OpenAIはChatGPTのChrome拡張を更新し、開いているタブを読み取り操作する機能を追加しました。
2026年10月16日、AI専門メディアのThe Decoderは、ChatGPTのChrome拡張機能が更新され、ブラウザで開いているタブを読み取り、そのタブ上で操作まで行えるようになったと報じました。更新後の拡張機能は、すべてのChatGPTプランで利用できるとされています。税理士や社労士、行政書士など、日常的にブラウザで官公庁サイトや顧客向けの管理画面を開いている士業事務所にとっては、便利さと情報管理の両面で注目しておきたい動きです。本記事は士業業務に直結する制度変更ではなく、AI業界の動向としてお伝えします。なお本稿は上記報道とChatGPT公式アカウントの投稿を出典とする速報で、OpenAIの公式資料そのものは確認できていません。
何が起きたか・更新の内容
報道によると、今回の更新で、ChatGPTはChrome内で開いているタブにアクセスできるようになりました。入力欄で「@chrome」と書くことで、対象のタブを指定できます。動作は大きく二つのモードに分かれます。
一つ目はChatモードです。複数のタブから同時に情報を取り込み、内容の比較や要約を行います。The Decoderは例として、複数のタブにある商品をサイズ、素材、配送日数、返品規定の観点で比較するケースや、記事の要約、異なる販売者の価格ページを突き合わせるケースを挙げています。
二つ目はWorkモードです。こちらは「Computer Use」と呼ばれる仕組みでタブそのものを操作し、メッセージの送信、フォームへの入力、ファイルのダウンロード、タブのグループ化などを実行できると説明されています。The Decoderは、多段階の複雑な作業に対応できるComputer Use向けのモデルとして「GPT-6 Astra」が使われると紹介していますが、この点は同誌の記述であり、本稿では未確認です。
あわせて、サイドバーも刷新され、チャット履歴の全体を、表示中のWebページと並べて確認できるようになりました。情報の出どころはChatGPT公式アカウントのX投稿です。拡張機能はChromeウェブストアの掲載ページから入手する形になります。
なぜ重要か・ブラウザ内で完結するAIの広がり
これまでのチャット型AIは、利用者が文章や資料を貼り付けて質問する使い方が中心でした。今回の更新は、利用者が貼り付けなくても、AIが開いているページを直接参照し、さらに入力や送信まで担う方向に一歩進んだものです。ブラウザの中で人が行っている反復作業を、AIが肩代わりできる範囲が広がったことを意味します。
士業の実務で想像しやすい場面としては、複数の官公庁ページの公表内容を横並びで確認する作業、料金表や制度の比較表づくり、申請フォームへの入力補助などがあります。ただし、報道されているのは機能面の説明までで、実際の精度や、士業業務での使い勝手は、現時点では確認できません。
事務所の情報管理から見た論点
士業×AIの観点では、機能の便利さよりも、データの取り扱いが導入を判断する分かれ目になります。タブを読み取れるということは、そのタブに顧客情報、案件名、申告や申請に関する画面が表示されていれば、それも読み取り対象になり得るということです。
The Decoderの記事には、取り込まれた内容の保存期間、学習への利用の有無、プライバシー設定についての記載がありません。そのため、これらは公表資料からは確認できません。導入を検討する事務所は、OpenAIが公開している利用規約やプライバシーに関する公式ポリシー、プラン別のデータ取り扱いの説明を、一次情報として確認する段階にあります。
また、守秘義務や個人情報の取り扱いは、各士業法や個人情報保護委員会の公表資料などが関係する分野です。本稿では条文には触れず、当てはめも行いません。実際の運用に取り入れるかどうかは、各事務所の規程や、所属団体が示す資料を確認したうえで検討する話になります。
Workモードのように、AIが送信やフォーム入力を行う機能では、意図しない操作が起きる余地もあります。こうした自動操作型の機能について、操作の都度、人が確認する運用を採る事務所があります。顧客の情報が表示されたタブを開いたまま利用しないよう、ブラウザのプロファイルを分けるという工夫も、一般的な情報管理の考え方として知られています。
今後の動き・注目点
今後の注目点は三つあります。第一に、OpenAI側からデータの取り扱いに関する詳しい説明が出るかどうかです。第二に、他社のAIアシスタントも同様のブラウザ連携を強化していくかどうかです。ブラウザ操作型の機能は各社が力を入れている領域で、競争が続くとみられます。第三に、日本語のサイトや日本の官公庁の電子申請画面で、どの程度うまく動作するかです。この点は実際の利用報告を待つ必要があります。
士業事務所にとっては、新機能がすぐに業務で使えるかどうかを判断するよりも、「どの画面をAIに見せてよいか」を事務所の中で整理しておくことが、次の更新に備える現実的な準備になります。
まとめ
OpenAIは2026年10月16日前後に、ChatGPTのChrome拡張を更新したと報じられました。開いているタブを読み取るChatモードと、タブを操作するWorkモードが柱で、すべてのChatGPTプランで利用できるとされています。一方で、データの保存期間や学習利用の扱いは報道では触れられておらず、公表資料からは確認できません。士業事務所は、機能の紹介と、情報管理の確認を分けて見ていく段階です。
参考文献
- The Decoder ChatGPT becomes a full Chrome browser assistant that reads and acts on your open tabs
- ChatGPT公式アカウントのX投稿
- Chromeウェブストア ChatGPT拡張機能
- 個人情報保護委員会
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引用元: The Decoder
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