地方独法会計基準の改訂案を総務省が提示、リースは令和12事業年度から適用へ

総務省が地方独立行政法人会計基準等の改訂案を研究会で提示。資産見返負債の名称変更とリース会計の単一モデル化、令和12事業年度の適用時期を会計士・税理士向けに整理します。

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総務省は、地方独立行政法人会計基準等の改訂案を研究会で示しました。

総務省は2026年10月13日に開かれた地方独立行政法人会計基準等研究会の合同部会で、地方独立行政法人会計基準と減損基準の改訂案を配布資料として公表しました。改訂案には、資産見返負債の名称変更、リース会計の単一モデル化、公立大学法人の規定の独立という3つの柱があります。本記事は士業のチカラ編集部が、公表された一次情報のみを根拠に整理したものです。地方独立行政法人や公立大学法人の会計・監査に関わる公認会計士、税理士の事務所にとって、適用時期を把握する材料になります。資料は「案」であり、確定した内容ではない点にご注意ください。

何が公表されたのか

総務省の研究会ページによると、地方独立行政法人会計基準等研究会の公立大学法人部会と公営企業型地方独立行政法人部会は、令和8年度第1回の合同部会を2026年10月13日の15時から16時30分まで、オンラインで開催しました。配布資料は、概要、会計基準と注解の四段表と案、固定資産の減損に係る基準と注解の段表と案、そして「地方独立行政法人会計基準等の改訂について(案)」です。ページ上の議事要旨は、本記事の作成時点では「準備中」と表示されています。

改訂の背景として、資料は国の動きへの対応を挙げています。企業会計基準第34号が2024年9月13日に公表され、借手のリースを単一の会計処理モデルで扱うことになりました。独立行政法人会計基準等は2025年9月29日に改訂されており、国立大学法人会計基準等も2026年1月30日にリース関係の改訂が行われたと資料にあります。これらを踏まえ、地方独立行政法人の特性も考慮して改訂する、という整理です。

3つの改訂項目

1つ目は、損益均衡に関する会計処理です。収益の計上を繰り延べる勘定である資産見返負債は、機能を表す名称に改められます。資料の例では、資産見返運営費交付金が繰延運営費交付金(資産)に、資産見返補助金等が繰延補助金等(資産)に変わります。また、自己収入を財源とし資金の裏付けがない前中期目標等期間繰越積立金は、中期計画の使途に沿った費用が発生しても、原則として取り崩さない扱いになります。公立大学法人は、2022年8月31日の改訂で資産見返負債の会計処理を廃止済みのため、これらの対象外です。

2つ目は、リースに関する会計処理です。借手リースは、オペレーティング・リースとファイナンス・リースを区別せず、使用権資産とリース負債を貸借対照表に計上します。損益不均衡の拡大に対応するため、利息費用は原則として定額法で配分し、リース料の支払が費用計上に先行する部分は繰延運営費交付金(資産)の計上を認める手当てが盛り込まれました。公立大学法人は、こうした手当ては不要として利息法を原則とします。無償で借り受ける資産は引き続きリースの対象外で、減額された使用料による貸借取引はリースとして計上する扱いです。

3つ目は、公立大学法人の規定の独立です。現在は公営企業型以外の地方独立行政法人と同じ章に置かれていますが、取扱いの違いが増えたこと、公立大学法人が増えたこと、2026年3月6日付の実態調査で独立を望む意見があったことから、独立した章として整理されます。章立ては、一般型が第1章、公立大学法人が新設の第2章、公営企業型が第3章となる構成です。

適用時期と確認が必要な点

改訂案によると、基準および減損基準の改訂全体は令和9事業年度からの適用が適切とされています。リースに関する改訂は令和12事業年度からの適用で、令和11事業年度までは改訂前の内容を適用します。公立大学法人以外では改訂後の内容を早期適用できる旨の記載がありますが、公立大学法人には早期適用の記載がありません。

なお、概要資料の適用時期の一覧表は、公営企業型の適用年度の記載に揺れがあり、判読しにくい箇所があります。資料自身が、正確な適用時期は原典の確認が必要としています。この点は要確認です。実際の対応年度を判断する際は、確定版の公表を待つ必要があります。

士業事務所にとっての論点

この改訂案が直接関係するのは、地方独立行政法人や公立大学法人の決算、監査、税務の支援に関わる事務所です。公認会計士にとっては、科目名の変更や繰越積立金の取扱いが、決算書の読み方や監査調書の見直し箇所になり得ます。税理士にとっては、リース料の費用配分の変更が、法人側の経理処理や関連資料の整理に影響する場面が考えられます。ただし、民間企業のリース会計との違いも多く、同じ手当てが一律に適用されるわけではありません。

地方独立行政法人の会計に日常的に関わらない事務所でも、企業会計基準第34号を起点としたリース会計の見直しが公会計の分野にも波及していることは、顧問先の動向を把握するうえで参考になります。公表されているのは案の段階ですので、個別の事案への当てはめは、確定版と所管庁の案内を確認したうえで行う必要があります。

今後の展望と確認ポイント

確認の段階として、次のような対応を採る事務所があります。まず、研究会ページに掲載された資料6の改訂案で、自法人の区分(一般型、公立大学法人、公営企業型)に関わる箇所を確認します。次に、議事要旨が公開された段階で、委員からどのような意見が出たかを確認します。さらに、確定版の公表時期と、令和9事業年度およびリース関係の令和12事業年度という適用時期に変更がないかを、総務省の最新の案内で見ていく運用も考えられます。

なお、本記事では改訂後の条文の番号には触れていません。資料には改訂前後の対応表がありますが、案の段階で番号が変わる可能性があるため、引用する場合は確定版の原典で確認が必要です。

まとめ

総務省は2026年10月13日の研究会合同部会で、地方独立行政法人会計基準等の改訂案を示しました。内容は、資産見返負債の名称変更、リース会計の単一モデル化、公立大学法人の規定の独立で、全体は令和9事業年度、リースは令和12事業年度の適用とされています。資料は案であり、議事要旨も準備中です。関係する事務所は、確定版の公表を待ちつつ原典で内容を確認する段階です。

参考文献

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引用元: 総務省

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。

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