日本公認会計士協会がオープンデータ研究文書第13号を公表しました。
日本公認会計士協会(JICPA)のテクノロジー委員会が、研究文書第13号「公認会計士業務におけるオープンデータの活用と実践に係る研究文書」を公表しました。掲載日は2026年9月15日です。2019年8月に公表された研究文書第5号を置き換える位置づけで、同日付で第5号は廃止されています。生成AIの実務利用が広がるなかで、会計士が扱う外部データの調達元として、オープンデータをどう位置づけるかを整理した資料です。本記事は公表ページに記載された事実をもとに構成しています。
何が公表されたか、テクノロジー委員会研究文書第13号の概要
公表されたのは、テクノロジー委員会研究文書第13号「公認会計士業務におけるオープンデータの活用と実践に係る研究文書」です。JICPAの公表ページによれば、2026年9月10日に開催された常務理事会の承認を受けて公表されたもので、担当は常務理事の山中彰子です。
取りまとめの目的について、公表ページは「オープンデータを実務と学習の両面で活用するための道標を示すこと」と述べています。背景にあるのは、前身にあたる研究文書第5号「公認会計士業務におけるオープンデータの利用可能性に係る研究文書」が公表された2019年8月以降に生じた制度変更と技術的進歩です。第5号は第13号の公表に伴い、同日付で廃止されました。
文書は前書文と本文の2ファイル構成で、前書文が81.4KB、本文が534.4KBのPDFとして公開されています。閲覧にはJICPAの著作権規約への同意が必要で、転載には別途申請が求められます。本文の詳細な記述内容は、この規約の範囲内でJICPAの公表ページから直接確認する形になります。
会計士事務所にとっての論点、7年で変わったデータ環境
第5号が公表された2019年8月から第13号までの約7年で、会計士業務を取り巻くデータ環境は大きく変わりました。ここで押さえておきたい論点は3つあります。
1つ目は、タイトルが「利用可能性」から「活用と実践」に変わっている点です。第5号が「使えるかどうか」を論じる段階の文書だったのに対し、第13号は実務にどう組み込むかに重心を移した構成になっていると読み取れます。会計士事務所にとっては、オープンデータの存在を知っているかどうかではなく、どの業務工程で使うかを決める段階に入ったという示唆になります。
2つ目は、生成AIとの接続です。生成AIに外部データを読み込ませて分析させる場合、そのデータの出所と利用条件が説明できることが前提になります。オープンデータは利用条件が公表されている点で、出所不明のスクレイピングデータとは扱いが異なります。監査や助言の根拠として外部データを使う場面では、この違いが説明責任の差になって現れます。
3つ目は、同じテクノロジー委員会が同日に研究文書第14号「監査へのデータアナリティクス活用に関する研究文書」も公表している点です。オープンデータ(データの調達側)とデータアナリティクス(データの分析側)が対になっており、委員会として一体で整備を進めている構図が見えます。第14号についてはJICPAの研究文書第14号に関する記事で取り上げています。
なお、生成AIにデータを入力する場面では、そのデータに守秘義務の対象が含まれていないかという確認が別途必要になります。オープンデータ自体は公開情報ですが、クライアントの非公開情報と組み合わせて分析する工程では扱いが変わります。この点は事務所ごとの規程で整理されている領域で、会計士事務所のAI利用規程の考え方と合わせて確認しておきたいところです。
今後の展望、事務所の初動として確認されている動き
今回の公表を受けて、会計士事務所の現場で確認が進むと見られる動きを整理します。
まず、第5号を前提に作られていた事務所内の手引きやチェックリストがある場合、その参照先が廃止された点の確認です。第5号は廃止済みのため、社内資料が古い文書を参照したままになっていないかを見直す事務所があります。
次に、第13号本文を実際に開いて、自事務所の業務で使えるデータ源が取り上げられているかを確認する段階です。研究文書は実務指針とは性質が異なり、参考として提供されるものです。公表ページも「実務に際して本研究文書を参考にしていただけますと幸いです」という表現にとどめています。
さらに、オープンデータを生成AIの入力に使う場合の社内ルールを、既存のAI利用規程に書き足すかどうかの検討です。外部データの出所を記録に残す運用を始めている事務所もありますが、業界横断での標準的な手順が定まっているわけではありません。この領域は今後の動向を継続して確認する必要があります。
なお、第13号本文の具体的な記述内容については、著作権規約の範囲でJICPAの公表ページから直接確認してください。本記事は公表ページに記載された事実の範囲で構成しており、本文PDFの内容そのものには踏み込んでいません。
まとめ
日本公認会計士協会は2026年9月15日、テクノロジー委員会研究文書第13号「公認会計士業務におけるオープンデータの活用と実践に係る研究文書」を公表し、2019年8月公表の第5号を同日付で廃止しました。タイトルが「利用可能性」から「活用と実践」へ変わった点に、7年間のデータ環境の変化が表れています。同日公表の第14号と合わせて確認しておきたい資料です。
参考文献
- 日本公認会計士協会 テクノロジー委員会研究文書第13号「公認会計士業務におけるオープンデータの活用と実践に係る研究文書」の公表について
- 日本公認会計士協会 研究文書第13号の公表に伴う研究文書第5号の廃止について
- 日本公認会計士協会 専門情報一覧
- 日本公認会計士協会 専門情報トップ
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引用元: 日本公認会計士協会
本記事の作成体制について
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