社会保険の適用拡大 賃金要件撤廃と規模要件縮小に社労士が備える6工程

社会保険の適用拡大で、賃金要件の撤廃と企業規模要件の段階的縮小に社労士がどう備えるか。厚労省の公表資料をもとに、顧問先対応の6工程とAIを噛ませる場所、守秘義務の論点を解説します。

社会保険の適用拡大 賃金要件撤廃と規模要件縮小に社労士が備える6工程

適用拡大とは、社会保険に入る短時間労働者の範囲を広げる制度改正のことです。

顧問先から今年の秋以降に届く問い合わせは、ほぼこの話に集中します。この記事では、賃金要件の撤廃と企業規模要件の段階的な縮小について、社労士が顧問先ごとに対応を回すための工程と、生成AIを噛ませられる場所を整理します。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、制度の内容は厚生労働省の公表資料で確認しています。厚生労働省は、いわゆる年収106万円の壁として意識されてきた月額8.8万円以上の賃金要件を令和8年10月に撤廃する予定と示しています(出典: 厚生労働省 短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント)。

2026年10月と2027年10月に何が動くのか

まず全体像です。年金制度改正法は令和7年5月16日に第217回通常国会へ提出され、衆議院で修正のうえ6月13日に成立しました。改正による加入拡大のポイントは三つで、短時間労働者の企業規模要件の縮小と撤廃、短時間労働者の賃金要件の撤廃、そして個人事業所の適用対象の拡大です(出典: 厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について)。

現行の短時間労働者の加入要件は四つあります。所定内賃金が月額8.8万円以上であること、週の所定労働時間が20時間以上であること、勤め先が従業員数51人以上の企業であること、学生ではないことです。ここでの従業員数は厚生年金保険の被保険者数を指します(出典: 厚生労働省 加入拡大のポイント)。

賃金要件については、全ての都道府県で令和7年度の地域別最低賃金が時給1,016円を超えたことを踏まえ、令和8年10月に撤廃する予定と示されています。時給1,016円以上で週20時間働けば月額賃金が8.8万円以上になるため、賃金要件を意識する必要がなくなるという整理です。ただし、最低賃金法には一定の場合に減額を許可する特例があり、その対象となる短時間労働者のうち月額賃金8.8万円未満の方は原則として加入しないこととされ、申出による任意加入は可能とされています(出典: 前掲加入拡大のポイント)。

企業規模要件は段階的に縮小します。現在は従業員51人以上、令和9年10月から36人以上、令和11年10月から21人以上、令和14年10月から11人以上、そして令和17年10月から10人以下、という順序が示されています(出典: 前掲加入拡大のポイント)。厚生労働省は改正の時期について、10年かけて段階的に縮小・撤廃すると説明しています(参考: 前掲 社会保険の加入対象の拡大について)。

個人事業所についても変化があります。現在は常時5人以上を使用する法定17業種の事業所が強制適用ですが、改正後は業種を問わず常時5人以上を使用する全業種の事業所が対象になります。ただし2029年10月の施行時点で既に存在している事業所は当分の間、対象外とされています(出典: 前掲 社会保険の加入対象の拡大について)。法定17業種には、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業が含まれている点も、事務所自身の話として押さえておく価値があります。

この三つの改正は、顧問先から見ると別々の出来事に映ります。賃金要件の撤廃は来年ではなく今年の秋、企業規模要件の縮小は再来年の秋、個人事業所の拡大はさらに先。それぞれ影響する層も違います。社労士側が最初にやることは、この時間差を1枚の表に落として、顧問先ごとにどの改正がいつ効くかを見えるようにすることです。時間差を整理せずに一括で説明すると、まだ関係のない改正まで心配され、逆に直近で効く改正が薄まって伝わります。

規模別に見ると、影響の出方が対照的です。従業員51人以上の顧問先は既に企業規模要件を満たしているため、今年の秋に効くのは賃金要件の撤廃だけです。一方、従業員36人以上50人以下の顧問先は、今年の秋の賃金要件撤廃では対象外のままで、来年秋の企業規模要件の縮小で一気に対象へ入ります(参考: 前掲加入拡大のポイント)。同じ説明資料を両方に配ると、どちらにも刺さらない資料になります。

