特定親族特別控除とは、19歳以上23歳未満の親族の所得に応じて受けられる控除のことです。
顧問先から年末調整の質問が増えるのは、例年11月です。ただし2026年分は、質問が来る前に事務所から説明を出しておかないと、11月に問い合わせが集中します。この記事では、令和7年度税制改正で何が変わり、令和8年分すなわち2026年分の源泉徴収事務と年末調整でどこに影響するのか、顧問先向けの説明文を生成AIで作る手順、そして給与データをAIに預ける前の線引きを扱います。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で確認しています。改正の内容は国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等についての記載に基づきます。
2026年分で効いてくる改正点を、金額のまま押さえる
結論から言えば、2026年分で顧問先の実務が変わるのは、源泉徴収税額表の入れ替え、扶養控除等申告書の記載内容、そして各月の源泉徴収に特定親族特別控除が入ってくることの3点です。
まず基礎控除です。国税庁は、合計所得金額に応じて基礎控除額が改正されたと案内しています。合計所得金額132万円以下は95万円、132万円超336万円以下は88万円、336万円超489万円以下は68万円、489万円超655万円以下は63万円、655万円超2,350万円以下は58万円で、改正前はいずれも48万円でした(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。このうち132万円超655万円以下の3区分については、令和9年分以後は58万円になると同じページに記載されています。
条文の構造も確認しておきます。所得税法第86条は、合計所得金額が2,350万円以下である居住者について58万円を控除する旨を定めています。これに加算される部分は租税特別措置法第41条の16の2にあり、令和7年分以後の各年分において合計所得金額が655万円以下である場合の基礎控除額の特例として置かれています。同条には、令和9年分以後の各年分にあっては132万円以下と読み替える旨も書かれています。つまり、加算の対象が広いのは令和8年分までで、令和9年分から絞られる構造です。
給与所得控除も変わりました。国税庁は、55万円の最低保障額が65万円に引き上げられ、この改正に伴って令和7年分以後の年末調整等のための給与所得控除後の給与等の金額の表と、令和8年分以後の源泉徴収税額表が改正されたと案内しています(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。実務では、給与計算ソフトの税額表が2026年1月分から切り替わっているかどうかが、最初の確認点になります。
特定親族特別控除は新設された控除です。同じページによると、居住者が特定親族を有する場合、その特定親族1人につき、その特定親族の合計所得金額に応じて最高63万円を控除するものとされています。特定親族とは、居住者と生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人です。配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人、白色事業専従者は除かれ、児童福祉法の規定により養育を委託された里子は含まれると注記されています(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。
2026年分に固有の論点はここからです。国税庁は、令和8年1月以後に支払うべき給与について、親族の合計所得金額が58万円超100万円以下である場合に、特定親族特別控除が各月または各日の源泉徴収の際に適用されることとされたと案内しています。公的年金等については58万円超85万円以下です(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。前年までは年末調整でまとめて精算していた部分が、月々の源泉徴収に入ってきます。
