デジタル庁が源内の初回調査を公表、満足度71.7%・週1.83時間削減の中身

デジタル庁がガバメントAI源内の初回アンケート結果を公表。回答6,439件、満足度71.7%、週平均約1.83時間の削減など、士業事務所の生成AI導入効果の測り方に通じる数字を整理します。

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デジタル庁は、ガバメントAI源内の初回利用状況アンケート結果を公表しました。

デジタル庁は2026年10月30日前後に、政府職員向け生成AI環境「ガバメントAI 源内」の利用状況アンケート調査(第1回)の結果を公表しました。回答は6,439件で、満足度は71.7%、利用者の54.4%が週1時間以上の時間削減を報告しています。本記事は官公庁の公表内容を整理したもので、個別の事務所への助言ではありません。士業事務所が生成AIの導入効果をどう測るかを考えるうえで、役所側の測り方は一つの比較材料になります。数値はすべてデジタル庁の公表ページに基づき、公表ページに日付の記載がないため、日付はPDFのファイル名から読み取れる範囲にとどめています。

デジタル庁の公式ロゴ画像

源内の利用状況アンケートで何が公表されたか

デジタル庁の公表ページによると、源内は政府職員が使う生成AI環境で、今年度は約18万人の職員を対象に大規模な試行を行っています。今回の調査は第1回で、各府省庁の職員から6,439件の回答が寄せられました。

主な結果は次のとおりです。

  • 満足していると回答した利用者は71.7%
  • 源内を使った業務で週1時間以上の時間削減があったとする利用者は54.4%
  • 1人あたりの平均削減時間は週約1.83時間(約110分)と推計
  • ほとんど使わない、またはまったく使わないと回答した人は31.2%

推計方法も公表されています。範囲で答える設問は中央値を採用し、「3時間以上」のような上限のない回答は3時間として保守的に扱い、業務時間が増えたとする回答はマイナスの削減として計上したと説明されています。つまり、うまくいった人だけを集計した数字ではなく、使わなかった人や逆に手間が増えた人も含めた平均である点が、読み取りの前提になります。

あわせて、2026年10月20日にAIエージェント環境が開始されたこと、同月に「源内基準」が公表されたこと、第2回の調査が2027年1月ごろに予定されていることも示されています。

数字から読み取れる論点

最初に目を引くのは、満足度が7割を超える一方で、約3割が「ほとんど使っていない」という二極化です。時間削減の平均が週約1.83時間でも、その内訳は使いこなす層と使わない層に分かれています。デジタル庁自身も、利用促進のための周知や基礎研修を今後の取組に挙げています。

導入の成否が、ツールの性能だけでなく、使い方の周知や研修に左右されるという構図は、士業事務所にも当てはまりやすい論点です。弁護士、税理士、社労士、司法書士、行政書士などの事務所で生成AIを導入する場合も、全員が同じ頻度で使うとは限りません。導入後に「誰がどの業務で使っているか」を把握しない限り、効果の有無は判断しにくくなります。

もう一つは、測り方の透明性です。デジタル庁は削減時間の推計方法を明記しています。事務所で導入効果を社内評価する際にも、アンケートの設問、集計の前提、使っていない人の扱いを先に決めておくと、数字の比較ができるという見方があります。ただし、役所の業務と士業事務所の業務は性質が異なるため、1.83時間という数字をそのまま当てはめることはできません。

公表された今後の取組と、士業が注目しうる点

デジタル庁は今後の取組として、次の4点を挙げています。

  • AIエージェント環境の回答精度やファイル入出力の改善
  • 年度内の「源内ライブラリ」の開始(スキル、データ、活用事例、プロンプトの共有)
  • 周知活動や基礎研修による利用促進
  • AIの回答を検証しやすくする工夫と、源内基準による適切な利用の推進

公表ページには、AIは職員の業務負担を減らす手段であり、目的ではないという考え方も示されています。AIの出力に職員が埋もれないようにしたい、という趣旨です。

士業事務所の観点では、源内ライブラリのような「プロンプトや事例の共有」は、事務所内のナレッジ共有の仕組みを考える際の参考になります。また、回答を検証しやすくするという方針は、士業が生成AIの出力を確認する工程を設計する際の論点とも重なります。なお、同じ10月30日付で、デジタル庁は国会答弁作成支援AIアプリのプロトタイプ版を源内で提供開始したことも公表しています。こちらでは、AIは職員の業務を支援するもので最終判断は職員が行うこと、AIの出力は根拠資料と照合することが説明されています。

事務所の運用に引き寄せると、次のような対応を採る事務所があります。

  • 生成AIの利用頻度や用途を、導入前後で定期的に確認する
  • 利用者向けの基礎的な研修や、プロンプトの共有の場を設ける
  • 削減時間を測る際は、使っていない人や手間が増えた人も含めて集計する
  • AIの出力を、根拠資料と照合する工程を業務に組み込む

いずれも公表内容を事務所の運用に当てはめた一例であり、実施の要否や水準を示すものではありません。

次回調査と今後の注目点

第2回の調査は2027年1月ごろに予定されています。今回の満足度71.7%や、週あたり約1.83時間という数字がどう動くのか、また「ほとんど使わない」層の31.2%が減るのかは、次回の公表で確認できる範囲です。源内基準や源内ライブラリの内容が公開されれば、士業事務所が生成AIの利用ルールを検討する際の参照材料になる可能性もあります。公表資料に基づく情報であり、詳細はデジタル庁の原典でご確認ください。

まとめ

デジタル庁は源内の初回アンケートで、回答6,439件、満足度71.7%、週1時間以上の削減を報告した利用者54.4%、平均で週約1.83時間の削減という結果を公表しました。一方で31.2%はほとんど使っていないと回答しており、周知や研修が今後の課題として挙げられています。生成AIの導入効果を測る際の設計の参考として、原典の推計方法とあわせて確認する価値があります。

参考文献

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引用元: デジタル庁

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。

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