相続税調査の非違割合は82.3% 税理士がAIで固める申告前チェック7工程

相続税の実地調査の非違割合は82.3パーセント。国税庁の令和6事務年度公表統計から逆算した申告前チェックの7工程と、預金明細の解析に生成AIを使う際の匿名化と守秘義務の線引きを整理します。

相続税調査の非違割合は82.3% 税理士がAIで固める申告前チェック7工程

申告前チェックとは、申告書提出の前に申告漏れの芽を潰す点検のことです。

相続税の実地調査は、入られると高い確率で何かが出ます。国税庁が公表している令和6事務年度の実績では、実地調査9,512件のうち申告漏れ等の非違件数は7,826件で、非違割合は82.3パーセントでした(出典: 国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況)。この記事では、公表統計から逆算した申告前チェックの7工程と、そこに生成AIをどう噛ませるかを整理します。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で確認しています。

公表統計から読める、調査で出やすいもの

まず数字を押さえます。国税庁の公表資料によれば、令和6事務年度の相続税の実地調査件数は9,512件で対前事務年度比111.2パーセント、申告漏れ課税価格は2,942億円、追徴税額合計は824億円でした。実地調査1件当たりでは、申告漏れ課税価格が3,093万円、追徴税額が867万円となっています(出典: 国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況)。

重加算税の水準も見ておきます。同資料では、重加算税賦課件数は1,065件、非違件数に対する賦課割合は13.6パーセントとされています(出典: 同資料)。非違が出た事案のうち一定割合が、隠ぺい仮装があったと扱われている構図です。

実地調査以外の接触が増えている点も見逃せません。同資料は、文書、電話による連絡または来署依頼による面接で申告を是正する簡易な接触について、令和6事務年度の接触件数が21,969件で対前事務年度比117.0パーセント、申告漏れ課税価格が1,123億円で同117.8パーセントとなり、いずれも公表を始めた平成28事務年度以降で最も大きい水準になったと述べています(出典: 同資料)。実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格が3,093万円であるのに対し、簡易な接触1件当たりは511万円です(出典: 同資料)。金額の小さい漏れを広く拾う方向に、行政のリソースが振られていることが読めます。

無申告事案の重さも押さえておきます。同資料によれば、令和6事務年度の無申告事案に対する実地調査は650件で、うち申告漏れの非違件数は562件、非違割合は86.5パーセント、追徴税額は142億円でした。実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は11,517万円と、全体平均の3,093万円を大きく上回ります(出典: 同資料)。

贈与税の側も相続税と連動します。同資料は、令和6事務年度の贈与税の実地調査2,778件について、申告漏れ等の非違件数の内訳を無申告が83.4パーセント、有申告が16.6パーセントとし、財産別の非違件数では現金・預貯金等が62.9パーセントを占めると示しています(出典: 同資料)。相続税の申告前チェックで生前贈与の洗い出しが要になる理由が、この数字に表れています。

同資料には調査事例も掲載されており、点検表を作る材料になります。掲載されているのは、相続開始前に引き出した多額の現金を相続人宅で保管し、その存在を関与税理士に伝えずに申告から除外した事例、相続開始前に被相続人の口座残高が基礎控除以下になるよう相続人およびその家族名義の口座へ預金を移動した無申告事例、被相続人から国外法人への貸付金の返済を国内法人の口座へ振り込ませて存在を隠ぺいした事例、連絡先の分からない国外居住の相続人に接触して課税に至った無申告事例の4つです(出典: 国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況)。

このうち2つの事例で、税理士に事実が伝えられていなかったことが明記されています。税理士が資料を見ても分からない類型が一定数あるということです。申告前チェックの設計は、相続人が意図的に隠している場合を検出する仕組みではなく、相続人が忘れている、または重要性を認識していない財産を拾い上げる仕組みとして組むのが現実的です。

