Geminiのシェアが12%から1.9%へ 士業のAI選定に効く3つのデータ

Geminiのシェアが12%から1.9%へ低下したとPangramが報告。OpenRouterとSimilarwebも同じ傾向を示しました。3つのデータの読み方と、士業事務所のAI選定で見るべき論点を整理します。

Google Assistantが9月4日終了、士業が押さえる3つの論点

Geminiの利用シェアが複数の調査で低下したと報じられました。

The Decoder は2026年8月12日、Googleの生成AI「Gemini」の利用シェアが複数の調査で低下していると報じました。挙げられたのはPangram、OpenRouter、Similarwebという性質の異なる3つのデータで、そろって同じ方向を示している点が特徴です。事務所で使う生成AIをどれにするかは、士業のAI選定における実務判断そのものですから、数字の中身と測り方を分けて見ておく価値があります。本記事は公表資料と報道をもとに整理したもので、各社の内部データを確認したものではありません。

PangramとOpenRouterのデータを並べたグラフ。計測方法は異なるが、いずれもGeminiのシェア縮小を示している

3つのデータが示したこと

もっとも大きな数字を出したのはPangramです。同社はAI生成テキストの判定を手がける事業者で、投稿されたテキストがどのモデルで書かれたかを推定し、そこからモデル別のシェアを集計しています。この集計では、Geminiのシェアが12%から2026年7月には1.9%まで下がりました。Pangram自身がこれを「collapse(崩壊)」と表現しています。

同じ集計で、OpenAIは計測開始以来どの月も50%を超え続けています。Anthropicは4.3%から14.9%へ伸び、増加分は主に技術系・科学系の分野に集中したとされます。The Decoderは、この傾向がOpenRouterのランキングデータにも表れていると指摘しました。

3つ目のSimilarwebでは、Googleのウェブ側のシェアが前月の27%から26.8%へと小幅に下がりました。ただし1年前は9.4%でしたから、こちらは急伸したあとの踊り場と読むほうが実態に近いように見えます。Googleは月間10億人のGeminiアプリ利用者を主張していますが、The Decoderは月間アクティブユーザー数を「非常に質の低い指標」だと切り捨てています。

「シェア」と一口に言っても、測っているものが違う

この報道でいちばん実務に効くのは、順位そのものではなく、調査によって結論が正反対になりうるという点です。

The Decoder自身が各データの死角を明記しています。Pangramが見ているのは主に文章作成のタスクで、この領域ではもともとGeminiがClaudeやChatGPTに後れを取っていました。OpenRouterはオープンウェイトのモデルに寄った母集団です。Similarwebはモバイルアプリを勘定に入れていません。つまり3つとも、それぞれ別の切り口から一部分を見ています。

実際、別の時期には逆向きの報道も出ています。TechCrunchは2026年6月、別の調査を根拠に「ChatGPTのシェアが初めて50%を割った」と報じました。Pangramの集計ではOpenAIが一貫して50%超ですから、同じ「シェア」という言葉を使いながら、測っている対象がまったく違うわけです。どちらかが誤りというより、文章生成の実測とアプリ利用の実測は別物だと理解するのが妥当なところです。

士業事務所のツール選定にどう効くか

事務所の立場でこのニュースを読むと、示唆は「勝ち馬に乗る」ことではなく、乗り換えコストをどこまで抱えるかの見積もりにあります。

書面のドラフト、議事録の整理、顧客向け文書の下書きといった士業のAI利用は、Pangramが測っている「文章作成タスク」とかなり重なります。この領域の実測でシェアが動いているという事実は、少なくとも自分の用途に近い場所で起きている変化として受け止められます。もっとも、これは特定のモデルの優劣を示すものではなく、利用者の選択が動いたという観測にとどまります。

より現実的な論点は事業継続のほうです。The Decoderは今回の数字と、Demis Hassabisを含む複数の幹部が離れたGoogle DeepMindの体制刷新を結びつけて論じています。特定のモデルに業務フローを深く作り込むほど、提供体制や仕様が変わったときの影響は大きくなります。プロンプトや業務手順を、モデル固有の書き方に依存させずに整理しておく事務所もあります。

そしてシェアが動いても変わらないのが、入力したデータが学習に使われるかどうかの確認です。守秘義務を負う事務所にとっては、シェアの数字よりも各社の公表ポリシーの中身のほうが導入可否を分けます。今回の報道はこの点には触れていないため、利用中および乗り換え候補のサービスについて、それぞれの公表ポリシーで確認する段階だと言えます。

今後の動き

Pangramの集計は文章判定という一つの窓から見た数字ですので、今後アプリ利用ベースやAPI利用ベースの調査がどう出るかを並べて見る必要があります。GoogleがGeminiアプリの利用者数を強調している以上、次に出てくる各社の指標がどの切り口を採るかも見どころです。

事務所側でできることは限られていますが、複数モデルを試せる状態を残しておくこと、業務で使うプロンプトを資産として残しておくことは、どの数字が正しかったとしても無駄になりません。

まとめ

Pangram、OpenRouter、Similarwebの3つのデータがそろってGeminiのシェア低下を示し、Pangramの集計ではGeminiが12%から1.9%へ、Anthropicが4.3%から14.9%へ動きました。ただし各調査は測っている対象が異なり、時期によっては逆向きの報道も出ています。士業のAI選定では、順位の上下よりも、乗り換えコストとデータの取り扱い方針を見ておくほうが実務的です。

参考文献

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引用元: The Decoder

本記事の作成体制について

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