個人情報の側からも線が引かれます。安全管理措置は個人情報保護法第23条に、第三者提供の制限は個人情報保護法第27条に置かれています。ただし、資格法の守秘義務は個人情報より広い範囲を対象にしているため、個人情報保護法の枠組みだけで運用を作ると、法人間の紛争や交渉の見通しが線引きから漏れます。

外部サービス側の確認事項は3つに整理できます。1つ目は、入力したデータが学習に使われるかどうか。Anthropicは入力データがモデルの訓練に使われるかを説明するヘルプページを、OpenAIもデータがモデルの改善にどう使われるかを説明するページを公開しています。2つ目は、契約形態や設定によって取り扱いが変わるかどうか。3つ目は、事務所が管理者として利用状況を把握できるかどうかです。生成AIサービス一般の注意点については、個人情報保護委員会が生成AIサービスの利用に関する注意喚起等を公表しています。顧客情報の入力についての整理は顧客情報を生成AIに入力するリスクと対策にまとめています。

裁判所側のルールも読み込みの対象になります。裁判所はmints利用規約とmintsセキュリティ対策の概要を公表しています。事務所の運用を決める前にこの2つとアカウント登録ガイドを読み合わせておくと、後から手順を作り直す手間が減ります。士業者向けの登録手順はmintsアカウント登録ガイド(士業者編)にまとまっています。

規程に落とすなら、書く項目は運用例として次のように整理できます。入力してよい情報の区分。使ってよいサービスの指定と、指定外を使わない取り決め。前処理で置き換える項目の一覧。出力を外に出す前の確認者。作業の記録を残す範囲。これらを紙1枚にまとめ、担当者が迷ったときに見る場所を決めておくと、野良利用が起きにくくなります。弁護士業務全体での線引きは弁護士のAI活用、司法書士業務については司法書士のAI活用で扱っています。

依頼者への説明も工程に入れておくと安定します。訴訟記録を外部サービスに通す運用を採る場合、何を入れて何を入れないのかを説明できる状態にしておくほうが、後から問われたときに答えやすくなります。説明の材料は、前処理で置き換える項目の一覧と、確認工程の並びがあれば足ります。

明日から着手できる準備

着手の順番は、制度の確認、保管の型、前処理の型、プロンプトの型の4段です。逆順で進めると、途中で作り直しになります。

最初にやるのは、係属中の事件を旧法適用と新法適用に仕分けることです。手順書が二本立てになる期間なので、どちらの束がどれだけあるかを把握しておくと、優先順位が決まります。仕分けの基準は訴えの提起の時点なので、事件管理台帳に列を一本足すだけで足ります。

次に、保管の型を決めます。事件単位のフォルダ、命名規則、版の付け方です。ツールの導入と業務設計を分けて考える視点はリーガルテック導入の進め方でも扱っています。

そのうえで、前処理の型を決めます。置き換える項目、渡す範囲、テキスト抽出の確認手順。この3つを紙1枚にして、担当者全員が同じ操作をする状態にします。

最後がプロンプトです。事務所で共有する指示文の例を2つ挙げます。固有名詞は記号に置き換えて使う前提です。

時系列化に使う型です。

あなたは法律事務所の事務スタッフです。以下の記録から、出来事を時系列に並べてください。

条件:
- 記録に記載がある事実だけを拾い、推測で補わないこと
- 各行は 年月日 / 出来事 / 根拠となる記載箇所(ページ・行) の形式にすること
- 日付の記載がないものは 日付の記載なし として末尾にまとめること
- 法的な評価、見通し、助言は一切書かないこと
- 固有名詞は A社、甲、乙 のまま扱うこと
- 読み取れない箇所は 判読不能 と必ず明記すること

記録:
"""
(ここに貼り付け)
"""

主張の対応づけに使う型です。

あなたは書面整理の補助役です。以下の2つの書面を読み、主張の対応関係だけを整理してください。

条件:
- 書面Aの各主張に対して、書面Bのどの記載が対応するかを並べること
- 対応する記載が見当たらない主張は 対応記載なし として別に列挙すること
- どちらが正しいか、説得的かという評価は一切書かないこと
- 各行に、根拠となる記載箇所(書面名・ページ・行)を必ず添えること
- 固有名詞は A社、甲、乙 のまま扱うこと

書面A:
"""
(ここに貼り付け)
"""

書面B:
"""
(ここに貼り付け)
"""

どちらの型にも、根拠となる記載箇所を書かせる条件を入れてあります。この一行がないと、第6工程の検算が成立しません。

よくある落とし穴

1つ目は、形式要件をAIに答えさせることです。提出できるファイルの形式や手続の細目は最高裁判所規則と細則で定められており、裁判所が民事事件等に関する手続における電子情報処理組織の使用に関する細則として公表しています。ここは原典を引く場所であって、生成AIの記憶に頼る場所ではありません。裁判所が公表している民事訴訟フェーズ3に向けた準備の手引も、手元に置いておく資料になります。

