デジタル化AI導入補助金2026とは、旧IT導入補助金が名称を変えた中小企業向けの支援制度のことです。
制度の名前が変わりました。令和7年度補正予算の事業から、IT導入補助金はデジタル化・AI導入補助金へと呼び名を改めています。顧問先の申請を支援する立場では、名称の変更そのものより、支援業務の回し方をどう組み替えるかが手取りに直結します。この記事は制度の概要を最小限にとどめ、申請支援という業務そのものの設計に紙幅を割きます。どの工程を生成AIに任せられて、どの工程を人が握り続けるのか、工程ごとに線を引きます。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で確認しています。通常枠の交付申請の受付は2026年3月30日に始まっており、第4次締切は2026年8月25日と公表されています(出典: デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール)。
2026年に顧問先のAI導入へ充てられる制度を押さえ直す
支援の入口で確かめるのは、制度の正式な名称と、その年度の公募要領がどこに置かれているかです。デジタル化・AI導入補助金2026は、旧IT導入補助金の名称を変更した制度で、事務局サイトはデジタル化・AI導入補助金2026にあります。事業名は中小企業デジタル化・AI導入支援事業で、独立行政法人中小企業基盤整備機構から採択を受け、同機構および中小企業庁の監督のもとで事務局業務が運営されています。正式な表記は中黒を挟む形です。検索では中黒なしの表記も混ざるため、顧問先へ渡す資料は正式表記に揃えておくと後の照合が楽になります。
申請枠は5つに分かれています。通常枠、インボイス枠のインボイス対応類型、インボイス枠の電子取引類型、セキュリティ対策推進枠、複数者連携デジタル化・AI導入枠です。最後の枠は旧称を複数者連携IT導入枠といい、制度の改称に合わせて呼び名が変わりました(出典: ミラサポplus デジタル化・AI導入補助金)。どの枠で出すかは要件判定そのものなので、支援者が原典を読んで決める部分です。
金額の条件は枠ごとに違います。通常枠の補助率は1/2以内で、令和6年10月から令和7年9月までの間で3か月以上、令和7年度改定の地域別最低賃金未満で雇用している従業員が全従業員の30%以上であることを示した場合は2/3以内とされています。補助額は1プロセス以上の申請で5万円以上150万円未満、4プロセス以上の申請で150万円以上450万円以下です(出典: デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠)。制度全体では、枠と類型によって補助率が1/2から4/5、補助上限額が最大450万円と案内されています(出典: ミラサポplus)。
日程は公募回ごとに区切られます。交付申請の受付開始は2026年3月30日で、通常枠の第4次締切は2026年8月25日、交付決定日は2026年10月7日、事業実施期間と事業実績報告の期限はいずれも2027年3月31日が予定として示されています(出典: 事業スケジュール)。通常枠の公募要領は2026年5月15日付で更新されたものが事務局から配布されています(出典: 通常枠)。版が動く前提で扱うのが支援側の作法で、最新の様式類は資料ダウンロードに集約されています。
制度の骨格は2点です。1点目は、事務局に登録されたITツールの中から選ぶ仕組みであること。顧問先が自由に選んだツールを買って後から補助を申請する形ではなく、登録の有無はITツール検索で確かめます。2点目は、IT導入支援事業者と組んで申請する仕組みであること。診断士や行政書士が支援に入る場合でも、手続き上の相手方はこの支援事業者です。ここを取り違えると役割分担の説明で顧問先を混乱させます。手続きの並びは新規申請・手続きフローで確認できます。
AI導入に充てられる制度はこれだけではありません。設備やシステムの導入を伴う投資なら省力化投資補助金、新製品や新サービスの開発を伴うならものづくり補助金が候補に入ります。ただし公募回ごとに要件も締切も動くため、金額や日付を顧問先へ伝える場面では、そのつど公式の公募要領で確認するほかありません。士業事務所が自分たちのAI環境を整えるために制度を使う場合の確認点は、IT導入補助金を士業事務所のAI導入に使うにまとめています。
申請支援の工程を7つに割って持ち主を決める
支援業務をAIに噛ませるには、まず作業を割る作業が要ります。ひとかたまりの申請支援として扱っている限り、AIを当てる場所も、値付けの単位も決まりません。ここでは7工程に割ります。
第1工程はヒアリングです。顧問先の業務の流れ、困っている場所、既に入っているシステム、担当者の役割を聞き取ります。入力は会話と現物の帳票、出力は業務の棚卸しメモです。ここで出た話の大半は申請書に載りませんが、載る部分を選び抜くために全部を出させる工程だと割り切ります。