顧問先の対象者を洗い出す6工程と、AIを噛ませられる場所

結論から言えば、社労士側の負荷は判定そのものではなく、判定に必要なデータをそろえる前段に集中します。理由は、賃金台帳や雇用契約書の形式が顧問先ごとにばらばらで、そのままでは横断的に見られないからです。AIを噛ませる価値があるのも、この前段の整形と抽出です。

工程1 顧問先を規模帯で仕分ける

厚生年金保険の被保険者数を基準に、顧問先を51人以上、36人以上50人以下、21人以上35人以下、11人以上20人以下、10人以下の五つの帯に分けます。この帯が、そのまま影響を受ける時期の順番になります(参考: 前掲加入拡大のポイント)。最初に説明が必要になるのは、令和9年10月の縮小で新たに対象へ入る帯です。

工程2 週20時間前後の労働者を抽出する

各顧問先の労働者名簿から、週の所定労働時間が20時間前後の層を抜き出します(週20時間以上という要件の出典は前掲加入拡大のポイント)。ここが今後の判定の主戦場になります。20時間ちょうど、19時間、21時間といった境界付近の設定が多い顧問先ほど、対応の手数が増えます。

工程3 現行4要件での判定を機械化する

現行の4要件は条件が明確なので、表計算で判定できます。生成AIは、判定式そのものより、雑多な形式の雇用契約書から所定労働時間と賃金を抜き出す作業で効きます。抽出結果は、原本と一件ずつ突き合わせる工程を挟む運用にします。

工程4 令和8年10月以降のシミュレーションを作る

賃金要件が外れた前提で、同じ名簿を再判定します。月額8.8万円未満で週20時間以上働いている層が、そのまま新規の加入対象候補になります(参考: 前掲加入拡大のポイント)。この人数が顧問先の保険料負担の増加見込みに直結するので、説明資料の中心になります。

工程5 保険料調整制度の対象を洗い出す

新たに加入対象となる短時間労働者を支援する措置として、従業員数50人以下の企業などで働き、企業規模要件の見直しなどにより新たに加入対象となる短時間労働者のうち、標準報酬月額が12.6万円以下である方を対象に、3年間の保険料調整の措置が実施されます。事業主が負担割合を増やして被保険者の負担を軽減でき、追加負担分は全額を制度全体で支援する仕組みとされています(出典: 厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について)。対象になり得る顧問先には、早めに情報を渡しておくと相談が前倒しになります。

工程6 説明資料と就業規則の見直し候補を出す

顧問先向けの説明資料と、所定労働時間の設定を扱う規程の見直し候補を並べます。就業規則の改定を伴う場合の進め方は、労働基準法改正への対応工程を整理した記事の手順が流用できます。

抽出と整形に使えるプロンプト

雇用契約書からの項目抽出には、次のプロンプトが使えます。実名や顧問先名は入れず、匿名化したテキストを渡します。

あなたは労務データの整形を担当するアシスタントです。
以下の匿名化済みテキストから、指定の項目だけを抽出してください。

【抽出する項目】
1. 週の所定労働時間(時間・分まで)
2. 所定内賃金の月額換算(時給の場合は「時給×週所定×52÷12」で計算し、計算過程も示す)
3. 契約期間の定めの有無
4. 学生かどうかの記載の有無

【出力形式】
- 1件につき1行のCSV(列: 通し番号, 週所定労働時間, 月額換算賃金, 期間の定め, 学生記載)
- 読み取れなかった項目は必ず「不明」と書き、推測で埋めないこと
- 最後に「不明」を含む行の通し番号だけを列挙すること