2つ目は、原本性の確認漏れです。AIの要約は事務所内部の作業メモであって、原本ではありません。書面に載せる記載は、電磁的訴訟記録の該当箇所へ戻って確かめます。証明が要る場面では、民事訴訟法第91条の2が定める、記録された事項と同一であることを証明した書面の交付や電磁的記録の提供を請求する手続が別に用意されています。要約で足りる場面と、証明まで要る場面を取り違えないことが実務上の分岐になります。

3つ目は、前処理を飛ばすことです。急いでいるときほど、原本をそのまま貼り付けたくなります。前処理を独立した工程として立てておくのは、この誘惑を手順で止めるためです。

4つ目は、版の取り違えです。電子になると、似た名前のファイルが増えます。AIに読ませたファイルがどれだったかを出力側にも記録しておくと、後から追跡できます。

5つ目は、アカウントの使い回しです。補助者ユーザの区分が用意されている以上、親アカウントを共有して運用すると、誰の操作だったかが後から分かりません。送達の効力が閲覧やダウンロードの時点に結びつく以上、操作者を特定できない状態は期限管理の弱点になります。

よくある質問

民事裁判IT化の全面施行はいつからですか

改正民事訴訟法・改正民事訴訟規則の全面施行は2026年5月21日と公表されています。出典は法務省の民事訴訟法等の一部を改正する法律についてと、裁判所の改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要です。それ以前にも2023年から段階的に施行が進んでいました。

訴訟代理人はオンラインで申し立てることになったのですか

民事訴訟法第132条の11が、訴訟代理人のうち委任を受けたものについて、当該委任を受けた事件の申立て等を電子情報処理組織を使用する方法により行わなければならないと定めています。裁判所も、弁護士などの訴訟代理人等についてはオンラインによる手続が義務化されていると説明しています。出典は前掲の裁判所の概要ページです。口頭ですることができる申立て等を口頭でするときは、この限りでないというただし書が同条に置かれています。

全面施行より前に提起された事件も電子で進みますか

裁判所は、オンラインで訴えを提起したり送達を受けたりできるのは全面施行以降に提起する訴え等に限られると説明しています。それ以前に提起された訴えについては、引き続き書面によることになるとも示されています。出典は改正民訴法等で変わる民事訴訟手続の概要です。事務所の中で二つの手順が並走する期間が続きます。

民事執行や家事事件もオンラインになりましたか

裁判所は、民事執行、倒産、労働審判等の非訟手続、人事訴訟手続、家事事件手続は今回のオンライン申立て等の対象外であり、令和10年6月までに対象となる予定と説明しています。出典は民事裁判手続のデジタル化のページです。民事執行の申立てについては、引き続き裁判所に書面で申し立てることになるとも示されています。

訴訟記録を生成AIに読ませてよいですか

事務所として先に決めるのは、入れてよい情報の区分と、使ってよいサービスの指定です。守秘義務の根拠は弁護士法第23条や司法書士法第24条に置かれており、対象は依頼者の情報に限られていません。外部サービスの利用一般については、個人情報保護委員会の注意喚起が判断の出発点になります。この記事の第2工程のように、渡す前の置き換えを独立した工程にする運用例があります。

事務局スタッフにmintsを触らせてよいですか

裁判所は士業者の補助者向けの登録手順を用意しており、親ユーザと補助者ユーザの区分を置いています。出典はmintsについてのページです。誰に何の操作を任せるかは、事務所の責任分担として決める部分になります。送達の効力が閲覧やダウンロードの時点に結びつく以上、操作者を特定できる状態にしておくと期限管理が安定します。

AIに条文や判例を調べさせてよいですか

条文と判例は原典で確認する運用が安全側です。生成AIは条番号や事件番号をそれらしく作ることがあり、しかも誤りが検出しにくい領域です。条文はe-Gov法令検索、判例は裁判所の裁判例検索で当たります。誤りを止める関門の作り方は生成AIのハルシネーション対策にまとめています。

まとめ

民事裁判IT化の全面施行で変わったのは、提出と送達と記録の形式です。事務所の負担は、紙を扱う作業からデータを整える作業へ移りました。移った先に工程を置かないまま生成AIを足すと、出どころの追えない出力が増えるだけになります。受領と保管の型、AIに渡す前の前処理、原本へ戻る検算、有資格者による確定。この4つを工程として先に立てておけば、残りの部分は試しながら育てられます。制度の細目は裁判所と法務省の公表資料が随時更新されるため、運用を作る前に一次情報へ当たる習慣を事務所の手順に組み込んでおくと、後の作り直しが減ります。

参考文献

※士業のチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴事務所の業務に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
https://shigyonochikara.jp/contact/

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。

記載内容に誤りを見つけられた場合は、お問い合わせよりご指摘ください。確認のうえ速やかに訂正し、訂正履歴を記事内に残します。編集方針の詳細は運営者情報をご覧ください。