マイナンバーカード本人確認1306社へ|士業事務所が今見るべき3点

デジタル庁が公的個人認証の利用事業者一覧を1306社に更新。プラットフォーム事業者は28社。士業関連団体の掲載や司法書士向けサービスの動きなど、事務所が本人確認で今見るべき3つの論点を整理します。

マイナンバーカード本人確認1306社へ|士業事務所が今見るべき3点

デジタル庁は2026年8月19日、公的個人認証の利用事業者一覧を1306社に更新しました。

デジタル庁が公開するマイナンバーカードの公的個人認証(JPKI)利用事業者一覧が、2026年8月19日付で更新されました。掲載されている民間事業者は2026年7月31日時点で1306社です。オンラインでの本人確認をマイナンバーカードの電子証明書で行う仕組みが、金融機関を中心に面として広がっていることが読み取れます。士業事務所にとっては、顧客側の本人確認体験が先に変わり、事務所の受付フローがあとから追いかける構図になりつつあります。本記事は有資格者による確認を経ていない情報整理であり、個別の判断は所属会や専門家にご確認ください。

公的個人認証によるオンライン本人確認の広がりを表したイメージ

何が更新されたのか|利用事業者1306社とプラットフォーム事業者28社

今回の更新は、利用事業者の数と掲載企業の入れ替えが中心です。デジタル庁の一覧ページには1306社という数字が2026年7月31日時点の集計として明示されており、ページの最終更新日は2026年8月19日と表示されています(出典: デジタル庁 JPKI導入事業者一覧 英語版)。

あわせて、同庁のプラットフォーム事業者一覧も2026年7月28日に更新され、2026年6月30日時点で28社が掲載されています。プラットフォーム事業者とは、公的個人認証の基盤を自社で構築せず利用したい企業に対して、認証機能をサービスとして提供する立場の事業者を指します。この28社の中には、法律相談ポータルを運営する弁護士ドットコム株式会社も含まれています。士業に近い領域の企業が、認証基盤の提供側に回っている点は見落とせません。

数字の意味は「1306」という総数よりも、掲載の内訳にあります。一覧を追うと、地方銀行と信用金庫が口座開設時の本人確認で導入するケースが最も多く、次いで生命保険・損害保険のマイナンバー届出、クレジットカード申込、引越し手続のワンストップサービスが並びます。つまり、顧客が窓口へ書類を持参する場面そのものが、業界単位で削られている段階だと言えます。

士業事務所にとっての論点|すでに士業側の団体も名前を連ねている

士業に直結する論点は3つあります。

第1に、士業関連の団体がすでに一覧に載っていることです。掲載企業には日本弁護士国民年金基金と司法書士国民年金基金が並び、いずれもオンラインでの本人確認サービスとして公的個人認証を利用しています。会員向け手続の入口が、紙の書類とコピーの郵送から、カードをかざす方式へ移りつつあることの表れです。

第2に、司法書士業務を直接支えるサービスが動いていることです。一覧には、株式会社リーガルが司法書士向けサービスにおける電子証明書の有効性確認で公的個人認証を用いている旨が掲載されています。登記実務でオンライン申請と電子署名の比重が増えている流れは、商業登記のリモート署名と司法書士実務でも整理したとおりで、今回の一覧更新はその実装が個社レベルで進んでいることを裏づける材料になります。

第3に、なりすまし対策の文脈です。生成AIによって身分証の画像やプロフィール文が容易に作られるようになり、目視と画像アップロードだけに頼った本人確認の信頼度は相対的に下がっています。公的個人認証は、カードのICチップに格納された電子証明書を使い、失効しているかどうかを含めて機械的に検証できる方式です。AI時代の本人確認をどう組み直すかという論点は、AIアカウント乗っ取りの兆候と事務所の点検項目とも地続きの話になります。

なお、公的個人認証を事務所側で自ら導入するには主務大臣の認定を受けるか、認定を受けたプラットフォーム事業者のサービスを利用する形になります。小規模事務所が単独で基盤を持つ想定は現実的ではなく、後者の利用が入口です。

今後の展望と初動|確認から始める3つの動き

第1に、自事務所が使っている電子申請・電子契約のサービスが、公的個人認証に対応しているか、あるいは対応予定を公表しているかを確認する段階です。ベンダーの公開資料と、デジタル庁の一覧の両方を突き合わせる方法を採る事務所があります。

第2に、顧客からの問い合わせに備える動きです。銀行や保険の手続でカードをかざす体験を済ませた顧客は、士業事務所の手続にも同じ簡便さを期待します。なぜ書類のコピーを郵送する必要があるのかと問われたときに、根拠と代替案を説明できる状態にしておく準備を進める事務所があります。

第3に、既存の本人確認記録の保存方法を棚卸しする動きです。オンライン方式に移った場合、確認の証跡が紙からログへ移ります。何を、どの形式で、どれだけの期間残すのかという整理は、事務所ごとの規程に反映させる論点になります。具体的な要件は所属会の指針や関係法令に依存するため、ここは要確認としておきます。

デジタル庁が今後どの頻度で一覧を更新するかは公表資料からは読み取れませんが、直近では月次に近いペースで数字が動いています。四半期に一度、自分の関与領域の企業が載ったかどうかを見に行くだけでも、顧客側の変化の速度は把握できます。

まとめ

公的個人認証の利用事業者は2026年7月31日時点で1306社、プラットフォーム事業者は2026年6月30日時点で28社です(出典: デジタル庁 JPKI導入事業者一覧)。日本弁護士国民年金基金や司法書士国民年金基金といった士業関連団体、司法書士向けサービスを手がける事業者もすでに名を連ねています。事務所としては、まず自分が使うサービスの対応状況を確認することが起点になります。

参考文献

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引用元: デジタル庁

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。

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