金融庁がAI時代のオンチェーン金融フォーラム初開催、3つの検討軸を整理

金融庁が2026年9月30日に第1回を開いたAI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラムを整理。ステーブルコイン、トークン化、金融機関のAI利用の3つの検討軸と、第2回の予定を解説します。

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金融庁は2026年9月30日、AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラムの第1回を開きました。

金融庁は2026年9月30日、「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」の第1回会合を開催しました。AIエージェントが自律的に取引を行う時代を見据え、ブロックチェーン基盤の決済とステーブルコイン、AIの利活用を一体で検討する枠組みです。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で確認しています。今回は金融庁の公表ページと配布資料をもとに、フォーラムの位置づけと検討事項を整理します。

何が公表されたか:フォーラムの概要と背景

金融庁の「AI時代を見据えたオンチェーン金融フォーラム」のページによると、第1回の開催日は令和8年9月30日で、フォーラムの設置は令和8年9月25日付で公表されています。担当は資産運用・保険監督局の暗号資産・ステーブルコイン課デジタル決済企画室です。

第1回の会議資料ページでは、開催時間は14時から15時まで、議題は関係省庁等の報告と討議と示されています。配布資料はメンバー名簿と金融庁の説明資料の2点です。

説明資料は、背景として「エージェンティックコマース」の到来を挙げています。AIエージェントが自律的に経済活動を担う世界では、商取引が言語や時差に関係なく行われ、決済もそれに対応する必要があるという整理です。あわせて、商流や物流と決済がデータで連携すれば企業の生産性向上が期待できるとしています。一方で、国内の決済基盤が対応できない場合は海外の決済基盤への依存が深まり、競争力の低下と経済安全保障上のリスクが懸念されると記載しています。

基本的な考え方として、AI時代の決済には、24時間365日の連続稼働、商流・物流とつながるプログラマビリティ、決済基盤としての安定性と安全性の3要素を備えたオンチェーン金融と、既存の金融インフラのベストミックスが重要だとしています。

3つの検討軸:社会実装、環境整備、AIへの適応

出典は前述の金融庁説明資料(PDF)です。検討事項は大きく3つに分かれています。

1つ目はオンチェーン金融の社会実装推進です。官民連携でのロードマップ作成、決済高度化プロジェクトの継続と貿易決済など他分野への拡大、決済のリアルタイム化を視野に入れた銀行間決済の機能分担の検討が挙がっています。円建てステーブルコインが海外で使われる場面を踏まえ、他通貨建てとの互換性の確保や、各国当局との対話、アジア等との官民政策対話の枠組みづくりも盛り込まれました。日本銀行については、年内に、日銀当座預金のオンチェーン対応に向けた論点整理と道筋の検討状況をまとめるとされています。

2つ目は環境整備です。ステーブルコインの裏付け資産のあり方など制度面の論点の点検と、諸法令での取扱いの整理・明確化の検討が挙がっています。分散型取引所やDeFi、ウォレット提供業者のリスク低減策、さまざまな資産のトークン化に関する制度のあり方も検討対象です。関係省庁の取組としては、デジタル庁による公金給付でのステーブルコイン等の活用可能性の検討、内閣官房デジタル行財政改革会議事務局による諸法令での取扱いの整理、財務省による国債等のトークン化対応の検討が紹介されています。

3つ目は、AI等の技術への適応です。金融機関のAI利用について健全な利活用に向けた取組と、AIエージェント時代を見据えた市場・金融機関の監督のあり方を検討するとしています。本人真正性の担保では、検証可能な証明情報(Verifiable Credential)の利用可能性を挙げ、量子コンピュータによるブロックチェーン技術の危殆化リスクの把握と代替手段の検討も含まれています。

士業事務所にとっての論点

現時点では、フォーラムは方向性と検討項目を示した段階で、具体的な制度改正や施行日は説明資料には記載がありません。そのため、事務所の業務が直ちに変わる内容ではありません。ただ、検討項目には士業の業務領域と接点のあるテーマが含まれています。

たとえば、ステーブルコインやトークン化資産の諸法令での取扱いの整理は、顧客企業の会計・税務処理や契約、登記、許認可の相談につながる可能性があります。国債等のトークン化や公金給付での活用は、顧客企業の資金の流れに関わる話題です。AIエージェント時代の金融機関の監督や本人真正性の議論は、顧客が金融機関との取引や本人確認の手続で影響を受ける場面を考えるうえでの材料になります。どの職種にどのような影響が出るかは、今後の整理を待つ段階で、要確認です。

今後の予定と確認の進め方

説明資料によると、第2回は2027年初に開催される予定で、上記の内容について中間整理と官民連携でのロードマップを取りまとめるとされています。検討体制としては、「デジタル・分散型金融への対応のあり方等に関する研究会」と「AI等の健全な利活用の推進に関する研究会」の2つの研究会が示されました。金融庁は、民間の資金決済全体のあり方で主導的な役割を果たすため、必要な組織拡充を検討するとも記載しています。

事務所の現場では、次のような点を確認する段階にあります。

  • 金融庁のフォーラムページで、第1回の議事要旨や次回以降の資料が公開されるかを確認する
  • 2つの研究会の設置や開催の公表を追う
  • ステーブルコインやトークン化に関わる顧客からの相談の有無を把握する
  • 日本銀行が年内にまとめるとされる検討状況の公表を確認する

まとめ

金融庁のオンチェーン金融フォーラムは、決済のオンチェーン化とステーブルコインの制度整理、金融分野でのAI活用を一体で議論する場として、2026年9月30日に始まりました。第2回は2027年初の予定で、中間整理とロードマップの取りまとめが示されています。現段階では具体的な制度は示されていないため、公表資料を継続して確認していく段階です。

参考文献

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引用元: 金融庁

本記事の作成体制について

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