EU AI法の透明性義務とは、AI利用と生成物を相手に開示する義務のことです。
EUのAI法で定められた透明性義務が、8月2日から適用されました(出典: ジェトロ 欧州委、AI法に関する透明性義務のガイドラインを公表)。この記事では、この適用開始が日本の顧問先にどう跳ね返るか、弁護士・弁理士・中小企業診断士が助言の入口で確認できる項目を整理します。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁および欧州委員会の公表資料で確認しています。制裁金の上限は1,500万ユーロまたは全世界年間売上高の3%のいずれか高い方と説明されています(出典: 欧州委員会 Transparency obligations under Article 50 of the AI Act)。
8月2日に始まったものと、始まらなかったものを切り分ける
顧問先からの照会でいちばん多い取り違えは、8月2日に始まったものの範囲です。結論から言えば、この日に適用が始まったのは対話型AIとAI生成コンテンツの開示ルールであって、汎用AIモデル(GPAI)の提供者向けの義務そのものは前年の8月に先行して動き出しています。開示ルールの実務対応を示したガイドラインは欧州委員会が7月20日に公表しました(出典: ジェトロ 2026年8月4日記事)。
ガイドラインが提供者に求めているのは、大きく二つです。ひとつは、利用者がAIと対話していると分かるようにシステムを設計すること。もうひとつは、AIが生成または改変したコンテンツに、機械が読み取れる識別情報を付けることです。導入者側には、ディープフェイクの表示、人間の審査や編集を経ていない公共的テーマのAI生成テキストの表示、感情認識や生体分類システムにさらされる人への通知が求められます(出典: 同ジェトロ記事)。
ここで顧問先が混乱しやすいのが、高リスクAIの扱いです。Annex IIIに並ぶ単独型の高リスクシステムに関する義務は、2027年12月2日へ後ろ倒しになりました。規制対象製品に組み込まれるAnnex I側は2028年8月2日です(出典: ジェトロ 欧州委、AI法の高リスクシステムに関する適用延期を提案)。採用選考や与信のAIを使っている顧問先が8月から高リスク対応が要ると身構えているなら、まずここを解きほぐすのが助言の第一歩になります。
GPAIとの関係も、照会が集中する箇所です。汎用AIモデルの提供者に向けた義務と、今回のAIシステムの開示ルールは、名前が似ていても宛先が違います。前者はモデルの文書化や学習データの概要提供といった、モデル提供者から当局や川下事業者への情報提供が中心です。後者は、システムを世に出す側と使う側から、生成物に触れる人に向けた開示です。顧問先が、自社はモデルを作っていないから関係ないと言うとき、確認すべきなのは後者に当たる利用がないかという点になります。欧州委員会は、両者を補完関係にあるものとして整理しています(出典: 欧州委員会 FAQ)。
照会対応の窓口として、欧州委員会はAI法サービスデスクを整備しています(出典: ジェトロ 2026年8月4日記事)。条文の英語原文と各国語版、ガイダンスがまとまっているため、顧問先に一次情報の場所を示すときの案内先として使えます。事務所側で全文を翻訳して渡すより、要点を整理したうえで原典の位置を教えるほうが、後の改定に追随しやすくなります。
もうひとつ、移行期間の存在も押さえておきたい部分です。8月2日より前に市場に出ていたAIシステムについては、生成物のマーキングと検出可能性の義務に限って猶予が置かれ、2026年12月2日からの対応とされています。8月2日より前に生成された既存コンテンツを遡ってラベル付けする必要はないとも整理されています(出典: 欧州委員会 FAQ)。年内にもう一段の締切があるという事実は、顧問先の社内スケジュールを引くときに効いてきます。
なぜ日本の顧問先に関係するのか。理由は域外適用です。欧州委員会は、EU域外に所在する提供者であっても、そのAIシステムの出力がEU域内で使われる場合には規則の対象になると説明しています(出典: 同FAQ)。EU向けにサービスを出している、EUの顧客に生成テキストを納品している、EU拠点の従業員が社内ツールを使っている。この三つのどれかに当てはまる顧問先は、規模にかかわらず射程に入り得ます。データの所在をどう設計するかという論点は、Mistralの EU域内推論と士業のデータ所在でも扱っています。