第2工程は要件確認です。顧問先が補助対象になる事業者か、導入したいツールが登録されているか、どの枠で出すか、加点の対象になる取組を持っているか。入力は公募要領とツール検索の結果、出力は可否と枠の判断です。結論を出す責任が支援者に残る唯一の工程です。
第3工程は事業計画の骨子づくりです。課題、導入するもの、変わる業務、その結果として動く指標。この4つを1本の筋につなぎます。入力は第1工程のメモと第2工程の判断、出力は見出しレベルの構成案です。骨子が通っていない申請書は、文章をいくら整えても読み手に筋が伝わりません。事業計画そのものの組み立て方は事業計画書の作成支援とAIで扱っています。
第4工程は数値計画です。現状の作業時間や件数、導入後の見込み、労働生産性の算定。入力は顧問先が持っている実測値、出力は根拠つきの数表です。ここで顧問先が数字を持っていないと判明する場面はよくあります。当てずっぽうの数字を置くより、測り方を決めて数週間測ってもらうほうが、後の実績報告まで含めて事故が減ります。
第5工程は申請書のドラフトです。骨子と数値を、様式の各欄に収まる文章へ落とします。入力は第3と第4の成果物、出力は下書きで、分量の配分、用語の統一、重複の削除がここでの仕事になります。下書きにAIを噛ませる設計は補助金申請書の作成にAIを使うで詳しく書きました。
第6工程は提出前チェックです。公募要領の各要件と申請書の記載を突き合わせ、加点要件の抜けを拾い、添付書類の有無を確かめ、締切と受付時間を確認します。入力は公募要領の原文と申請書、出力は指摘リストです。この工程をチェックリストに落とせるかどうかで、支援品質のばらつきが決まります。
第7工程は交付決定後の実績報告です。交付決定を受けてから契約と支払いを行い、証憑を揃えて報告します。手続きの内容は事務局の交付決定後に必要な手続きに整理されています。申請だけ受けて報告を引き受けない支援は、顧問先から見ると途中で放り出された形になります。
AIを当てられる工程と、人が握り続ける工程を分ける
先に結論を書きます。AIを当てられるのは第1、第3、第5、第7の各工程で、人が握り続けるのは第2の要件確認と第6の最終確認です。理由は、要件確認と最終確認だけが、間違えたときに顧問先の申請そのものを壊す工程だからです。
第1工程のヒアリングでは、録音や手書きメモの構造化にAIが効きます。話した順に並んだ情報を業務プロセス別に並べ替え、事実として語られた部分と推測として語られた部分に分ける。人がやると1案件あたり数時間かかる作業ですが、指示文を固定しておけば下ざらえは短時間で終わります。人が見るのは、分類が実態とずれていないかの1点です。
第3工程の骨子づくりでは、複数の構成案を出させる使い方が向いています。同じ材料から、課題を軸にした構成、導入するツールを軸にした構成、指標を軸にした構成を出させ、顧問先の事業に合うものを人が選ぶ。ゼロから書くより速く、しかも選ばなかった案が顧問先への説明材料になります。
第5工程のドラフトでは、文章化と表現の統一に効きます。ただし数値と固有名詞は、AIに触らせない前提で組みます。骨子と数表を確定させてから、それを動かさない条件つきで文章にさせる。この順番を崩すと、もっともらしい数字が本文に紛れ込みます。
第7工程の実績報告では、証憑と報告項目の対応づけにAIが使えます。どの支払いがどの報告欄に対応するかの当たりをつけさせ、人が突き合わせる。様式は事務局が配布しているものを原典として使います。
握り続けるほうを見ます。第2工程の要件確認をAIに委ねられないのは、公募要領が版で動くからです。制度は令和7年度補正予算の事業から名称が変わり、通常枠の公募要領も年度内に更新されています(出典: 通常枠)。生成AIの学習データには前年度以前の版が混ざるため、対象経費の範囲や加点の条件を尋ねると、古い版の答えが返る場面があります。要件は原典を開いて読む。この一手間を省いた支援は、後から取り返しがつきません。
第6工程の最終確認を人が持つ理由は、責任の所在です。申請書に書かれた内容の責任は顧問先にあり、支援者はその内容を確かめる立場にあります。AIが出した指摘リストは有用ですが、指摘が出なかったことは要件を満たした証明になりません。診断士や行政書士の実務でAIをどこまで使うかの整理は、中小企業診断士のAI活用と行政書士のAI活用にそれぞれまとめています。
線引きを言葉にすると3つになります。判断が入る工程は人、材料を整える工程はAI。原典に当たる工程は人、原典から写す工程はAI。数字を決める工程は人、数字を並べる工程はAI。この3つを事務所の申請支援マニュアルの冒頭に置いておくと、担当者が変わっても運用がぶれません。
顧問先の決算数値をAIに入れる前に決めておくこと
