Anthropicは2026年9月22日、Opus 5.5のタスク単価の内訳を公式ブログで公開しました。
AIの利用料金は「100万トークンあたり何ドル」で語られてきました。しかし事務所が実際に払うのは、トークンではなく仕事1件ぶんの金額です。Anthropicが2026年9月22日に公開した解説記事は、同じ単価のモデルでも同じ仕事にかかる費用が大きく変わる理由を、ターン数とキャッシュと出力という3つの軸で分解しています。士業事務所がAIの予算を立てるうえで、単価表だけを見る見方から一歩進むための材料になります。本記事は公表資料に基づく事実の整理であり、有資格者による法的助言ではありません。

公開されたのは「タスク1件あたりいくらか」の考え方
Anthropicが公開したのは、値下げの告知ではなく費用の内訳です。What a task costs on Opus 5.5と題した9月22日付の記事で、Claude Codeのセッションを例に、料金が何で決まるかを説明しています。
記事が挙げる要因は4つです。ターン数、キャッシュ読み出し、出力トークン、そしてモデルの選択です。AIとのやり取りは1往復ごとにそれまでの会話をすべて送り直すため、ターンが増えるほど同じ文章を何度も課金対象として送ることになります。記事は「最も安いターンは、そもそも必要のないターンです」と述べています。
Opus 5.5のAPI公表価格は、入力100万トークンあたり4ドル、出力100万トークンあたり20ドル、キャッシュ読み出し100万トークンあたり0.20ドルです。入力と出力はOpus 5より20パーセント低く、キャッシュ読み出しは60パーセント低い水準です。同じトークン量で両モデルを試算した例では、セッション費用は約31パーセント下がると示されています。
数字で見ると効くのはターン数とキャッシュ
公式ブログの試算は具体的です。文脈が2万トークンから12万トークンまで膨らむ作業を40ターンで終えた場合、送信される入力は累計およそ280万トークンになり、9割がキャッシュ読み出しなら入力費用は約1.62ドルです。同じ作業を25ターンで終えれば約1.02ドルに下がります。会話そのものは12万トークンを超えていないのに、送り直しの積み重ねが費用を決めているわけです。
キャッシュの効き方も大きく、同じ280万トークンでもキャッシュを一切使わなければ11.20ドルになります。逆に、キャッシュの有効期間を過ぎるまで席を外すと、次の1回が書き込み扱いになります。12万トークンの文脈では、読み出しが約0.02ドルなのに対し5分キャッシュの書き込みは約0.60ドルで、1回の書き込みが25回の読み出しに相当する計算です。有効期間はサブスクリプションでは1時間、APIキーでは既定で5分とされています。出典はいずれもAnthropic公式ブログです。
同ブログによれば、出力トークンは1トークンあたりキャッシュ読み出しの100倍で、モデルが内部で考える分もここに計上されます。記事は、思考量を左右する「effort」の設定を上げるかどうかを、モデルを乗り換える前の選択肢として位置づけています。あわせて、古いモデル向けに書かれた指示文が冗長な出力を招く例も挙げ、社内検証では旧世代からの移行と指示文の見直しを合わせて費用が約25パーセント下がったと報告しています。
士業事務所がこの数字をどう読むか
この記事は開発者向けの内容ですが、費用が決まる仕組みは事務所の日常利用にもそのまま当てはまります。長い資料を貼り付けたまま雑談を続ける、関係のない相談を同じ会話の中で始める、といった使い方は、そのたびに過去のやり取り全体を送り直すことになります。用件が変わったら新しい会話を開く運用が、結果として費用と応答時間の両方に効いてくる構図です。
ただしAIの導入可否を費用だけで決められないのが士業の難しさです。入力した情報がどう扱われるかは、事務所の守秘義務と直結する論点として別に検討する必要があります。今回の記事は費用の話に絞られており、データの取扱いには触れていません。判断材料としてはAnthropicの商用利用規約とプライバシーポリシーを確認する段階で、料金の有利さと情報管理の要件は分けて評価する事務所が多いところです。
今後の動き
単価表からタスク単価へという見方は、今後ほかのベンダーの説明にも広がる可能性があります。モデルが自律的に何往復もするほど、公表単価と実費の差は開きやすくなるためです。Anthropic自身も、公表している数字は例示であり自分の業務で測るよう繰り返し促しており、コスト管理のドキュメントでは利用が活発な日の目安として1人1日あたり約13ドル、利用者の9割が30ドル未満という水準を示しています。事務所単位で月額の見通しを立てるなら、公表単価ではなく自分たちの1件あたりの実測値から積み上げる形が現実的です。
まとめ
Anthropicは2026年9月22日、Opus 5.5の費用がターン数、キャッシュ読み出し、出力トークン、モデル選択の4要因で決まることを公式ブログで公開しました。公表価格は入力100万トークン4ドル、出力20ドル、キャッシュ読み出し0.20ドルで、同一トークン量の試算では約31パーセントの減少です。事務所にとっては、単価表ではなく1件あたりの実測値で予算を組む視点が要点になります。
参考文献
- Claude by Anthropic What a task costs on Opus 5.5
- Anthropic Introducing Claude Opus 5.5
- Claude Code Manage costs effectively
- Anthropic Terms of service: Commercial
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引用元: Claude by Anthropic
本記事の作成体制について
本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。
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