国税庁が公表していること、していないこと

相続税の申告について、国税庁がAIでリスクスコアを付けているという言い方が広まっています。ここは切り分けが要る領域です。

国税庁が公表資料で明示しているのは、基幹システムの刷新です。国税庁レポートは、デジタルの活用により納税者の利便性の向上と課税・徴収の効率化・高度化を目指すこととし、そのインフラとして令和8年度の本格稼働に向けて次世代システムであるKSK2の開発を進めていると述べています。開発コンセプトとして、データ中心の事務処理を実現するシステム、税目別となっているデータベースとアプリケーションの統合、メインフレームからオープンシステムへの刷新の3点が挙げられています(出典: 国税庁レポート2024 納税者サービスの充実と行政効率化)。

一方で、相続税の個別の申告に対してどのようなスコアリングが行われているか、そのアルゴリズムがどう組まれているかは、公表資料からは確認できませんでした。この点は要確認として扱うのが適切です。税理士事務所として顧問先に説明する際も、AIが点数を付けているという断定は避け、システム刷新が進んでいることと、資料情報の突合が高度化する方向にあることを事実として伝えるのが安全側です。KSK2の全体像はKSK2稼働と税理士の対応の記事で扱っています。

事務所側の実務としては、行政がどうスコアを付けるかを推測するより、公表統計に出ている非違の傾向から自分で点検表を作るほうが実務的です。統計は毎年更新され、どの財産で漏れが出ているかが公表されています。推測ではなく公表値を軸にすれば、顧問先への説明も出典付きでできます。

申告前チェックの7工程とAIの入れどころ

以下は、公表統計の傾向を踏まえた点検の並びです。生成AIは工程3から工程5で効きます。

前提として、この7工程は調査の予測ではありません。行政がどの事案を選ぶかを当てにいくのではなく、公表されている非違の傾向に沿って自分の申告を点検する、という組み立てです。予測を目的にすると、根拠のない推測を顧問先に伝えることになります。点検を目的にすれば、やったことを添付書面に書けます。この違いが工程設計の出発点になります。

工程1は、相続人と被相続人の属性の確定です。国外居住者の有無、法定相続人の数、相続時精算課税の適用歴を最初に押さえます。相続税法第27条は、相続または遺贈により財産を取得した者について、課税価格の合計額が遺産に係る基礎控除額を超える場合の申告書提出を定めています。申告義務の有無の判定そのものが最初の分岐です。

工程2は、預貯金の動きの洗い出しです。被相続人名義の口座について、相続開始前の一定期間の入出金を時系列で並べます。公表統計で現金・預貯金等の非違が大きな比重を占めている以上、ここを厚くやらない申告前チェックは形だけになります。

工程3は、入出金明細のAI解析です。金融機関から取り寄せた明細を匿名化して渡し、定期的でない大口の出金、同額が繰り返される送金、相続人名義口座への移動の候補を抽出させます。抽出はあくまで候補であり、使途の確定は相続人への聴取で行います。

工程4は、生前贈与の突合です。贈与税の申告実績、贈与契約書、通帳の記載を並べ、名義預金の疑いがある口座を洗います。前掲の公表統計で贈与税の非違のうち無申告が83.4パーセントを占めることを踏まえると、贈与税申告が出ていないこと自体は名義預金の疑いを消す材料になりません(出典: 国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況)。

工程5は、財産目録の網羅性チェックです。土地、家屋、有価証券、現金・預貯金等、その他の各区分について、資料の裏付けがあるものとないものを分けます。裏付けのない項目をAIに一覧化させ、確認依頼のリストに変換します。

工程6は、税理士による確定です。AIが出した候補のうち、どれを相続人に確認し、どれを財産目録に載せるかは税理士が判断します。ここは委任できない工程です。

工程7は、書面添付の記載への反映です。工程2から工程5で行った確認手続を、税理士法第33条の2の計算事項等記載書面に落とします。同条は、申告書の作成に関し、計算し、整理し、または相談に応じた事項を記載した書面を添付することができる旨を定めています。添付書面の書き方は書面添付制度をAIで回す記事で詳しく扱っています。