顧問先のAI利用を棚卸しする7つの確認項目
助言の入口は、条文の解説ではなく棚卸しです。顧問先が自社のAI利用を一覧化できていないまま条文を読んでも、話が前に進みません。以下の7項目を、ヒアリングシートの順番として使えます。有資格者が判断するのは各項目の評価であって、一覧化そのものは顧問先の担当者に手を動かしてもらう領域です。
第1に、EUとの接点の有無です。EU域内の顧客、EU拠点、EU居住者向けの提供があるか。接点がゼロなら、以降の項目は将来の備えとして扱えます。第2に、対話型AIの有無です。自社サイトのチャットボット、音声応答、AIエージェントが該当します。第3に、生成コンテンツの用途です。マーケティング画像、商品説明文、SNS投稿、報告書のどこにAIを噛ませているか。第4に、公開の有無です。社内限りで完結する出力と、公衆に向けて公開される出力を分けます。
第5に、人間の審査の有無と記録です。欧州委員会は、内容の実質に踏み込んだ審査や編集上の統制があれば表示義務の対象外になり得る一方、スペルチェックや文法修正といった形式的な確認はこれに当たらないと整理しています(出典: 欧州委員会 FAQ)。ここは記録の設計と直結します。第6に、使っているAIベンダーが識別情報の付与に対応しているか。第7に、感情認識や生体分類の利用有無です。採用面接の録画解析や店舗カメラの属性推定が該当し得ます。
7項目のうち、実務でつまずくのは第4と第5です。第4の公開の有無は、社内報や取引先向けの資料をどちらに数えるかで判断が割れます。不特定多数に開かれているかどうかを基準に置き、迷うものは公開側に寄せて管理しておくと、後から線を引き直す手戻りが減ります。第5の人間の審査は、やっている事実があっても記録が残っていないケースが多くを占めます。誰が、いつ、何を見たかを残す仕組みがないと、審査を経たと説明する材料が手元に残りません。
記録の残し方は、凝った仕組みを入れるより、既存の業務フローに1列足すほうが定着します。原稿管理表に確認者名と確認日の列を足す、承認メールを案件フォルダに保存する、といった水準で足ります。ここで欧州委員会が示している線引きは、実質の審査か形式の確認かという点でした。形式だけの確認を記録しても、その記録は説明材料になりにくいという点は、顧問先に伝えておく価値があります。
第7の感情認識や生体分類は、顧問先が自覚していないまま使っている場合があります。採用管理システムに面接動画の解析機能が付いている、店舗の入店カウンターに属性推定が入っている、といった例です。ベンダーの機能一覧を取り寄せて確認するのが確実で、担当者の記憶だけに頼ると漏れます。
この7項目を回すのに、生成AIを下書き役として使えます。ヒアリングメモを投げて一覧に整形させる用途です。出力はあくまで叩き台で、EU規制との関係の評価は有資格者が行います。
あなたは事業会社の法務担当者を支援するアシスタントです。
以下のヒアリングメモを読み、AI利用の棚卸し表の下書きを作ってください。
出力形式(各行に必ず記載):
1. 用途名
2. 使っているツール名
3. 出力の受け手(社内 / 顧客 / 不特定多数)
4. EU域内の受け手がいるか(あり / なし / 不明)
5. 公開の有無
6. 出力前に人間が内容を確認しているか(実質確認 / 形式確認のみ / なし)
7. 不明点として担当者に確認すべきこと
制約:
- メモに書かれていないことを推測で埋めないでください
- 法的な評価や結論は書かず、事実の整理だけを行ってください
- 不明な項目は「不明」と明記してください
ヒアリングメモ:
"""
(ここにメモを貼る)
"""
棚卸しが済んだら、次は顧問先の社内向け説明資料の下書きです。EU AI法は条文が長く、担当者が読み通せる分量ではありません。事実関係だけを圧縮した説明文をAIに作らせ、そこに事務所の見解を足す進め方が現実的です。
あなたは社内向け資料の編集者です。