申請支援では、顧問先の決算書、資金繰り表、従業員名簿、取引先一覧といった資料を預かります。これらを生成AIに入力してよいかは、事務所として先に決めておく論点です。
まず、どこまでが預かった秘密かを整理します。行政書士の場合、秘密を守る義務は行政書士法第12条に置かれており、業務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない旨と、行政書士でなくなった後も同様である旨が定められています。事務所の職員についても行政書士法第19条の3に同趣旨の規定があります。補助者やパート職員がAIツールを使う運用を認めるなら、この条文の射程を所内で共有しておく価値があります。
中小企業診断士の登録は中小企業支援法第11条に置かれ、経済産業大臣が登録簿を備えて経営診断の業務に従事する者を登録する仕組みが定められています。資格法のかたちで秘密保持を定める職種とは条文の建て付けが異なるため、支援の現場では業務委託契約の秘密保持条項と事務所内の規程で扱いを決める運用が採られています。どちらの立場でも、顧問先から見れば預けた資料の扱いに違いはありません。
個人情報の側も見ます。従業員名簿や顧客リストが資料に含まれる場合、外部サービスへの入力は個人情報の保護に関する法律第27条が定める第三者提供の制限が論点になり得ます。同条は、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない旨を定め、委託に伴う提供など第三者に該当しない場合を別に置いています。委託の枠組みで整理するのか、そもそも個人データを外さずに扱うのか。事務所として先に方針を持っておくと、案件ごとに迷わずに済みます。
ツール側の条件も確かめます。読む観点は4つで、入力が学習に使われるか、保持期間はどれくらいか、処理はどの地域で行われるか、管理者が利用状況を把握できるかです。事業者向けの契約と個人向けプランで条件が違う製品もあります。生成AIサービス一般の留意点は個人情報保護委員会の注意喚起が、顧客情報を入れるときの整理は顧客情報を生成AIに入力するリスクと対策が参考になります。
電子申請の代理と本人確認も、申請支援に固有の論点です。交付申請にはGビズIDの取得が前提になります(出典: 申請を行う前に必要な手続き)。アカウントは事業者本人のものなので、支援者がIDとパスワードを預かって代わりにログインする運用は、事故が起きたときの説明がつきにくくなります。画面共有で顧問先の手元を見ながら進める、入力内容を事前にテキストで渡して顧問先が貼り付ける、といった形にしておくほうが、後の説明が楽です。発行手続きはGビズIDで確認できます。
事務所規程に落とすなら、書く項目は5つです。入力してよい情報の区分、使ってよいツールと契約プラン、顧問先への説明と同意の取り方、出力を確認する担当と工程、記録の残し方。このうち顧問先への説明は、契約書の別紙にAI利用の範囲を1枚差し込む形が実務的です。説明しないまま使って後から発覚するより、先に伝えて範囲を合意しておくほうが、関係が長続きします。
申請支援でそのまま回せるプロンプトの型
指示文は3つ用意しておけば、申請支援の大半は回ります。共通の条件として、事実と推測を分けさせること、書かれていないことを補わせないこと、固有名詞を伏せることの3点を毎回入れます。
1つ目はヒアリングメモの構造化です。会話の記録を業務プロセス別に並べ替え、事実と推測を分けます。
あなたは業務整理を手伝う役です。
以下の「面談メモ」を、次の3区分に分けて整理してください。
区分:
1. 事業者が事実として述べたこと(現在の業務、使っている道具、担当者の役割)
2. 事業者が困りごととして述べたこと
3. 事業者の推測・希望として述べたこと(「〜だと思う」「〜したい」の類)
条件:
- メモに書かれていない事実を必ず補わないこと
- 数値は、メモに記載がある場合のみ記載し、無い場合は「記載なし」とすること
- 事業者名・担当者名は A社、甲、乙 に置き換えて扱うこと
- 効果の予測や評価を書かないこと
- 区分に迷った項目は「判断保留」としてまとめること
面談メモ:
"""
(ここに貼り付け)
"""
2つ目は公募要領との突き合わせチェックリストです。公募要領の原文を貼り付けたうえで、要件を確認項目に変換させます。原文を貼らずに制度名だけ与えると古い版の記憶で答えが返るため、原文はそのつど添えます。
あなたは書類点検のチェックリストを作る役です。
以下の「公募要領の抜粋」だけを根拠に、申請書の点検項目を作ってください。
出力形式:
- 項目ごとに1行
- 各行の末尾に、根拠となる公募要領の見出し名を丸括弧で付ける
条件:
- 公募要領の抜粋に書かれていない要件を追加しないこと
- 一般論や過去の年度の記憶を混ぜないこと