これに合わせて、令和8年分以後の給与所得者の扶養控除等(異動)申告書の様式が変わっています。国税庁は、令和8年分以後の給与の源泉徴収事務における留意事項として、従業員から提出を受ける扶養控除等申告書に源泉控除対象親族の記載が正しく行われているかを確認すること、新たな源泉徴収税額表に基づき各月または各日の源泉徴収を行うことを挙げています。扶養親族等の所得要件も、扶養親族および同一生計配偶者の合計所得金額の要件が58万円以下、勤労学生の合計所得金額の要件が85万円以下に改正されています(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。
改正の適用時期についても、押さえておくと説明が組み立てやすくなります。国税庁は、これらの改正が原則として令和7年12月1日に施行され、令和7年分以後の所得税について適用されると案内しています。そのため、令和7年12月に行う年末調整など、令和7年12月以後の源泉徴収事務に変更が生じ、令和7年11月までの源泉徴収事務には変更が生じないとされています(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。制度としては前年の暮れに動き出していて、月々の源泉徴収まで含めて通年で効いてくる最初の年が2026年分にあたる、という位置づけになります。
家内労働者等に関わる部分も改正されています。国税庁は、給与所得控除の改正に伴い、家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例について、必要経費に算入する金額の最低保障額が65万円に引き上げられたと案内しています。改正前は55万円でした(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。内職や委託販売の収入がある人を扶養している従業員から質問が出る場面があるため、案内文の想定問答に1項目立てておくと、担当者が答えに詰まりません。
顧問先から見ると、変わったことが多すぎて何を確認すればよいのか分からない状態になります。事務所の側で、給与担当者が11月までに手を動かす項目だけを抜き出して渡すほうが、問い合わせは減ります。
顧問先向けの説明文をAIで作る5つの工程
説明文を一から書くのは時間がかかりますが、AIに丸投げすると条文と金額を取り違えます。順序を決めて、AIに任せる範囲を限定します。
第1工程は、根拠資料の固定です。国税庁の特設ページとパンフレット、Q&Aを事務所内の共有フォルダに保存し、参照するのはその写しだけとします。生成AIに改正内容を思い出させると、施行年と金額が混ざります。以降の工程では、保存した資料の本文を貼り付けて渡す方式に統一します。
資料を固定するときは、参照した日付も一緒に記録します。国税庁の案内ページは随時更新されるため、9月に確認した内容と11月に見た内容が違う場合があります。案内文の末尾に、どの資料をいつ時点で参照したかを1行入れておくと、後から顧問先に説明するときに話が早くなります。この1行は、事務所が根拠を持って書いていることを示す役割も果たします。
第2工程は、顧問先の分類です。従業員数、給与計算を内製しているか外部委託か、19歳以上23歳未満の親族を扶養する従業員がいそうか。この3つで分けると、説明の中身が変わります。全社に同じ文面を配るより、分類ごとに3種類作るほうが、結果的に問い合わせが減ります。
第3工程は、説明文の骨子作りです。ここでAIを使います。渡すのは保存した資料の本文と、顧問先の分類、そして書式の指定です。金額と年分は資料からそのまま引くよう指示し、記憶で補わせないことを明示します。
あなたは顧問先向けの案内文を作成する事務担当です。
以下の資料本文だけを根拠に、給与担当者向けの案内文の骨子を作ってください。
条件:
- 出力は日本語のですます調。表は使わず、段落と見出しで構成する
- 金額、年分、所得要件は、資料本文に書かれている数値をそのまま使うこと
- 資料本文に書かれていない事項は書かない。不足があれば「資料に記載なし」と明示する
- 「いつまでに」「誰が」「何をするか」の3点が読み取れる構成にすること
- 法令の適用の可否や個別の税額の判断は書かないこと
【資料本文】
(国税庁の特設ページとパンフレットの本文を貼り付け)
【顧問先の条件】
(従業員数、給与計算の内製・外部委託の別、想定される対象者の有無)
第4工程は、有資格者による確認です。生成された骨子について、金額と年分を資料と1つずつ突き合わせます。特に、令和7年分の話と令和8年分の話が混ざっていないか、加算のある基礎控除額と所得税法本則の58万円が混ざっていないかを見ます(金額の根拠は前掲の国税庁の案内)。この2つは、生成AIが最も取り違えやすい箇所です。税務に関する個別の判断が入る記述が混ざっていれば、そこで削ります。案内文は情報提供の範囲にとどめ、個別の適用判断は面談で扱う形にします。