以下の事実メモだけを使い、社内説明用の要約を800字で作ってください。
条件:
- 事実メモに書かれていない日付・数値・条番号は一切追加しないでください
- 「違法」「適法」などの法的評価は書かないでください
- 読み手は法務経験のない事業部門の管理職です
- 章立ては「何が変わったか」「自社に関係する範囲」「次に社内で決めること」の3つ
事実メモ:
"""
(ここに一次情報から抜き出した事実だけを貼る)
"""
プロンプトに架空の会社名を使う場合も、A社・甲社のような記号で統一します。実在の顧問先名や取引先名を入力すると、次の章で触れる守秘義務の論点に直結するためです。
出力が返ってきたら、有資格者が三点を見ます。日付と数値が事実メモの範囲を出ていないか。法的評価に踏み込んだ言い回しが混ざっていないか。顧問先の事業実態と噛み合っているか。この確認工程を飛ばした資料を顧問先に渡すのは、事務所の信用を賭けた賭けになります。AIの下書きに人間の判断をどこで挟むかという設計論は、AIエージェントの人間介在をどこに置くかで詳しく整理しています。
なお、識別情報の付与は技術面ではコンテンツ来歴の規格と地続きです。主要ベンダーが出力に来歴情報を埋め込む動きは進んでおり、士業の成果物側でも同じ論点が生じます。この点はClaudeの全出力に電子透かしで扱いました。
顧問先資料をAIに投入する前に決める3つのこと
EU規制の検討という業務そのものが、守秘義務と正面からぶつかります。顧問先の契約書、システム構成図、顧客リストを生成AIに投入して整理させたくなる場面が続くためです。決めておきたいのは三点です。
ひとつめは、投入してよい情報の線引きです。弁護士については、弁護士法第23条が、職務上知り得た秘密を保持する権利と義務を定めています。弁理士については、弁理士法第30条が、正当な理由なく業務上知り得た秘密を漏らし、または盗用してはならない旨を定めています。中小企業診断士には同種の法定守秘義務を定める規定が見当たらないため、支援契約上の秘密保持条項が拠り所になります。この違いは、同じ案件に複数士業が関与するときの運用差として現れます。
ふたつめは、ツールのデータ利用ポリシーの確認です。入力が学習に使われるか、保存期間はどれだけか、どの地域のサーバで処理されるか。この三点はベンダーの公式ドキュメントで確認し、確認日をメモに残す運用が実務的です。ポリシーは改定されるため、一度確認したら終わりにはなりません。EU向けの案件では処理地の選択肢があるかどうかも判断材料になります。
みっつめは、顧問先への説明と同意の取り方です。生成AIを使って資料を整理する旨を、いつ、どの粒度で伝えるか。契約書の秘密保持条項に「委託先」の定義がある場合、クラウドAIの利用がその枠内に収まるかを事前にすり合わせておくと、後の照会が減ります。個人データを含む資料であれば、個人情報保護法第27条が第三者提供の制限を定めており、委託に伴う提供の扱いも同条に整理があります。ここを顧問先の担当者が独自解釈で進めないよう、事務所側から論点として提示しておく価値があります。
事務所規程に落とすなら、投入禁止情報のリスト、承認が要る場面、ログの保存先、外部ツールの追加手順の四つを書いた事務所が多い印象です。規程の作り方そのものはAI事業者ガイドライン第1.2版を事務所規程に落とす7項目で扱いました。EU案件を扱う事務所では、これにEU域内の受け手がいる案件の取り扱いを1項足す構成が考えられます。
3職種で関与の角度が違う点も、事務所間の連携では効いてきます。弁護士は契約条項と社内規程、弁理士は生成物の権利化と表示、中小企業診断士は業務プロセスと社内体制という入口を持ちます。同じ顧問先に複数士業が関与している場合、棚卸し表を共有物にしておくと、それぞれが同じ事実の上で助言できます。共有にあたっては、守秘義務の範囲と共有の同意を先に押さえるのが順序です。
顧問先の業種によって当たりどころが変わる
同じ透明性のルールでも、顧問先の業種で論点の重心が動きます。ここを外すと、助言が総論に留まって顧問先の手が動きません。
