OpenAIは2026年9月、GPT-6 Astra向けの公式プロンプト指針を公開しました。
OpenAIが自社の最新モデル GPT-6 Astra について、開発者向けドキュメントの中でプロンプト指針を公開しました。AIブログのThe Decoderが2026年9月5日に報じたもので、モデルが望ましくない振る舞いをする場面と、その回避のための具体的な指示文が並んでいます。目を引くのは、AIらしい定型表現を「slop words」と呼んで並べたブロックリストです。ここでは公表内容の要点を整理し、士業事務所がAIツールを選ぶ際の視点を一段落だけ添えます。
公開されたのは「聞き返しすぎ」を止める指示文
指針の中心にあるのは、Astraが確認の質問を返しすぎる傾向への対処です。OpenAIによれば、Astraは前世代のGPT-5.6 Solより頻繁に確認を挟み、勝手な前提を置かない代わりに、利用者が続行を期待する場面で手を止めることがあるといいます。同社はこの性質を「より有能な協働者」と表現しています。
対策として示されているのは、文脈から利用者の意図と作業範囲を推定し、行動する側に寄せるよう指示するプロンプトです。「can you…」「I want to…」「help me…」といった言い回しは、追加質問への誘いではなく着手の合図として扱う、という考え方が明示されています。承認を求めるタイミングも、着手前ではなく、確認できる成果物を用意した後に置くよう促しています。仮定のリスクに基づく前置きや免責の羅列も、指示側で落とす対象として挙げられました。
長い指示への追従性は改善した一方、文脈への感度が上がった点も注意点として書かれています。AGENTS.md のような設定ファイルに曖昧な記述や矛盾があると、作業が止まったり方向が逸れたりするため、モデルが読める設定ファイル類を棚卸しし、利用者の指示を優先するよう明示する運用が示されました。原因追跡用には、参照したファイル名と該当箇所を引用させるデバッグ用プロンプトも公開されています。
slop語ブロックリストと文体の指定
もう一つの柱が文章の質です。Astraは既定では箇条書きや表、Markdown記法で答えをまとめがちで、同じ言い回しを繰り返す傾向があるとされます。散文で書かせたい場合は、段落で書くこと、平易な語と能動態を使うこと、要点を先に置くことを、指示文の中で具体的に伝える形が示されました。
ブロックリストとして挙げられたのは、結論部の「Conclusion:」、「delve into」「promote」「use/leverage」「it’s worth noting」「what’s important is」「Question? Answer」「This isn’t about X. It’s about Y」「really/truly」といった表現群です。「In short:」のような締めの定型句、対比で語る「X, not Y」の形、実在しない複合語の造語も避ける対象に入っています。専門用語は理解を助ける範囲にとどめる、という方針も添えられました。
このほか、並列実行できるサブエージェントへの委任が想定より少ないこと、エージェント間のメッセージに文法や空白の乱れが出ること、コーディング時にテストが作業量に不釣り合いなほど膨らむことが、既知の癖として整理されています。詳細版のプロンプトはOpenAIの開発者向けドキュメントで公開されています。
士業事務所の視点と今後の動き
士業事務所にとっての読みどころは、モデルの性能ではなく、出力の質が指示文の設計に大きく左右されるとベンダー自身が明言した点です。文体や定型表現の統制が指示文で可能だとすれば、事務所の文書スタイルを指示文側に持たせる余地が広がります。すでに公開済みのAI生成物の透かしと対外文書の運用や事務所のAIツール棚卸しと統合と合わせて読むと、指示文の管理を誰が担うかという論点が見えてきます。
一方で、入力したデータが学習に使われるかどうかについて、今回の公表内容と元記事はいずれも触れていません。守秘義務を負う事務所では、この点は契約プランごとにOpenAIの公表ポリシーで確認する段階にあります。Astra自体の提供範囲は動いている最中で、利用枠がSolの半分に設定された件も先日公開しました。指針の追補やモデル側の調整が続くとみられ、当面は公式ドキュメントの更新を追う局面が続きそうです。
まとめ
OpenAIはGPT-6 Astra向けのプロンプト指針を公開し、確認質問の多さを抑える指示文、設定ファイルの棚卸し、AIらしい定型表現のブロックリストを示しました。出力の質が指示文の設計に左右されることをベンダー自身が示した点が、事務所側の運用設計にも関わってきます。
参考文献
- The Decoder「OpenAI shares prompting tips for GPT-6 Astra including a blocklist of slop words」
- OpenAI 開発者向けドキュメント(最新モデルガイド)
- OpenAI エンタープライズ向けプライバシー方針
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引用元: The Decoder
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