第5工程は、想定問答の作成と配布です。案内文を出せば、質問はまず返ってきます。返ってくる質問を先に書き出しておくと、担当者ごとの回答のばらつきが減ります。想定問答も、根拠資料の範囲で作ります。
あなたは顧問先対応を補助するアシスタントです。
以下の案内文について、給与担当者から想定される質問と、回答の骨子を作ってください。
前提:
- 回答は資料本文の範囲でのみ作成し、範囲を超える質問には「個別に確認が必要」と書く
- 各回答の1文目は結論から書く
- 顧客名や従業員の氏名は架空のA社・甲・乙として扱い、実在の情報は使わない
- 税額の計算結果や適用可否の断定は書かない
【案内文】
(第3工程で確定した案内文を貼り付け)
【資料本文】
(国税庁の特設ページとパンフレットの本文を貼り付け)
想定問答についても、公開前に有資格者が原資料と突き合わせる工程を残します。案内文と想定問答は事務所の名前で出るものなので、誤りがあれば事務所の信用に返ってきます。AI導入の削減効果を測る手順は、AI導入の年間削減時間の検証手順を扱った記事で整理しています。作成時間は減りますが、確認工程は減らない前提で工数を置きます。
国税庁が公開しているチャットボットに顧問先が直接質問する動きもあります。回答できる範囲と限界については、国税庁チャットボットの相談範囲を扱った記事で扱っています。顧問先が自力で調べた内容を持ち込んでくる前提で、案内文を作っておくと話が早くなります。
給与データと扶養情報をAIに預ける前に決める3つのこと
年末調整の説明文作りは、一見すると個人情報を扱わない作業に見えます。ところが実務では、具体例を作ろうとした瞬間に、実在の従業員の給与額と家族構成が資料に混ざります。ここが最も事故が起きやすい場所です。
決めることの第1は、そのサービスで入力データがどう扱われるかです。学習に使われるか、保存されるならどの期間か、管理者側で設定を統一できるか。この3点をベンダーの公式ドキュメントで確認し、確認日を添えて事務所の記録に残します。無料のプランと業務向けのプランで扱いが違う場合があるため、どのプランで運用しているかまで含めて記録します。
第2は、守秘義務との関係です。税理士法第38条は、税理士は正当な理由がなくて税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、または窃用してはならない旨を定めています。社会保険労務士法第21条にも、開業社会保険労務士または社会保険労務士法人の社員は、正当な理由がなくてその業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、または盗用してはならない旨の規定が置かれています。条文は秘密の保持を定めていますが、クラウド上のサービスへの入力が個別にどう評価されるかは、契約内容と設定によって変わります。事務所としてできるのは、条文の存在を確認したうえで、入力してよい情報の範囲を自分たちのルールとして書き下ろすことです。
第3は、顧問先への説明です。給与データや扶養情報を外部のサービスに渡す構成をとる場合、個人情報保護法第27条の第三者提供の制限が論点になります。同条は、あらかじめ本人の同意を得ないで個人データを第三者に提供してはならない旨を定めつつ、利用目的の達成に必要な範囲内での委託に伴う提供については、提供を受ける者を第三者に当たらないものとする旨も定めています。年末調整の受託は委託の構成をとることが多い業務ですが、その委託の範囲に外部のAIサービスの利用が含まれているかは、契約書の書きぶり次第です。
実務での線引きとしては、案内文と想定問答の作成には実データを一切入れず、金額の例示はすべて架空の数値で作る、という運用を採る事務所があります。具体例が必要なら、月給30万円の甲、といった形の架空値を使えば足ります(例示のための架空値であり、出典を持つ数値ではありません)。実在の従業員の給与額を入れなければ説明が書けない場面は、実際にはほとんどありません。給与計算そのものをAIに任せる話とは、扱う情報の質が違います。
事務所の規程に落とすなら、使ってよいツールとプランの名称、入力してよい情報の区分、伏せる情報の例示、有資格者の確認が必要な工程、記録の残し方の5項目です。年末調整の時期は繁忙期で、臨時のスタッフが入ることもあります。規程が1枚にまとまっていないと、繁忙期に運用が崩れます。社労士業務での生成AI活用の考え方は、社労士向け生成AI活用ガイドブックを実務検証した記事で扱っています。