製造業でEU向けに製品を出している顧問先は、製品情報や取扱説明のAI生成が論点になりやすい領域です。多言語展開でAI翻訳を使っている場合、翻訳が標準的な編集の範囲か、実質的な生成に踏み込んでいるかで扱いが変わります。ここは技術文書の作成フローを見ないと判断材料が揃わないため、現場のヒアリングが要ります。
BtoCのサービス業では、サイトのチャットボットと広告クリエイティブが二大論点になります。チャットボットは対話型の開示、広告はコンテンツの表示という別の枠に入るため、担当部署も分かれます。マーケティング部門だけに聞いても全体像が出ないのは、この構造が理由です。
人材サービスや採用支援を手がける顧問先は、感情認識や生体分類の論点に加えて、単独型高リスクの2027年12月2日を見据えた準備が視野に入ります(出典: ジェトロ 高リスクシステムの適用延期)。今回の棚卸しで採用まわりのAI利用を洗い出しておけば、その先の検討に直結します。
コンテンツ制作を担う顧問先では、生成物の来歴情報が納品物の要件に組み込まれ始めています。取引先からの要求として先に来る可能性があるため、規制対応というより取引条件の話として持ちかけたほうが、担当者に届きます。
助言でよくある3つの取り違えと回避策
ひとつめは、条番号の取り違えです。生成AIにEU AI法の解説を書かせると、存在しない条番号や、改正前の日付が混ざることがあります。回避策は単純で、条番号と日付は一次情報で開いて確認したものだけを資料に載せる運用にすることです。AIの出力から条番号をそのまま転記しないというルールを、事務所の作業手順に書き込んでおきます。
ふたつめは、高リスク義務と透明性義務の混同です。前述のとおり適用時期が分かれているため、混ぜて説明すると顧問先が過大な準備に走ります。逆に、延期の報道だけを見て、まだ何も要らないと受け取る顧問先もいます。開示ルールは動いている、単独型高リスクは2027年12月2日、と切り分けて伝えるのが安全です(出典: ジェトロ 高リスクシステムの適用延期)。
みっつめは、社内でのツール野良化です。棚卸しをした3か月後に、部門が独自契約した別のAIツールが増えている、という状態はよく起きます。棚卸しを一度きりの作業にせず、顧問契約の定例で、前回から増えたAI利用はあるかという1問を入れておくと、更新が回ります。顧問先の担当者が交代しても引き継がれるよう、質問自体を定例アジェンダに書いておくのが実務的です。
対応にかかる工数と、事務所側の体制
棚卸しの初回ヒアリングは、AI利用が数えるほどの中小規模なら1回の打ち合わせで収まり、部門が分かれている企業では半日規模に伸びます。ここに整理と資料化を足すと、初回は丸1日ぶんの稼働を見ておくと外れが小さいはずです。生成AIを下書きに使うと資料化の部分が縮みますが、確認工程は縮みません。むしろ確認に時間を寄せる配分になります。
体制の面では、担当者を一人に固定するより、下書き担当と確認担当を分ける形が回りやすくなります。下書きは補助者や若手、確認は有資格者という役割分担です。EU案件は情報の更新が速く、7月20日にガイドライン、その前の6月10日に行動規範と、短い間隔で資料が出ています(出典: 欧州委員会 Code of Practice on Transparency of AI-generated Content)。一次情報を見に行く担当を決めておかないと、古い理解のまま助言してしまいます。
報酬設計としては、棚卸しをスポットで受け、以降の更新を顧問契約に載せる二段構えが噛み合います。制度側に年内の締切が残っているため、単発で終わらせると顧問先が取り残されるためです。
年内の締切と2027年に向けて論点になること
年内に効いてくるのは、既存システムのマーキング猶予が終わる時点です。8月2日より前に市場に出ていたシステムについては2026年12月2日からの対応とされており、顧問先が使っているツール側の対応状況を年内に一度確認する必要が出ます(出典: 欧州委員会 FAQ)。ベンダーの対応が遅れた場合に、導入者側の表示でどこまで補えるかが論点になります。
もう一段先では、単独型高リスクの期限である2027年12月2日が控えます(出典: ジェトロ 高リスクシステムの適用延期)。採用、与信、教育といった領域でAIを使う顧問先は、猶予期間を準備に充てられる立場にあります。今回の棚卸しで作った一覧が、そのまま高リスク該当性の検討の土台になるため、様式を作り込んでおく意味があります。