以下は工程3で使うプロンプトの例です。

あなたは日本の税理士事務所の補助者です。
以下は匿名化済みの預金入出金明細です(口座記号、日付、入金額、出金額、摘要)。
被相続人(記号Xとします)の口座について、相続開始前の期間を対象とします。

【明細】
{CSVを貼り付け}

【抽出してほしいこと】
1. 出金額が同一口座の平均的な出金額から大きく外れる取引を、金額の大きい順に列挙してください。
2. 同額または近似額が繰り返し出金されている取引を、周期とともに指摘してください。
3. 摘要に振込先が記載されている取引のうち、個人名らしき宛先への送金を抽出してください。
4. 各項目について「相続人に確認すべき質問文」を1文ずつ添えてください。
5. 使途を推測して断定しないでください。抽出した理由だけを書いてください。
6. 明細から読み取れないことは【明細に記載なし】と明記してください。

出力は表を使わず、段落形式・ですます調でお願いします。

工程5で使うプロンプトの例です。財産目録の穴を可視化させます。

以下は作成中の相続財産目録と、収集済み資料の一覧です。

【財産目録】
{目録を貼り付け}

【収集済み資料の一覧】
{資料名の一覧を貼り付け}

【出力してほしいこと】
1. 財産目録の各項目について、裏付けとなる資料が一覧に存在するかを判定してください。
2. 裏付け資料が見当たらない項目を列挙し、どの資料を追加取得すればよいかを提案してください。
3. 逆に、資料一覧にはあるが財産目録に反映されていない可能性のある財産を指摘してください。
4. 判定できない項目は【判定不能】と明記し、理由を書いてください。
5. 評価額の妥当性は判断しないでください。資料の有無だけを見てください。

出力はですます調、段落形式でお願いします。

いずれのプロンプトも、AIに判断させず、確認すべき箇所を並べさせる設計にしています。相続税は評価が争点になる税目なので、評価そのものをAIに任せる設計にはしません。

相続人の資料をAIに渡す前に決める3つのこと

相続案件の資料は、士業が扱う情報のなかでも機微性が高い部類です。預金の動き、家族関係、生前の贈与は、いずれも本人が外に出したくない情報です。

第一に、税理士の守秘義務との関係です。税理士法第38条は、税理士は正当な理由がなくて税理士業務に関して知り得た秘密を他に洩らし、または窃用してはならない、と定めています。税理士でなくなった後も同様とされています。外部のクラウドサービスへ資料を送る運用が、この条文との関係でどう位置づけられるかは、送信先の契約条件と相続人の同意の有無で議論が変わる論点です。事務所として一律の答えを置くより、案件ごとに整理する形が実務的です。

第二に、個人情報の取扱いです。相続案件のデータには、被相続人と相続人の双方の個人情報が含まれます。個人情報の保護に関する法律第23条は、個人情報取扱事業者は取り扱う個人データの漏えい、滅失または毀損の防止その他の安全管理のために必要かつ適切な措置を講じなければならない、と定めています。安全管理措置の設計に、生成AIの利用を組み込んでおく作業が要ります。

第三に、匿名化の粒度です。預金明細は、口座番号と金融機関名と氏名を伏せれば、金額と日付と摘要だけでも解析できます。財産目録も、所在地の番地までは要りません。渡す情報を減らしても抽出の精度がほとんど落ちない工程がある一方、精度が落ちる工程もあります。事務所として、工程ごとに渡してよい粒度を決めておくと、担当者の判断がぶれません。

事務所の規程に落とすなら、相続案件専用の項目を1つ立てておくと運用が安定します。通常の顧問業務と違い、相続案件は関係者が複数いて、案件終了後に資料の扱いを問われる場面があるためです。データの保存期間、案件終了後にAIサービス側へ残る履歴の扱い、担当者のアカウント管理を、相続案件については個別に書いておく形が実務的です。