説明が空振りする3つのパターン
1つめは、年分の混在です。令和7年分の年末調整の話と、令和8年分の源泉徴収事務の話は、変更の中身が違います。国税庁も、令和7年分の年末調整における留意事項と、令和8年分以後の給与の源泉徴収事務における留意事項を、別の項目として案内しています(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。案内文で両者を1つにまとめると、顧問先の担当者はどちらの話なのか分からなくなります。年分ごとに文書を分けるだけで、問い合わせの質が変わります。
2つめは、金額の丸めです。基礎控除の金額は合計所得金額の区分ごとに異なり、令和9年分以後に変わる区分もあります。説明を簡単にしようとして代表値だけを書くと、自分の区分に当てはまらない従業員から質問が来ます。区分をそのまま並べ、自分がどこに当たるかを読み手が判断できる形にしておくほうが、結果的に説明が短くて済みます。
3つめは、対象者の洗い出しを顧問先任せにすることです。特定親族特別控除の対象は、19歳以上23歳未満の親族を扶養している従業員です。この年齢層の子がいる従業員は、顧問先の側では把握しづらい場合があります。事務所が持っている前年の扶養控除等申告書のデータから、該当しそうな従業員がいるかどうかを先に洗い出して伝えるほうが、申告書の回収漏れが減ります。この洗い出しは事務所側のデータで完結する作業なので、AIに実データを渡さずとも、集計の仕組みだけ作れば回ります。
説明文の作成にかかる工数と、時期の置き方
5人規模の税理士法人で、顧問先が80社ある場合を想定します。分類を3種類とすると、案内文は3本です。根拠資料の固定に2時間、分類に2時間、骨子の作成と確認に1本あたり2時間で6時間、想定問答の作成と確認に4時間。合計でおよそ14時間、2人日弱です(工程の内訳は本記事の前掲の5工程に対応。改正内容の根拠は前掲の国税庁の案内)。
この14時間を、事務所の誰が持つかも決めておきます。根拠資料の固定と分類は事務職員でも回せる作業で、骨子の確認と想定問答の最終判断は有資格者の工程です。年末調整の時期に有資格者の時間を確保するのは難しいため、9月のうちに確認の時間だけ先に押さえてしまう進め方が現実的です。前倒しの理由を説明しづらい場合は、10月配布という締切から逆算した日程表を先に共有すると、話が通りやすくなります。
このうち生成AIで短縮できるのは、骨子の作成と想定問答の下書きの部分です。根拠資料の固定と、有資格者による突き合わせの確認は減りません。全体が半分になる想定で見積もると、確認工程で破綻します。実感として短くなるのは、白紙から書き始める心理的な負荷のほうです。
時期については、9月中に案内文を確定し、10月の早い時期に配布する形が現実的です。顧問先の給与担当者が扶養控除等申告書を配るのは11月が多く、その前に手元に説明があるかどうかで、回収の質が変わります。年末調整の直前に案内を出しても、読む時間がありません。
制度が動いている年に、事務所が持つべき視点
この改正で事務所の業務に効いてくるのは、金額そのものより、令和9年分にもう一度変わることが決まっている点です。加算のある基礎控除額は令和8年分までで、令和9年分以後は区分が絞られると条文に書かれています(根拠: 租税特別措置法第41条の16の2)。つまり、いま作る説明文は来年また作り直すことになります。
そう分かっているなら、使い捨ての文書として作るのではなく、金額と年分だけを差し替えれば再利用できる構造で作っておく価値があります。骨子の部分と、金額を書いた部分を分けて管理し、来年は金額の部分だけを更新する。この作り方にしておけば、来年の作業は今年の3分の1程度で済みます(更新の対象となる金額の根拠は前掲の国税庁の案内)。生成AIに骨子を作らせる工程は、この構造を作るのに向いています。
もう一点、顧問先への説明を情報提供の範囲にとどめる線引きも、この時期に固めておく価値があります。案内文で個別の適用可否まで書き込むと、後から事案が違ったときに事務所が説明を求められます。案内文は制度の説明と手続きの案内にとどめ、個別の判断は面談や個別回答で扱う。この分け方を事務所として決めておくと、繁忙期に担当者が迷いません。制度の細部については今後の公表で補われる部分が残るため、配布の直前に国税庁の案内を再確認する運用が要ります。