日本国内では、AI事業者ガイドラインが企業側の自主的な取り組みの枠組みを示しています。EUの規制対応と国内のガイドライン対応を別々に走らせると顧問先の負荷が二重になるため、一つの管理表に統合できるかが実務上の論点になります。知的財産の領域でも生成物の扱いが動いており、この点は生成AIデザインの大量公開と意匠法改正で整理しています。
よくある質問
EUに拠点がない日本企業も対象になりますか
対象になり得ます。欧州委員会は、EU域外に所在する提供者であっても、そのAIシステムの出力がEU域内で使われる場合には規則の対象になると説明しています(出典: 欧州委員会 FAQ)。拠点の有無ではなく、出力がどこで使われるかで見る建て付けです。
社内だけで使っているAIも表示が要りますか
公開の有無で扱いが変わります。表示のルールは、公衆に向けて公開されるコンテンツや、人が直接やり取りする場面を対象に組まれています。機械同士のやり取りだけで完結し、人の目に触れない出力は対象外として整理されています(出典: 欧州委員会 FAQ)。社内利用でも従業員が直接AIと対話する場面はあるため、線引きは用途ごとに見ることになります。
AIが下書きした記事に人が手を入れれば表示は不要ですか
手の入れ方によります。欧州委員会は、内容の実質に踏み込んだ審査や、責任ある編集主体による統制がある場合を挙げる一方、スペルチェックや文法修正といった形式的・手続的な確認はこれに当たらないと整理しています(出典: 欧州委員会 FAQ)。誰がどこまで見たかを記録に残せる運用にしておくのが安全側です。
制裁金はどのくらいの水準ですか
透明性義務の違反については、1,500万ユーロまたは全世界年間売上高の3%のいずれか高い方が上限として説明されています。中小企業などについては比例性が考慮され得るとも記載されています(出典: 欧州委員会 FAQ)。
高リスクAIの対応はいつまでに必要ですか
単独型のAnnex III高リスクは2027年12月2日、規制対象製品に組み込まれるAnnex I側は2028年8月2日へ後ろ倒しになりました(出典: ジェトロ 高リスクシステムの適用延期)。ただし透明性のルールは別枠で動いているため、両者を分けて管理するのが実務的です。
顧問先の資料を生成AIに入れてよいか、事務所としてどう決めればよいですか
決め方の順序は、投入禁止情報の線引き、ツールのデータ利用ポリシーの確認、顧問先への説明と同意の三つです。弁護士は弁護士法第23条、弁理士は弁理士法第30条が秘密の取り扱いについて定めており、条文を踏まえたうえで事務所の運用として線を引くことになります。
顧問先から条番号入りの資料を求められたら
一次情報で開いて確認した条番号だけを載せる運用が安全です。生成AIの出力に含まれる条番号をそのまま転記すると、実在しない条や改正前の番号が混ざる余地が残ります。確認した日付を資料の脚注に入れておくと、後日の改正時に差分を追いやすくなります。
参考文献
- ジェトロ 欧州委、AI法に関する透明性義務のガイドラインを公表(EU)
- ジェトロ 欧州委、AI法の高リスクシステムに関する適用延期を提案(EU)
- 欧州委員会 Transparency obligations under Article 50 of the AI Act
- 欧州委員会 Code of Practice on Transparency of AI-generated Content
- e-Gov法令検索 弁護士法
- e-Gov法令検索 弁理士法
- e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律
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本記事の作成体制について
本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。
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