説明資料のたたき台には、次のプロンプトを使います。制度の数字は自分で差し込み、AIには構成と表現だけを任せる分担にすると、誤りが混ざりにくくなります。

あなたは中小企業向けの説明資料を書くライターです。
社会保険の適用拡大について、従業員向けの説明文の骨子を作ってください。

【条件】
- 読み手: 週20時間前後で働くパート従業員(架空・D社の従業員)
- 分量: A4で1枚に収まる程度
- 制度の具体的な数値は【ここに入れる】と空欄にし、こちらで差し込む形にすること
- 「手取りが減るのではないか」といった不安に応える構成にし、加入した場合の給付面の変化にも触れる
- 断定的な有利・不利の評価はせず、判断材料の提示にとどめること
- 最後に、この骨子で説明したときに出そうな質問を5つ挙げること

抽出結果と説明資料は、いずれも社会保険労務士が原本と制度資料に照らして確認する工程を挟みます。判定と説明の責任は有資格者側にあり、AIが担うのは前段の整形までという分担を、顧問先にも先に伝えておくと後の齟齬が減ります。

顧問先の賃金台帳をAIに渡す前に決める3点

対応を急ぐほど、賃金台帳や労働者名簿をそのままAIへ投入したくなります。ここで押さえるのは三つです。

1点目は、そのツールが入力を学習に使うかどうかです。個人向けの契約と法人向けの契約で既定値が異なるサービスが多く、事務所として業務に使うなら既定で学習に使われない契約形態を選ぶ運用が現実的です。プラン別の読み解き方は、生成AIの法人プランと学習利用を5つの観点で比較した記事に整理しています。

2点目は、匿名化の水準です。氏名を伏せても、生年月日と入社年月と賃金額がそろえば個人が絞り込めることがあります。抽出に必要なのは所定労働時間と賃金額なので、それ以外の列を落としてから渡す運用が扱いやすい形です。個人情報保護委員会は生成AIサービスの利用について注意喚起を公表しており、社内基準を作るときの出発点になります。

3点目は、顧問先への説明です。社会保険労務士については社会保険労務士法第21条が、開業社会保険労務士または社会保険労務士法人の社員は正当な理由がなくて業務に関して知り得た秘密を他に漏らし、又は盗用してはならないと定め、その地位を離れた後も同様としています。個人データを外部へ渡す局面では個人情報の保護に関する法律第27条の第三者提供の制限も関係してきます。他の士業でも、税理士は税理士法第38条、弁護士は弁護士法第23条、公認会計士は公認会計士法第27条、行政書士は行政書士法第12条に同趣旨の規定が置かれています。これらを自事務所のAI利用にどう当てはめるかの結論は、顧問契約の内容と扱うデータの性質を見たうえで有資格者が判断する領域です。

規程に落とすなら、書くべきは三つに整理できます。どの種類のデータをAIに渡してよいか、渡す前の匿名化を誰が行うか、そして顧問先への説明をいつ行うか。適用拡大の対応は短期間に大量の顧問先を回すことになるため、その場の判断に委ねると事務所内で運用がばらつきます。社労士事務所向けの実務基準の作り方は、社労士向け生成AI活用ガイドブックを実務に落とす記事にも整理しています。

対応でつまずく3つの型

型1は、従業員数の数え方を取り違える型です。企業規模要件でいう従業員数は厚生年金保険の被保険者数を指すと注記されています(出典: 厚生労働省 加入拡大のポイント)。在籍人数や社会保険未加入者を含めた総数で数えると、判定がずれます。顧問先が自社で数えた人数をそのまま受け取らず、算定基礎届のデータから確認する工程を挟むと防げます。

型2は、賃金要件の撤廃だけを見て説明してしまう型です。撤廃されるのは賃金要件であって、週20時間以上という所定労働時間の要件は残ります。週20時間未満であれば原則として加入対象にならず、残業などで一時的に20時間以上になっても加入はしないが、週20時間以上で働く状況が2か月を超えて続くようであれば加入対象となることがある、と説明されています(出典: 厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について)。この二段構えを飛ばすと、顧問先の現場で混乱が起きます。

