マイナンバーカードのスマホ本人確認、確認用プログラム認定4件と士業3論点

デジタル庁がマイナンバーカードのスマホ本人確認で確認用プログラムの大臣認定を4件に更新しました。番号法第18条の4第2項の認定制度の中身と導入事例15件の内訳、士業事務所が押さえる3論点を整理します。

マイナンバーカードのスマホ本人確認、確認用プログラム認定4件と士業3論点

デジタル庁は9月14日、確認用プログラムの大臣認定を4件に更新しました。

デジタル庁のカード代替電磁的記録(属性証明機能)のページが2026年9月14日付で更新され、内閣総理大臣の認定を受けた確認用プログラムに株式会社フライトソリューションズの「myVerifist」が加わりました。同ページの新着情報には「大臣認定を取得した確認用プログラムを更新しました」とだけ記されていますが、これでスマートフォンに搭載したマイナンバーカードの情報を受け取って検証する側の選択肢が4件に増えたことになります。士業のチカラでは、この更新が事務所の本人確認実務にどう関係しうるのかを、公表資料に書かれている範囲で整理します。なお本記事は有資格者による確認を経ていないため、個別の事案判断は各事務所で行ってください。

スマートフォンを操作して本人確認を行うイメージ

何が更新されたのか、確認用プログラムの大臣認定4件の中身

今回増えたのは、カード代替電磁的記録を受け取った側が「本人が送ったものか」「改変されていないか」を検証するためのプログラムです。デジタル庁の同ページによれば、現在認定されているのは、Apple Japan合同会社の「ID Verifier(Appleウォレット)」(2025年8月4日認定)、パナソニック コネクト株式会社の「公的モバイルID認証サービス VeriMe」の対面用WindowsOS向けC#版ライブラリとKotlin版ライブラリ(いずれも2026年7月31日認定)、そして今回加わった株式会社フライトソリューションズの「myVerifist」(2026年9月14日認定)の4件です。

一方、スマートフォン側から送信するための送信用プログラムの認定は、2025年6月23日認定の「Appleウォレット」1件のままです。送信側と検証側で認定の枠組みが分かれており、それぞれ行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律第18条の3第1項と同法第18条の4第2項が根拠条文として同ページに示されています。前者の条見出しは「カード代替電磁的記録送信用プログラムの認定」、後者は「内閣総理大臣による確認用プログラムの提供等」で、いずれもe-Gov法令検索の条文本体で確認できます。

士業事務所にとっての論点は、窓口・オンライン・先例の3つ

第一の論点は、対面での読み取りに何が要るかです。デジタル庁の整理では、同庁が配布する「マイナンバーカード対面確認アプリ」を使う場合や、民間ベンダが提供するアプリをダウンロードして使う場合、必要な手続は「なし」とされています。読み取り機能はiPhone版がバージョン2.0.0(2025年8月5日リリース)以降、Android版がバージョン2.0.0(2026年1月27日リリース)以降で提供されており、事務所が独自にアプリを作らない限りは申請なしで試せる構成になっています。自前でアプリを開発する場合に限って、カード代替電磁的記録利用の申請や確認用プログラム大臣認定の申請が登場します。

第二の論点は、非対面での扱いです。同ページの非対面利用の項では、iOSのVerify with Wallet APIを用いてApple Wallet内の記録を取得するiPhoneネイティブアプリを開発する方式が示され、「ブラウザ連携は不可」と明記されています。オンライン面談やウェブフォームでの受任手続を組んでいる事務所にとっては、いまの構成のままでは組み込みづらい部分です。AI音声による本人なりすましへの備えとあわせて、AI音声なりすましと本人確認の論点も並行して見ておく段階と言えます。

第三の論点は先例の少なさです。デジタル庁の事業者及び事例一覧(最終更新2026年8月27日)には、e-NINSHO、dアカウント、d払い、MyJCB、au PAY、メルカリ、ソニー銀行アプリ、楽天カードアプリなど15のサービスが並びますが、いずれも金融・決済・本人確認プラットフォームの領域で、士業事務所が自ら導入した事例は掲載されていません。ここは各事務所が判断材料を自分で集める段階にあります。

今後の確認アクションと、事務所側で見ておきたい点

公表資料から読み取れる範囲で、いま確認しておける点は次のとおりです。まず、窓口で使う読み取り手段を「対面確認アプリで足りるか、独自開発が要るか」で切り分けること。次に、犯罪による収益の移転防止に関する法律第4条第1項が求める取引時確認の本人特定事項(自然人であれば氏名、住居、生年月日)を、いまの運用でどの書類から取っているかを棚卸ししておくこと。そして、顧客のスマートフォンから受け取った属性情報を事務所側のどのシステムに残すのかを、既存のマイナポータル連携や電子申請の運用と揃えて決めておくことです。

生成AIを本人確認の補助に使う構想を持つ事務所では、読み取った属性情報をAIツールに渡すかどうかが別の判断になります。デジタル庁の公表資料はプログラムの認定と手続の流れを示すもので、AIツールへの入力可否については触れていません。この点は各ベンダーの公表ポリシーを個別に確認する領域です。制度側の動きとしては、マイナンバー関係命令の改正に関するパブリックコメントのような手続も並行して進んでいるため、あわせて追う価値があります。

まとめ

デジタル庁は2026年9月14日、マイナンバーカードのスマホ搭載に関する確認用プログラムの大臣認定を4件に更新しました。根拠は番号法第18条の4第2項で、送信用プログラムの認定1件とは別枠です。対面はアプリ利用なら申請不要、非対面はブラウザ連携不可、導入事例15件に士業は未掲載という3点が、いまの出発点になります。

参考文献

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引用元: デジタル庁

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。

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