厚生労働省は、令和8年度第1回社会復帰促進等事業に関する検討会の議事録を公表しました。
厚生労働省は、労災保険の財源で行われている社会復帰促進等事業について、令和8年度第1回検討会(2026年7月16日開催)の議事録を公開しました。議題は令和7年度の成果目標の実績評価と、令和8年度の成果目標です。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。社会保険労務士をはじめ、労災保険や労働保険料の相談を受ける事務所にとって、保険料の使い道がどう評価されているかを知る材料になります。議事録は発言の途中で終わっているため、全体像ではなく公開された範囲の整理である点にご注意ください。
何が公表されたのか
厚生労働省の議事録ページによると、検討会は2026年7月16日の10時から11時29分まで、東京都内の会場で一部オンラインを併用して開かれました。出席した委員は商工会議所、経済団体、中小企業団体、損害保険会社、運輸会社、製鉄会社の所属者など6名で、2名が欠席しました。議題は「社会復帰促進等事業に関する令和7年度成果目標の実績評価及び令和8年度成果目標について」です。
評価の対象は44事業で、A評価が37事業、B評価が6事業、C評価が0事業、D評価が1事業でした。D評価となったのは、自動車運転者の労働時間改善に向けた荷主等への対策の事業です。議事録では、アンケートの「今はないが、今後気を付けることがある」という回答が減ったことが要因として説明され、令和8年度は動画コンテンツの作成や広告による周知を行う予定とされています。
B評価の事業と予算の状況
B評価の6事業については、議事録に事業ごとの説明が記録されています。職業病予防対策では、教育の受講者数と健康支援相談の人数が目標を下回り、令和8年度は目標を下方修正して、教育事業は令和9年度末で終了する予定と説明されました。受動喫煙対策では、助成金の月平均利用数が目標に届かず、対象施設の減少が要因とされています。
家内労働の安全衛生管理では訪問指導の実績が、産業医学振興経費では医師国家試験の合格率が、それぞれ目標に届きませんでした。働き方・休み方改革では助成金の支給決定件数と相談件数が、医療従事者の勤務環境改善ではウェブサイトのアクセス数が、目標を下回っています。後者については、令和7年4月下旬の大量の不正アクセスへの対応としてアクセス制限を行ったことが影響したと説明されています。
予算面では、令和8年度の要求額は昨年度と同じ764億円で、その内容どおり予算が成立したと報告されました。別の委員の発言では、未払賃金立替払事業費を含む令和8年度予算は919億円で、昨年度と同水準とされています。
未払賃金立替払事業費の回収状況
議事録には、監督課が答えた未払賃金立替払事業費の回収状況も記録されています。令和3年度の立替払額は約36.4億円で回収率は27.6%、令和5年度は約86.2億円で26.0%、令和6年度は約110.5億円で14.3%、令和7年度は約118.9億円で4.4%です。いずれも令和8年3月末時点の数字で、令和6年度と7年度の回収率が低いのは、分割払いによって回収が複数年度にまたがるためと説明されました。
士業事務所にとっての論点
社会復帰促進等事業の費用は、事業主が拠出する保険料で賄われていると議事録に記されており、委員からは事業の見直しや目標設定の厳格化を求める意見が複数出ています。具体的には、テレワーク普及促進等対策、中小企業退職金共済事業経費などについて、この事業の目的に合うかという疑問が示され、行政側が目的との関連を説明したと記録されています。
社会保険労務士の事務所では、顧問先から労災保険料の使い道や、助成金の見直しについて質問を受けることがあります。議事録には、働き方改革推進支援助成金の団体推進コースで、上限額が1,000万円から500万円に引き下げられた経緯があり、見直しを求める意見が出たとの記載もあります。ただし、これは委員の発言であり、制度改正の決定ではありません。
今後の展望と確認ポイント
議事録に残る範囲では、令和8年度の目標設定について、前年度に達成した目標を同水準で据え置く場合は理由の明示を求める意見がありました。外国人技能実習機構交付金については、育成就労制度への対応のために予算確保を求める意見も出ています。
確認の段階として、次のような対応を採る事務所があります。まず、議事録ページに掲載された資料1から4で、事業ごとの評価と執行状況を確認します。次に、助成金など顧問先の関心が高い事業について、令和8年度の目標や要件が変わるかどうかを、厚生労働省の最新の案内で確認します。議事録は武知委員と福田委員の発言の途中で終わっているため、続きが公開された段階で改めて内容を確認する運用も考えられます。
なお、本記事では条文の番号には触れていません。法令上の位置づけを引用する場合は、e-Govの法令検索で現行の条文を確認する必要があります。
まとめ
厚生労働省は、社会復帰促進等事業に関する検討会の議事録を公開しました。令和7年度は44事業のうち37事業がA評価、1事業がD評価でした。令和8年度予算は昨年度と同水準と報告され、事業の見直しを求める委員の意見も記録されています。助成金などを扱う事務所は、原本の資料と今後の案内で内容を確認する段階です。
参考文献
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引用元: 厚生労働省
本記事の作成体制について
本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。
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