- 抜粋から読み取れない項目は「抜粋範囲外」として別枠に分けること
- 期限・金額・様式番号は、抜粋の表記をそのまま写すこと
公募要領の抜粋:
"""
(ここに貼り付け)
"""
3つ目は申請書ドラフトの自己点検です。書き上げた下書きから、根拠のない数値と、対応関係が切れている記述を洗い出させます。
あなたは原稿の整合性を点検する役です。
以下の「申請書ドラフト」を読み、次の3点だけを指摘してください。
指摘する対象:
1. 根拠の記載がない数値(出所が本文中にない数字)
2. 課題として挙げた項目のうち、導入するツールとの対応が書かれていないもの
3. 同じ内容が2か所以上で重複している箇所
条件:
- 文章の良し悪しや表現の巧拙は評価しないこと
- 事実関係の正誤を判定しないこと
- 修正案を書かず、指摘箇所と理由だけを出力すること
- 指摘が無い区分は「指摘なし」と明記すること
申請書ドラフト:
"""
(ここに貼り付け)
"""
いずれの出力も下書きです。要件の可否と最終的な文面は、支援者が原典に当たって決めます。
工数が減った分を値下げに変えない報酬の組み立て
AIで工数が減ると、値下げ圧力が来ます。申請支援は成果が採否という形で見えるぶん、この圧力が特に強く出る業務です。
先に押さえるのは、報酬の根拠を工数から外すことです。申請支援で顧問先が買っているのは、作業時間ではなく、要件の判断と、書類が要件を満たしている状態です。工数を根拠に値付けしていると、工数が減った瞬間に値下げの理屈を自分で用意したことになります。この構造の整理は士業のAI活用と報酬設計で詳しく扱いました。
組み立て方としては、着手金と成功報酬を分ける形が申請支援には馴染みます。着手金でカバーするのは、要件確認、枠の選定、事業計画の骨子づくり、数値計画の設計まで。ここは採否にかかわらず顧問先に残る成果物なので、確定の対価として受け取ります。成功報酬でカバーするのは、交付決定に至った場合の上乗せです。分け方をこうしておくと、不採択のときに支援側の持ち出しが全部になる事態を避けられます。
見落としがちなのが、交付決定後の実績報告を別建てにすることです。報告の作業は交付決定から数か月後に来ます。申請時の報酬に含めてしまうと、忘れた頃に無償の作業が発生します。報告支援は別の契約として、着手の時点で顧問先に伝えておきます。
成功報酬の水準を補助額に連動させる形は広く見られますが、割合の相場は案件の規模と支援の範囲で変わるため、ここでは断定を避けます。ひとつ言えるのは、AIで工数が減ったからといって着手金を下げると、要件確認と数値計画という最も責任の重い工程の対価が消えるということです。減った工数は、受けられる件数を増やすか、1案件あたりの確認を厚くするかに回すほうが、事務所の体力が付きます。
申請支援で起きる失敗の型
1つ目は公募要領の版ズレです。生成AIに要件を尋ねると、前年度以前の版に基づく答えが返ることがあります。制度は名称そのものが変わり、通常枠の公募要領も年度内に更新されています(出典: 通常枠)。対象経費、加点要件、様式番号は、そのつど事務局の資料ダウンロードから最新版を取って確認します。
2つ目は、AIが書いた数値をそのまま提出することです。生成AIは空欄を嫌うため、根拠のない数字を置く挙動を示します。補助事業者が交付の決定の内容と条件に従い善良な管理者の注意をもって事業を行う旨は補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第11条に、事業完了時の実績報告は同法第14条に置かれています。偽りその他不正の手段により補助金等の交付を受けた者への罰則は同法第29条に定められています。申請時の数値と実績報告の数値が食い違うと、説明の負担は顧問先に返ります。数字は顧問先が測ったものだけを載せる。この一線は動かさないほうが安全です。
3つ目は加点要件の見落としです。加点は、締切までに所定の手続きを済ませていることを条件にする形が多く、後から遡って足すことができません。事務局は、省力化ナビを活用して加点を希望する場合、各公募回の締切までに活用ステップ1から4を実施し、解決策のPDFをダウンロードしておく手続きを案内しています(出典: 交付申請手続きにおける省力化ナビの診断の実施について)。加点の一覧は、着手した週のうちに拾い出して顧問先と共有しておきます。
4つ目は、交付決定の前に顧問先が契約や発注を済ませてしまう例です。導入を急ぐ気持ちが先に立つと起きます。初回の打ち合わせで手続きの順番を口頭と書面の両方で伝えておくと、事故が減ります。
5つ目は、GビズIDの取得が締切に間に合わない例です。アカウントの発行には時間がかかるため、初回相談の場で取得状況を確かめる項目を第1工程の定型に入れておきます。