相続人への説明では、AIを補助的に使っている旨と、最終的な判断は税理士が行う旨を、受任時に伝えておく方法があります。相続案件は相続人が複数いることが多く、後から一人が異論を述べる場面が起きます。受任時に全員へ説明しておくと、後の説明が事実の確認で済みます。

申告前チェックでAIが起こす3つの失敗

ひとつ目は、抽出漏れを網羅と誤認する失敗です。AIは渡されたデータの中からしか候補を出しません。取り寄せていない口座の動きは、当然ながら候補に出てきません。網羅性は資料収集の側で担保するものであり、AIの出力の側では担保できません。工程5で資料一覧との突合を入れているのはこのためです。

ふたつ目は、使途をAIが推測して書いてしまう失敗です。生成AIは、大口出金に対して生活費、医療費、贈与といったもっともらしい理由を並べます。これを確認済みの事実として財産目録や添付書面に反映すると、調査の場で説明できない記述が残ります。プロンプトで推測を禁止し、抽出理由だけを書かせる設計にしておくと防げます。

みっつ目は、評価の判断をAIに寄せる失敗です。土地の評価、非上場株式の評価、小規模宅地等の特例の適用は、いずれも事実認定と選択の積み重ねです。AIに評価額を出させると、前提条件を明示しないまま数字が出てきます。評価は人が行い、AIには資料の有無と整合の確認だけをさせる線引きが要ります。申告書の形式的なチェックにベンダーのAI機能を使う場合の考え方は申告書チェックエージェントの検証軸の記事で扱っています。

費用と工数、事務所の体制

導入に要るのは、生成AIの事業者向けプランと、明細データを匿名化する手順です。生成AIの事業者向けプランは1ユーザーあたり月額数千円の水準が一般的で、既に導入している事務所は追加費用が生じません(参考: 各社の公開価格。改定が頻繁なため契約時点の公表価格で確認してください)。

工数は、案件の資料量に比例します。預金口座が多い案件ほど工程2と工程3の削減効果が大きく、口座が少ない案件では手作業と大差がありません。事務所として、口座数が一定を超える案件だけAIを噛ませる、という切り分けを置く方法があります(参考値として案件ごとに実測し、切り分けの基準を運用ルールに書いておく形が実務的です)。

導入の順序は、まず点検表の整備から入ります。公表統計の非違の傾向と調査事例を材料に、確認項目を一覧化します。この一覧ができていれば、AIを使わなくても聴取の抜けは減ります。AIはその一覧を埋める速度を上げる道具であって、一覧そのものを作る道具ではありません。順序を逆にすると、AIの出力に引きずられて点検の範囲が案件ごとにぶれます。

体制は、資料収集と匿名化とプロンプト実行を補助者が担い、候補の取捨選択と評価と申告書の確定を税理士が持つ構成になります。相続案件は担当者の経験差が出やすい領域なので、AIが出した候補リストを共通の出発点にすると、経験の浅い担当者でも聴取の抜けが減ります。ここがこの工程の最大の効用かもしれません。

統計が示す方向と、事務所が置くべき備え

公表統計を並べると、実地調査の件数と追徴税額が増え、簡易な接触も過去最大の水準を更新しているという構図が見えます。一方で、簡易な接触1件当たりの申告漏れ課税価格は511万円と、実地調査1件当たりの3,093万円に比べて小さい水準です(出典: 国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況)。大きな事案には実地調査、小さな漏れには簡易な接触、という使い分けが進んでいると読めます。

事務所にとっての含意は、金額の小さい漏れも放置しにくくなるという点です。簡易な接触は事務所にとっても対応工数を食います。申告前チェックの目的は、調査を避けることではなく、後から連絡が来る回数を減らすことに置いたほうが実態に合います。

