11月は「しわ寄せ」防止キャンペーン月間、厚労省が3つの取組を公表

厚生労働省が2026年10月30日、11月を「しわ寄せ」防止キャンペーン月間とすると公表。周知・協力依頼・労働局の要請の3つの取組を、士業事務所の顧問先支援の視点で整理します。

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厚生労働省は2026年10月30日、11月を「しわ寄せ」防止キャンペーン月間とすると公表しました。

厚生労働省は2026年10月30日、11月に「『しわ寄せ』防止キャンペーン月間」を実施すると公表しました。大企業の働き方改革が、取引先の中小事業者への短納期発注や急な仕様変更といった形で負担を移してしまう状況を防ぐことが狙いです。中小企業庁と公正取引委員会が連携し、周知、協力依頼、企業への要請の3本立てで進められます。顧問先に中小企業を多く抱える社会保険労務士、税理士、行政書士、中小企業診断士の事務所にとっては、顧問先から取引条件の相談を受ける場面で背景として知っておきたい動きです。本記事では公表された内容を事実ベースで整理します。

「しわ寄せ」防止キャンペーン月間の取組を示した厚生労働省の図

何が公表されたか

公表によると、キャンペーン名は「『しわ寄せ』防止キャンペーン月間」で、実施期間は11月です。具体的な開始日と終了日は、掲載ページの本文には記載がありません。主催は厚生労働省で、中小企業庁と公正取引委員会が連携します。

目的は、大企業の働き方改革に伴って、取引先の中小事業者に適正なコスト負担のない短納期発注や急な仕様変更などの「しわ寄せ」が生じている場合があるため、これを防止し、中小企業の働き方改革を進めることとされています。

公表資料は、しわ寄せが生じやすい取引慣行として三つを挙げています。一つ目は、長時間労働の削減など大企業の働き方改革に伴うしわ寄せです。二つ目は、民間発注者による短い工期の設定によるしわ寄せです。三つ目は、荷主による長時間の恒常的な荷待ちなどによるしわ寄せです。建設、運送、製造の下請けに関わる事業者を意識した整理になっています。

3つの取組の中身

主な取組は三つ示されています。

一つ目は、ポスターとリーフレットによる周知、「しわ寄せ」防止特設サイトの更新、インターネット広告の実施です。特設サイトは厚生労働省の専用ページで公開されています。

二つ目は、業所管省庁、都道府県、労使団体への協力依頼です。業界ごとに所管する省庁や、経営者団体、労働組合の側にも働きかける形です。

三つ目は、しわ寄せを生じさせるおそれのある大企業等に対して、都道府県労働局が企業訪問を行うなどして、防止に向けた要請等を集中的に実施することです。取引先の中小事業者だけでなく、発注する側の大企業に直接働きかける点が、今回の取組の特徴です。詳細は厚生労働省が掲載している公表資料のPDFで確認できます。

士業事務所にとっての論点

今回の公表は、士業に直接の義務や手続の変更を求めるものではありません。ただ、顧問先の相談内容に関わる場面は想定されます。

社会保険労務士の事務所では、顧問先の中小企業が時間外労働の削減に取り組む際に、取引先からの短納期の要請が現場の負担になっているという相談が出ることがあります。そうした場面で、国が発注側への要請を集中的に行う期間が設けられたという事実は、状況を説明する材料の一つになります。

税理士や中小企業診断士の事務所では、取引条件の見直しが顧問先の原価や収益に与える影響を試算する場面があるかもしれません。行政書士の事務所では、建設業や運送業の顧問先から、工期や荷待ちに関する相談を受ける場合が考えられます。

なお、個別の取引が問題になるかどうかの判断は、事案ごとの事実関係によって変わります。本記事はその当てはめを行うものではなく、公表された取組の紹介にとどまります。

今後の動きと確認したい点

キャンペーン月間は11月の実施です。特設サイトの更新内容、ポスターやリーフレットの配布先、労働局による企業訪問の実施状況は、今後の公表で明らかになっていくと考えられます。現時点で、訪問の対象企業数や実施結果の公表予定は、掲載ページには記載がありません。

事務所の側で確認を進める場合は、次のような段階が考えられます。まず特設サイトとリーフレットの内容を確認し、顧問先への案内に使えるかを見る事務所があります。次に、建設、運送、製造など、公表資料が例示する取引慣行に近い業種の顧問先がどの程度あるかを把握する段階があります。さらに、顧問先から取引条件の相談が寄せられた場合に、どの窓口の情報を案内するかを事前に整理しておく運用を採る事務所もあります。窓口については、公表資料に記載された問い合わせ先を確認するのが確実です。

まとめ

厚生労働省は2026年10月30日に、11月を「『しわ寄せ』防止キャンペーン月間」とすると公表しました。周知、関係機関への協力依頼、大企業等への都道府県労働局による集中的な要請が柱です。中小企業庁と公正取引委員会が連携し、短納期発注や急な仕様変更、短い工期、長時間の荷待ちといった慣行を背景に挙げています。士業事務所にとっては、中小企業の顧問先を支援する際の背景情報として押さえておく価値があります。

参考文献

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引用元: 厚生労働省

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。

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