6つ目は、支援の記録を残していない例です。どの資料をいつ預かり、どの判断を誰がしたか。AIを使う工程が増えるほど、記録の粒度が事務所を守ります。事務局は不正への対応方針を不正に関する案内で公表しています。
よくある質問
デジタル化AI導入補助金2026はIT導入補助金と別の制度ですか
別の制度ではなく、名称が変わったものです。令和7年度補正予算の事業から、IT導入補助金はデジタル化・AI導入補助金へと改称されました(出典: ミラサポplus)。顧問先が旧名称で検索して古い年度の情報にたどり着く場面があるため、案内する際は年度つきの表記で伝えると混乱が減ります。
生成AIのサービスそのものが補助対象になりますか
対象は事務局に登録されたITツールなので、汎用の生成AIサービスがそのまま対象になるとは限りません。登録の有無は事務局のITツール検索で確かめます。業務システムに組み込まれた形で登録されている製品もあるため、顧問先がやりたいことから逆算して検索するほうが早く見つかります。
公募要領の内容をAIに要約させてよいですか
原文を貼り付けたうえで要約させる使い方なら、下ざらえとして機能します。制度名だけを与えて要件を尋ねる使い方は、古い版の記憶が混ざるため向きません。要約はあくまで下書きで、要件の可否は原典を開いて支援者が判断します。
顧問先の決算書をAIに入力してよいですか
事務所として先に方針を決めておく論点です。行政書士であれば秘密を守る義務が行政書士法第12条に置かれており、個人データを含む資料なら個人情報の保護に関する法律第27条の第三者提供の制限が論点になり得ます。ツール側の契約条件を確認し、顧問先に説明して範囲を合意してから使う運用が採られています。
GビズIDを預かって代理で申請してよいですか
アカウントは事業者本人のものなので、IDとパスワードを預かる運用は事故が起きたときの説明がつきにくくなります。画面共有で手元を見ながら進める形にしておくほうが、後の説明が楽です。取得手続きはGビズIDで確認できます。
支援報酬はAIで工数が減った分だけ下げるものですか
工数を報酬の根拠にしていない限り、連動させる理由はありません。顧問先が買っているのは要件の判断と、書類が要件を満たしている状態です。減った工数を受注件数か確認の厚みに回す組み立てが、事務所の体力を保ちます。考え方は士業のAI活用と報酬設計に整理しています。
実績報告まで引き受けるべきでしょうか
引き受ける前提で契約を組む事務所が増えています。報告は交付決定から数か月後に来るため、申請時の報酬に含めると忘れた頃に無償の作業が発生します。別建ての契約にして、着手の段階で顧問先へ伝えておく形が実務的です。手続きの内容は交付決定後に必要な手続きで確認できます。
まとめ
デジタル化AI導入補助金2026の申請支援でAIが効くのは、ヒアリングの構造化、骨子の複数案出し、ドラフトの文章化、実績報告の突き合わせです。逆に、要件確認と提出前の最終確認は人が握り続ける工程になります。分ける基準は3つで、判断が入るか、原典に当たるか、数字を決めるか。この3つに当たる工程は人が持ちます。
制度そのものは公募回ごとに動きます。金額も締切も加点要件も、記事や記憶ではなく、そのつど事務局の公募要領で確かめる。支援業務の設計をAIで組み替えても、この一点だけは変わりません。
参考文献
- デジタル化・AI導入補助金2026 事務局
- デジタル化・AI導入補助金2026 通常枠
- デジタル化・AI導入補助金2026 事業スケジュール
- デジタル化・AI導入補助金2026 資料ダウンロード
- ミラサポplus 経済産業省 中小企業庁 デジタル化・AI導入補助金
- GビズID
- e-Gov法令検索 行政書士法
- e-Gov法令検索 中小企業支援法
- e-Gov法令検索 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律
- e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律
- 個人情報保護委員会 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等
※士業のチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴事務所の業務に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
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本記事の作成体制について
本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。
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