型3は、AIの出力を検算せずに説明資料へ載せる型です。時給から月額換算する計算は単純に見えて、週の所定労働時間の扱いや月の週数の取り方で数字がぶれます。抽出と計算を任せる場合でも、境界付近の数件は手で検算し、合わない場合は計算の前提から見直します。生成AIの出力を業務に載せる前の検証手順は、架空の判例や条文を止める関門を整理した記事の考え方が応用できます。

工数の見積もりと報酬の立て方

顧問先1社あたりの工数は、労働者名簿の整形に30分から2時間、判定とシミュレーションに1時間、説明資料の作成と面談に2時間程度が目安になります(この工数は編集部が想定した参考値です)。名簿の整形は顧問先のデータ品質次第で大きくぶれるため、ここをAIで詰められるかどうかが全体の所要を左右します。

報酬の立て方は二つに分かれます。一つは顧問料の範囲で吸収する形、もう一つはスポットの対応業務として切り出す形です。適用拡大は10年かけて段階的に進むため、令和9年10月、令和11年10月、令和14年10月、令和17年10月と、顧問先ごとに複数回の対応が発生します(参考: 前掲加入拡大のポイント)。一度きりの作業ではないという前提で設計しないと、顧問料に埋もれたまま工数だけが積み上がります。

社内の体制としては、名簿の整形と判定を補助スタッフが担い、シミュレーションの妥当性確認と顧問先への説明を社会保険労務士が担う二層構造が組みやすい形です。AIを入れるのは前者の層で、後者の層は人が持ちます。この線引きを顧問先にも共有しておくと、料金の説明もしやすくなります。

順番の設計も工数に効きます。規模帯の大きい顧問先から着手すると、対象者が多いぶん一件あたりの単価は取りやすい一方、説明の難易度も上がります。逆に小規模の顧問先から回すと、手順が固まってから難所に入れます。どちらを先にするかは、事務所の人員に余裕があるかどうかで決まる面が大きく、繁忙期との重なり方も見ておく必要があります。算定基礎届の時期と重ねると、名簿の整形だけで詰まります。

もう一つ、テンプレート化の投資回収も見ておきます。説明資料と抽出用のプロンプトを1回作れば、以降は顧問先ごとに数値を差し替えるだけで回せます。適用拡大が10年かけて進む以上、テンプレートの寿命は長く、初回に時間をかける価値があります(参考: 前掲加入拡大のポイント)。逆に、毎回ゼロから作る運用のままだと、段階が進むたびに同じ工数を払い続けることになります。

士業事務所自身にも跳ね返る論点

見落とされやすいのは、事務所自身が適用の対象になる側でもあるという点です。法定17業種には、弁護士・税理士・社会保険労務士等の法律・会計事務を取り扱う士業が含まれています(出典: 厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について)。個人事業として運営している事務所で、常時5人以上を使用していれば、現行制度でも強制適用の対象です。

さらに、企業規模要件の縮小は事務所の補助スタッフにも及びます(出典: 前掲加入拡大のポイント)。パートの補助者を週20時間前後で雇っている事務所は、顧問先に説明する前に自事務所のシミュレーションを済ませておく順序が自然です。自分の事務所で一度回しておくと、顧問先への説明の解像度も上がります。

もう一つの論点は、相談の集中です。賃金要件の撤廃が令和8年10月に予定されている以上、問い合わせは今年の後半に固まります。対応の型を先に作り、AIで前段を圧縮しておけるかどうかで、この時期に受けられる件数が変わります。制度対応は差がつきにくい領域に見えますが、処理能力の差はそのまま受任可能量の差として表れます。

三つ目に、顧問先の側の受け止め方も変わってきます。適用拡大は保険料負担の増加として語られがちですが、加入した労働者にとっては基礎年金に加えて厚生年金が終身で支給され、健康保険でも病気やけが、出産で会社を休んだ場合の給付が充実するという整理が示されています(出典: 厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について)。負担の話だけで説明を組むと、従業員向けの説明会で反発を受けます。両面を並べて判断材料として示す構成のほうが、結果として合意が早くなります。