よくある質問
2026年分の年末調整では、何が前年と変わりますか
各月の源泉徴収の段階で特定親族特別控除が入ってくる点が、前年との大きな違いです。国税庁は、令和8年1月以後に支払うべき給与について、親族の合計所得金額が58万円超100万円以下である場合に、各月または各日の源泉徴収の際に適用されることとされたと案内しています(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。あわせて、令和8年分以後の源泉徴収税額表と扶養控除等申告書の様式も改正されています。
基礎控除の金額は令和9年分でまた変わるのですか
条文には、令和9年分以後の取扱いが書かれています。租税特別措置法第41条の16の2は、令和7年分以後の各年分において合計所得金額が655万円以下、令和9年分以後の各年分にあっては132万円以下である場合の基礎控除額の特例を定めています。国税庁の案内でも、132万円超655万円以下の区分について令和9年分以後は58万円と記載されています。
特定親族特別控除の対象になるのはどんな人ですか
生計を一にする年齢19歳以上23歳未満の親族で、合計所得金額が58万円超123万円以下の人が対象とされています。配偶者、青色事業専従者として給与の支払を受ける人、白色事業専従者は除かれ、里子は含まれると国税庁が注記しています(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。個別の従業員が対象になるかどうかは、実際の所得と続柄を確認したうえでの判断になります。
顧問先向けの案内文を生成AIに全部書かせてよいですか
骨子の作成までは補助として使えますが、金額と年分の突き合わせは人が行う工程として残ります。生成AIは、施行年の異なる制度の数値を混ぜて書く傾向があります。根拠資料の本文を渡し、記憶で補わないことを明示したうえで、出力を原資料と1つずつ照合する手順にしておくと、誤りが本番の文書に残りません。
従業員の給与データをAIに入れて計算させてよいですか
入力してよい範囲は、契約内容と設定によって変わるため、一律には決まりません。判断の材料になるのは、ベンダーの公式ドキュメントに記載されたデータの取扱いと、税理士法第38条や社会保険労務士法第21条の守秘義務に関する規定、そして個人情報保護法第27条の第三者提供の制限です。案内文の作成に限れば、架空の数値で足りる場面がほとんどです。
案内文はいつ出すのが適切ですか
顧問先が扶養控除等申告書を配る前に届いている状態が目安です。多くの顧問先は11月に申告書を配るため、10月の早い時期に手元にあると、担当者が準備できます。事務所側の作成工数を逆算すると、9月中に文面を確定させる進め方になります。
給与計算を外部委託している顧問先には、何を伝えればよいですか
委託先の給与計算システムが改正後の税額表に切り替わっているかの確認を、顧問先から委託先へ依頼してもらう形が実務的です。国税庁は、令和8年分以後の給与の源泉徴収事務における留意事項として、新たな源泉徴収税額表に基づき各月または各日の源泉徴収を行うことを挙げています(出典: 国税庁 基礎控除の見直し等について)。内製の顧問先とは確認の相手が変わるため、案内文も分けて作ると伝わりやすくなります。
前年の申告書データから対象者を洗い出せますか
前年の扶養控除等申告書に記載された親族の生年月日から、年齢層で機械的に絞り込む方法があります。所得の要件を満たすかどうかは本人への確認が要りますが、候補を先に把握できれば、申告書の回収漏れを減らせます。この作業は事務所内のデータで完結するため、外部のサービスに個人情報を渡さずに済みます。
参考文献
- 国税庁 令和7年度税制改正による所得税の基礎控除の見直し等について
- 国税庁 令和8年分 源泉徴収税額表
- e-Gov法令検索 所得税法第86条(基礎控除)
- e-Gov法令検索 租税特別措置法第41条の16の2(令和7年分以後の各年分の基礎控除等の特例)
- e-Gov法令検索 税理士法第38条(秘密を守る義務)
- e-Gov法令検索 社会保険労務士法第21条(秘密を守る義務)
- e-Gov法令検索 個人情報の保護に関する法律第27条(第三者提供の制限)
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