AI検索対策のProfoundが18億ドル評価、士業事務所サイト3論点

AI検索での見え方を扱うProfoundが評価額18億ドルで1.8億ドルを調達しました。AIは35万件の情報源からブランドを判断するという記述をもとに、士業事務所サイトの書き方、表示のルール、承認体制の3論点を整理します。

AI検索対策のProfoundが18億ドル評価、士業事務所サイト3論点

AI検索での見え方を測るProfoundが1.8億ドルを調達しました。

検索結果の青いリンクではなく、AIが返す回答のなかに自分の名前が出てくるかどうか。そこを商売にする会社が、7か月で評価額をほぼ倍にしました。士業事務所にとっては遠い話に見えるかもしれませんが、顧問先を探す人が検索窓ではなくAIに聞くようになれば、事務所サイトの書き方も、その内容を誰が確認するのかという体制も、同じ問題に行き当たります。今回は調達のニュースそのものよりも、発表文に書かれた「AIがブランドをどう見ているか」の記述が、事務所の情報発信にそのまま重なる部分を取り上げます。

Profoundの創業者ら

AI検索対策のProfoundが1.8億ドルを調達、評価額は18億ドルに

Profoundは2026年9月16日、1.8億ドルのシリーズDラウンドを完了し、評価額が18億ドルになったと自社ブログで公表しました。Sequoia CapitalとKleiner Perkinsがリードし、既存投資家のLightspeed Venture Partners、Khosla Ventures、Saga Ventures、Evantic、South Park Commonsが参加しています。TechCrunchによれば、7か月前のシリーズCは9600万ドルで、直近6か月の売上は3倍に伸びたとされています。

同社が扱うのはAEO(Answer Engine Optimization、回答エンジン最適化)と呼ばれる領域です。共同創業者でCEOのJames Cadwalladerは発表文で、AIがブランドを判断するときには35万件の情報源を走査すると書いています。自社サイトだけでなく、広報発表、SNS、レビュー、販売代理店のページ、アフィリエイトまで含まれるという説明です。ひとつの問いに答えるためにエージェントは数百ページを引き、それがやがて数千ページになるとも述べています。同社は発表文のなかで、2026年6月3日にCloudflareがボットの通信量が人間の通信量を初めて上回ったと報告したことにも触れています。現在の比率はCloudflare Radarで公開されています。

Profoundは今回あわせて、AI Marketer(Aim)という新製品を紹介しています。背景で社内のデータを見続け、うまくいっている点といっていない点に気づいて計画を持ってくる。承認するとブリーフを作り、自社の声に合わせた初稿を書き、承認者のレビューを通し、CMSへ公開し、1か月後に結果を報告する、という流れです。組織単位と個人単位の2層で文脈を保持するContext Managerが、その土台になっていると説明されています。同社によると、2,500を超えるブランドとFortune 100の3分の1が利用しており、Estée Lauder、Walmart、Zoom、Royal Bank of Canada、Stripe、Ramp、Cursor、Figmaといった名前が挙がっています。

士業事務所にとっての3つの論点

論点1 事務所が管理していない情報も、回答の材料になる

AIが見るのは事務所の公式サイトだけではありません。35万件の情報源を走査するという記述をそのまま受け取れば、所属している会の名簿ページ、士業ポータルの掲載情報、過去に出した取材記事、口コミサイトの書き込みまでが素材になります。自分では更新していない情報が、いちばん目立つ形で回答に反映されることもあり得ます。何がどう拾われているかを先に知るという発想は、士業事務所のHPがAI検索に引用されるにはで整理した論点とつながります。

論点2 拾われるのは具体的な事実、ただし表示のルールは別にある

Cadwalladerは、エージェントが求めるのは最新で、退屈なほど具体的で、原理から筋道立てて説明された内容だと書いています。「最もおしゃれ」といった常套句は無視されるという指摘です。士業に置き換えれば、対応業務の範囲、料金の考え方、対応地域、登録番号、実際に扱った案件の類型といった、粒度の細かい事実が読まれる側になります。

一方で、何をどう書けるかには別のルールがあります。不当景品類及び不当表示防止法第5条は不当な表示の禁止を定めており、税理士法第37条は信用失墜行為の禁止を定めています。個別の記載がこれらの条文との関係でどう評価されるかは有資格者の判断領域ですので、本記事では踏み込みません。書ける範囲と広告のルールの関係については、士業のAI検索対策LLMOで扱っています。

論点3 生成は速くなっても、承認は速くならない

発表文でもうひとつ目を引くのは、人間の監督がいちばん希少な資源になったという記述です。キャンペーンが「合格」したと教えてくれるものは存在しないので、人が最後に見て判断し、承認する役割は残る、とCadwalladerは書いています。Aimの設計そのものが、承認を挟む前提になっています。

事務所に引き直せば、AIに書かせた事務所紹介やコラムを、公開前に誰が読むのかという話です。Webの新規ページの内訳が変わってきていることはWeb新規ページの3分の1がAI文章で触れたとおりで、量が増えるほど最終確認の場所を決めておく価値が上がります。承認を既定にする設計の考え方はClaude小規模事業者版の承認設計でも整理しています。

入力するデータの扱いは、機能より先に確認する

マーケティング用のツールであっても、事務所が使うとなればデータの線引きが先に来ます。ProfoundのContext Managerは、組織単位と個人単位の文脈をためて出力に反映させる設計です。そこに何を入れて何を入れないかは、顧問先名や案件の内容が混じった瞬間に守秘の話へ変わります。

公表資料からは、日本語環境での提供範囲、入力したデータの保持期間、学習への利用可否は確認できませんでした。この点は要確認として残ります。ベンダーに何をどう尋ねるかはAIツールのベンダーに何を聞くかにまとめています。

今後の動きと、事務所側の初動

Profoundは2026年9月30日にAimのライブ配信を予定していると案内しています。回答エンジン向けの可視化ツールは各社が出し始めており、市場としての立ち上がりはこれからです。

事務所側の初動としては、次のような段階を踏んでいる例があります。ひとつは、自分の事務所名や「地域名+税理士」のような言い方をChatGPT、Gemini、Perplexityにそのまま入れてみて、返ってきた内容を日付つきで記録しておくというもの。ふたつめは、その回答とサイトの記載、登録情報との食い違いを一覧にして、どこが古いのかを洗い出す段階です。三つめは、対応業務や対応地域、料金の考え方を、常套句ではなく具体的な事実として書き直すこと。四つめは、AIが下書きした文章を公開する前に誰が読むのかを、口頭ではなく規程の言葉にしておくことです。回答エンジンを調査に使う場合の注意点はPerplexityを士業の調査実務で使うに、AIが検索そのものとして扱われ始めた動きはChatGPTがEUで巨大検索エンジンに指定にまとめています。

まとめ

AI検索での見え方を扱うProfoundが、評価額18億ドルで1.8億ドルを調達しました。発表文にある「AIは35万件の情報源からブランドを判断する」「求められるのは退屈なほど具体的な事実」「人間の承認は残る」という3点は、そのまま士業事務所の情報発信の論点になります。まずは自分の事務所がAIにどう説明されているかを確かめるところからです。

参考文献

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引用元: TechCrunch

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

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