社労士試験の合格者3,961人、合格率9.3%に上昇 第58回の基準点と得点傾向を整理

厚生労働省が第58回社会保険労務士試験の合格者発表を公表。合格者3,961人・合格率9.3%、選択式25点・択一式47点の基準点と得点傾向を社労士向けに整理しました。

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厚生労働省は第58回社会保険労務士試験の合格者発表を公表しました。

社会保険労務士試験の結果が公表され、合格者数は前年から大きく増えました。本記事は厚生労働省の公表資料に記載された数値のみを根拠に、士業のチカラ編集部が構成したものです。法令の当てはめや個別の評価は行わず、公表された事実と、社労士事務所の採用や人材育成を考える際に押さえておきたい論点の整理にとどめます。

第58回社会保険労務士試験の結果は何を示したか

結論から言えば、合格者数・合格率ともに前年を大きく上回りました。厚生労働省の発表によると、2026年8月23日に全国19都道府県の会場で実施された試験の受験申込者数は52,842人(前年53,618人)、受験者数は42,510人(前年43,421人)で、受験率は80.4パーセントでした。

合格者数は3,961人で、前年の2,376人から1,585人増えています。合格率は9.3パーセントで、前年の5.5パーセントから3.8ポイント上昇しました。科目免除者に限ると、受験者822人のうち合格者は90人で、合格率は10.9パーセントと前年と同水準です(出典:第58回合格基準について)。

厚生労働省はあわせて、社会保険労務士の登録者数が2026年8月31日現在で47,407人であることも示しています。合格者はこの後、労働社会保険諸法令の事務に2年以上従事するか、厚生労働大臣が指定した講習を修了したうえで、全国社会保険労務士会連合会の名簿に登録して社会保険労務士となる流れです。

合格基準点と得点状況から読み取れること

合格者が増えた背景は、合格基準点と平均点の動きに表れています。厚生労働省の合格基準の資料によれば、選択式試験の総得点の基準点は25点以上で、前年の22点以上から3点上がりました。平均点は23.5点で、前年の20.3点から3.2点上昇しています。

択一式試験でも同じ傾向です。総得点の基準点は47点以上で前年の42点以上から5点上がり、平均点は33.6点で前年比5.2点の上昇でした。基準点が上がったにもかかわらず合格率が上昇したのは、受験者全体の得点水準が上がったためと読めます。

科目ごとの足切りにも動きがありました。選択式の各科目の基準点は、雇用保険法が2点以上、その他の科目が3点以上です。前年は労働者災害補償保険法、労働に関する一般常識、社会保険に関する一般常識が2点以上でしたが、今回はこれらが3点以上で、雇用保険法のみが2点以上となっています。択一式は全科目が4点以上で、前年は雇用保険法が3点以上でした。

科目得点状況表では、選択式の雇用保険法の平均点が2.1点と基準点を0.9点下回り、全科目の中でもっとも低くなっています。一方で労働基準法及び労働安全衛生法は平均3.6点で、前年から0.8点上がりました。どの科目の得点が伸びたかは、来年度以降の受験対策を考える材料になります。

合格者の構成と、士業事務所にとっての論点

厚生労働省が公表した合格者の構成では、年齢別は30歳代が31.4パーセント、40歳代が28.2パーセント、50歳代が21.2パーセントで、20歳代以下は11.3パーセント、60歳代以上は7.9パーセントです。最年少は20歳、最高齢は77歳でした。職業別では会社員が61.9パーセント、無職が11.1パーセント、公務員が8.0パーセントで、男女別では男性58.7パーセント、女性41.3パーセントとなっています。

会社員として働きながら合格した層が6割を超えるという構成は、社労士事務所にとって採用や外部連携の面で示唆があります。実務経験を積む前の有資格者を迎え入れる場合に、登録要件となる実務経験や講習をどう組み込むかは、事務所ごとに設計が分かれる部分です。

AIの観点では、労働保険・社会保険の手続や就業規則の確認といった定型作業を生成AIで下書きする動きが広がっており、新しく加わる有資格者の最初の業務をどう設計するかが、事務所の生産性に直結しやすくなっています。顧問先の従業員情報を外部の生成AIサービスに入力する場合は、学習利用の有無やデータの保持期間をベンダーの公式資料で確認する運用が一般的です。

今後の注目点

当面の注目点は3つあります。ひとつは、今回の合格率の上昇が一時的な振れなのか、水準の変化なのかです。合格率は前年の5.5パーセントから9.3パーセントへ動いており、次回以降の基準点と平均点の推移を見る段階です。

ふたつめは、登録者数への影響です。合格者が前年から1,585人増えたことで、登録を済ませる人の数が今後の名簿の人数にどう反映されるかは、全国社会保険労務士会連合会の統計を待つ必要があります。

みっつめは、受験者数が減少傾向にある点です。受験申込者数は前年比1.4パーセント減、受験者数は2.1パーセント減(出典:厚生労働省)で、受験者層の変化が今後の合格者構成にどう影響するかは要確認です。

まとめ

厚生労働省は第58回社会保険労務士試験の合格者発表を公表しました。合格者数は3,961人で前年から1,585人増え、合格率は9.3パーセントに上がっています。選択式の基準点は25点、択一式は47点で、平均点とあわせて前年より高い水準でした。合格者の6割強が会社員という構成も、事務所の採用や育成を考える際の参考になります。

参考文献

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引用元: 厚生労働省

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。

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