最後に、扶養の扱いも押さえておきます。年収130万円以上となると、週20時間未満で働く場合でも配偶者の扶養から外れ、国民年金と国民健康保険の保険料が発生すると説明されています。収入が一時的に上がった場合は、事業主の証明により引き続き扶養が認められる特例があるとも案内されています(出典: 前掲 社会保険の加入対象の拡大について)。適用拡大の説明とセットで質問が出る論点なので、資料の末尾に触れておくと面談が一往復減ります。

よくある質問

賃金要件はいつ撤廃されますか

令和8年10月に撤廃される予定と示されています。全ての都道府県で令和7年度の地域別最低賃金が時給1,016円を超えたことを踏まえた判断とされています(出典: 厚生労働省 短時間労働者の社会保険の加入拡大のポイント)。ただし予定である点は変わらないため、施行の直前に最新の公表資料を確認する運用が安全です。

企業規模要件はいつどこまで下がりますか

段階的に下がります。現在の従業員51人以上から、令和9年10月に36人以上、令和11年10月に21人以上、令和14年10月に11人以上、令和17年10月に10人以下へと縮小する順序が示されています(出典: 前掲加入拡大のポイント)。ここでの従業員数は厚生年金保険の被保険者数を指します。

週20時間の要件も無くなるのですか

無くなりません。撤廃されるのは賃金要件で、週の所定労働時間が20時間以上という要件は残ります。週20時間未満であれば原則として加入対象にならず、一時的に20時間以上になっても加入はしないが、その状況が2か月を超えて続くようであれば加入対象となることがある、と説明されています(出典: 厚生労働省 社会保険の加入対象の拡大について)。

保険料の負担を軽くする措置はありますか

あります。従業員数50人以下の企業などで働き、企業規模要件の見直しなどにより新たに加入対象となる短時間労働者で、標準報酬月額が12.6万円以下である方を対象に、3年間の保険料調整の措置が実施されます。事業主が負担割合を増やして被保険者の負担を軽減でき、追加負担分は全額を制度全体で支援するとされています(出典: 前掲 社会保険の加入対象の拡大について)。

顧問先の賃金台帳をAIに読み込ませてよいですか

判断の前提として、そのツールが入力を学習に使うかどうかと、匿名化の水準を先に決める必要があります。個人情報保護委員会は生成AIサービスの利用について注意喚起を公表しています(参考: 個人情報保護委員会 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等)。そのうえで、顧問契約の内容と社会保険労務士法の秘密保持規定に照らした最終判断は有資格者が行う領域です。

個人事業所の適用はどう変わりますか

業種の限定が外れる方向です。現在は常時5人以上を使用する法定17業種の事業所が強制適用ですが、改正後は業種を問わず常時5人以上を使用する全業種の事業所が対象となります。ただし2029年10月の施行時点で既に存在している事業所は当分の間、対象外とされています(出典: 前掲 社会保険の加入対象の拡大について)。

規模要件を満たさない企業でも加入できますか

できます。従業員の2分の1以上の同意があれば、短時間労働者も社会保険に加入できると案内されています。令和8年10月以降にこの制度を利用して任意加入する場合、短時間労働者の保険料の一部を事業主が負担すると、3年間の制度的な支援を受けられるとされています(出典: 厚生労働省 加入拡大のポイント)。

顧問先への案内はいつ始めるとよいですか

規模帯ごとに時期をずらす形が扱いやすくなります。従業員51人以上の顧問先には賃金要件の撤廃が令和8年10月に予定されている旨を先に案内し、36人以上50人以下の顧問先には令和9年10月の企業規模要件の縮小を軸に案内する、という順序です(出典: 厚生労働省 加入拡大のポイント)。全社一斉の同じ案内は、どの層にも刺さりにくくなります。

AIに任せてよい範囲はどこまでですか

雑多な形式の雇用契約書から所定労働時間と賃金を抜き出す整形作業までが、任せやすい範囲です。要件への当てはめの結論と、顧問先への説明の内容は、社会保険労務士が担う領域になります。この線引きを事務所内で文書にしておくと、担当者が変わっても運用がぶれません。

参考文献

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本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

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