海外資産の動きも注視が要ります。同資料によれば、令和6事務年度の海外資産関連事案に対する実地調査件数は1,359件、海外資産に係る申告漏れ等の非違件数は209件で対前事務年度比124.4パーセント、海外資産に係る申告漏れ課税価格は97億円で同155.5パーセントと増加しています(出典: 同資料)。国外に資産や相続人がいる案件では、工程1の属性確定の段階でこの論点を立てておく価値があります。

もうひとつの見方として、申告前チェックの厚みは顧問料の説明材料になります。相続税の申告報酬は遺産総額に対する割合で提示されることが多く、作業の中身が顧客から見えにくい領域です。どの工程で何を確認したかを工程表として示せると、報酬の根拠が具体になります。書面添付の記載と組み合わせれば、対外的な説明と対顧客の説明が同じ材料で回せます。

税制の改正動向を追う工程は、この申告前チェックとは別に置いておく必要があります。相続税は改正の影響を受けやすい税目です。情報収集の回し方は税制改正の情報収集をAIで回す記事を参照してください。

よくある質問

国税庁は相続税の申告にAIでリスクスコアを付けているのですか

公表資料からは確認できませんでした。国税庁レポートが述べているのは、令和8年度の本格稼働に向けて次世代システムであるKSK2の開発を進めており、データ中心の事務処理や税目別データベースの統合を開発コンセプトとしていることです(出典: 国税庁レポート2024 納税者サービスの充実と行政効率化)。個別の申告に対するスコアリングの有無や手法は要確認の領域です。

相続税の実地調査に入られると、どのくらいの割合で何か出るのですか

国税庁の公表資料によれば、令和6事務年度の実地調査9,512件に対し、申告漏れ等の非違件数は7,826件で、非違割合は82.3パーセントでした(出典: 国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況)。資料情報等から申告額が過少であると想定される事案を選んで調査が行われるため、この割合になっていると同資料は説明しています。

簡易な接触と実地調査はどう違うのですか

国税庁の公表資料は、簡易な接触について、文書、電話による連絡または来署依頼による面接により申告漏れ、計算誤り等がある申告を是正するなどの接触である、と説明しています(出典: 国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況)。令和6事務年度の接触件数は21,969件で、公表を始めた平成28事務年度以降で最も大きい水準になっています。

預金明細を生成AIに入れても差し支えありませんか

相続人との契約内容と、使用するツールのデータ取扱条件によって判断が分かれる論点です。税理士法第38条が定める守秘義務と、個人情報の保護に関する法律第23条が定める安全管理措置の両面から整理する領域になります。実務では、口座番号と金融機関名と氏名を伏せ、金額と日付と摘要だけを渡す運用が置かれます。

名義預金の判定をAIに任せてよいですか

判定は税理士が行う領域です。名義預金かどうかは、原資の出どころ、管理の実態、贈与の意思の有無といった事実認定の積み重ねで決まります。AIに任せられるのは、口座間の資金移動の抽出と、確認すべき質問文の生成までです。

書面添付と申告前チェックはどう関係しますか

申告前チェックで行った確認手続が、そのまま添付書面の記載材料になります。税理士法第33条の2第1項は、申告書の作成に関し計算し、整理し、または相談に応じた事項を記載した書面を添付することができる旨を定めています。どの資料でどの範囲を確認したかを工程ごとに記録しておくと、書面の記載が具体的になります。

無申告が疑われる案件では、何を優先して見ればよいですか

基礎控除額を超えるかどうかの判定材料を優先します。国税庁の公表資料によれば、令和6事務年度の無申告事案に対する実地調査1件当たりの申告漏れ課税価格は11,517万円と、全体平均を大きく上回っています(出典: 国税庁 令和6事務年度における相続税の調査等の状況)。同資料の調査事例には、相続開始前に家族名義の口座へ預金を移した事例が挙げられています。

参考文献

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本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

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