総務省は2026年10月23日、情報流通プラットフォーム対処法の指針案を10月24日から意見募集すると表明しました。
総務省の藤井大臣は2026年10月23日の閣議後記者会見で、改正された情報流通プラットフォーム対処法に基づく、選挙の公正への悪影響を軽減する措置の指針案について、10月24日からパブリックコメントを始めると述べました。同じ会見では、PHPの深刻な脆弱性への対応についても言及がありました。ウェブサイトやオンライン手続を運用する士業事務所にとっては、制度の動きとセキュリティ情報の両方を押さえておきたい内容です。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。個別案件への助言や制度の評価は行いません。
何が公表されたのか
総務省の大臣会見の概要(令和8年10月23日)によると、指針案は大規模プラットフォーム事業者が講ずる措置の具体例を示すものです。例として、収益化への対応やAI生成コンテンツへの対応が挙げられています。あわせて、表現活動の過度な萎縮を招かないことなど、基本的な考え方も示されるとのことです。
指針案には、10月9日に総務省へ申し入れがあった、選挙運動に関する各党協議会の合意事項が反映されていると説明されています。パブリックコメントを経て、早ければ年内に指針を策定し、2027年3月1日の改正法施行に備える予定とされています。
会見では、この法律が個別の情報の違法性を判断したり、削除を義務付けたりするものではないことも説明されました。事業者が軽減措置を講じ、その実施状況を公表する仕組みであり、社会的評価や利用者の選択を通じた自主的な取組を期待するという位置づけです。
同じ会見で触れられたPHPの脆弱性
会見では、10月21日深夜にPHPの深刻な脆弱性を修正する更新プログラムが公開されたことも取り上げられました。悪用されると外部から不正にプログラムを実行されるおそれがあり、国家サイバー統括室を中心に政府全体で注意喚起を行っているとのことです。総務省は、所管する電気通信、放送、郵便分野の重要インフラ事業者と地方自治体に通知しました。サイト運営者には、速やかな更新と、サポートが終了した版を使っている場合はサポート対象版への移行が求められています。
この件についてIPAの事前準備のお願いは、2026年10月21日23時(日本時間)にセキュリティリリースが公開される予定と案内していました。対象は2件の脆弱性(CVE-2026-109618、CVE-2026-109619)で、IPAは悪用した攻撃を確認しているわけではないが、予防的に発信していると記しています。PHPは製品の内部で使われている場合もあり、利用者側からは把握しにくい点にも触れています。士業のチカラでは、この脆弱性が公認会計士協会のマイページ停止に影響した件を別の速報で取り上げています。
士業事務所にとっての接点
指針案は、プラットフォーム事業者の措置を対象にしたもので、士業に新たな手続や書式を課す内容は、会見の概要からは確認できません。そのため、直接の対応が必要になる事務所は多くないと考えられます。
一方で、接点はいくつかあります。事務所のSNSやウェブサイトで情報発信をしている弁護士、税理士、社会保険労務士などにとっては、プラットフォーム側の運用が変わる可能性がある点が関係します。選挙に関する情報や、AIで生成した画像・文章の扱いについて、プラットフォームが投稿者に求める対応が変わることもありえますが、具体的な内容は指針の策定後に確認する段階です。
PHPの件は、事務所のホームページをWordPressなどで運営している場合に直結します。WordPressやそのプラグイン、事務所が利用するクラウド型の業務システムがPHPで動いている場合があり、利用状況は開発元やサービス提供元の案内で確認することになります。顧客情報や依頼者との連絡窓口を持つサイトでは、更新の有無を把握しておく考え方があります。
生成AIの活用という観点では、官公庁の会見録や指針案のような長い資料を要約させ、顧問先向けの案内文の下書きを作る使い方が考えられます。その場合、AIの出力に含まれる日付や数値は原典と照合する運用を採る事務所があります。依頼者の情報を併せて入力する際は、利用するAIサービスが入力データを学習に使うかどうかを事前に確認する段階です。今回の会見の概要からは、AI利用に関する士業向けの記載は確認できません。
今後の動き
指針案のパブリックコメントは10月24日に始まる予定で、意見募集の期間や提出方法は、総務省が公表する案内ページで確認することになります。会見の概要には、募集期間の終了日は書かれていません。指針の策定は早ければ年内、改正法の施行は2027年3月1日とされています。
事務所の側では、次のような点を確認する段階にあります。
- 総務省の意見募集ページで、指針案の本文と募集期間が公表されたかどうか
- 事務所のウェブサイトや業務システムでPHPが使われているか、更新の案内が出ているか
- サポートが終了した版のPHPを使っているサイトがないか
まとめ
総務省は2026年10月23日、情報流通プラットフォーム対処法に基づく選挙関連の指針案について、10月24日からパブリックコメントを始めると表明しました。施行は2027年3月1日の予定です。同じ会見ではPHPの脆弱性にも注意喚起がありました。士業に直接の義務を課す内容ではありませんが、情報発信とウェブサイト運用の両面で、一次資料を確認しておく価値があります。
参考文献
- 総務省「藤井総務大臣閣議後記者会見の概要(令和8年10月23日)」
- IPA「【事前準備のお願い】PHPのセキュリティリリース公開予定について」
- 士業のチカラ「公認会計士協会がマイページを緊急停止、PHP重大脆弱性2件の影響」
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引用元: 総務省
本記事の作成体制について
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