日本公認会計士協会が合格者採用の開始を11月20日以降とするよう要請しました。
2026年度の公認会計士試験合格者をめぐる採用日程が、職能団体からの要請という形で示されています。日本公認会計士協会(JICPA)は2026年8月24日、会員事務所と受験者に向けて、今年度の試験合格者への面接などの採用活動を合格発表日以後に開始するよう求める文書を公表しました(出典: JICPA お知らせ)。監査法人の区分ごとに説明会・面接・内定通知の時期が整理されており、採用担当を兼務する規模の事務所ほど、9月から11月にかけての動き方が変わってきます。本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、団体の要請内容は公表資料の原典で確認しています。
合格発表日以後に開始するよう要請、日程は4区分で提示
公表されたのは、採用活動の開始時期を合格発表日より後ろに置くという要請です。文書は2026年8月21日付、JICPA常務理事の菅谷圭子名で、宛先は会員事務所および公認会計士試験受験者となっています。合格発表日は2026年11月20日(金)とされ、それ以後から採用活動を開始する形で進めるよう会員事務所に依頼する内容です(出典: 今年度の公認会計士試験合格者の採用活動の開始時期について(お願い))。
別紙では、事務所が4区分に分けて整理されています。大手監査法人の東京事務所は、法人説明会のイベントを9月4日から9月10日まで、個別相談を11月21日から12月2日までと12月10日15時から12月11日12時まで、面接期間を12月3日10時から12月9日15時まで(申込開始は11月24日10時)、内定通知開始を12月10日13時、入社承諾期限を12月11日12時としています(出典: 同PDF)。大手監査法人の関西地区事務所は、法人説明会と個別相談を9月1日から9月26日までと11月20日から11月27日までの二期に分け、面接期間を12月1日9時から12月2日19時(申込開始は11月27日9時30分)、内定通知開始を12月1日9時、内定承諾期限を12月4日17時としています(出典: 同PDF)。ここでいう大手監査法人とは、有限責任あずさ監査法人、EY新日本有限責任監査法人、有限責任監査法人トーマツ、PwC Japan有限責任監査法人の4法人を指すと注記されています。
残る2区分、すなわち大手監査法人の東京・関西以外の事務所と、大手監査法人以外の事務所については、法人説明会は論文式試験の終了以降に随時行う場合があるものの、採用面接は受付を含めて合格発表以降に行うという整理です(出典: 同PDF)。文書は、このスケジュールに沿って採用活動が実施されるため、内定通知開始より前の時期に特定の応募者へ内定が出ることはない旨も記しています。
会計事務所の論点は、9月からの2か月をどう使うか
影響が大きいのは大手監査法人以外の事務所です。採用面接そのものは受付を含めて合格発表以降に後ろ倒しになる一方、法人説明会は論文式試験の終了後から動かせるため、9月から11月20日までの約2か月は接点づくりと情報整備に充てる期間になります。論文式試験は2026年8月21日から23日にかけて実施されたと同文書は記しており(出典: 同PDF)、その期間はすでに終わっています。
生成AIの使いどころは、この情報整備の側に寄ります。事務所の業務領域、担当できるクライアントの規模、繁忙期の勤務実態、補習所への通学や修了考査への配慮といった、応募者から繰り返し尋ねられる項目を洗い出して原稿化する作業は、AIに下書きを作らせたうえで有資格者が事実確認を入れる進め方と相性のよい領域です。説明会で配る資料と、面談で口頭説明する内容の食い違いを減らす効果も見込めます。
一方で、応募書類や面接記録をそのまま外部の生成AIサービスへ入力する運用には、別の論点が生じます。職業安定法第5条の5は、求職者等の個人情報について、業務の目的の達成に必要な範囲内で、当該目的を明らかにして収集し、収集の目的の範囲内で保管し使用しなければならない旨を定めています(出典: e-Gov法令検索)。同条は求人者も名宛人に含めて書かれており、採用選考の過程で集めた情報をどの範囲まで、どの道具で扱うのかは、事務所として先に決めておく領域になります。

データの取扱いと、11月20日までの初動
採用実務にAIツールを噛ませるのであれば、入力したデータが提供元のモデル学習に使われるかどうかを、ベンダーが公表しているポリシーで確認する段取りが先に来ます。同じ製品名でも法人向けプランと個人向けプランで取り扱いが異なる例があり、契約区分によって結論が変わり得ます。公表資料から読み取れない場合は、確認できていない前提で入力する情報の範囲を狭めておく運用を採る事務所もあります。
11月20日までの初動としては、次のような対応が考えられます。ひとつは、説明会で示す情報を9月のうちに固め、AIで下書きした原稿に有資格者の確認を入れてから配布物に落とす進め方です。ふたつめは、応募書類と面接記録について、保管場所と保管期間、アクセスできる担当者を書き出し、外部サービスへ入力してよい情報の線を引いておく整理です。みっつめは、大手監査法人の面接と内定通知が12月上旬に集中する前提で、自事務所の連絡タイミングを逆算しておく段取りです。
いずれも合格発表を待ってから始めると時間が足りなくなりやすい作業であり、要請の趣旨は面接の開始時期に向けられているため、事務所側の内部準備そのものを止める内容ではありません。
まとめ
JICPAは2026年8月24日付の公表で、今年度の公認会計士試験合格者への採用活動を合格発表日である11月20日以後に開始するよう会員事務所に要請しました(出典: JICPA お知らせ)。大手監査法人の東京・関西については説明会から内定承諾までの日程が具体的に示され、それ以外の事務所は採用面接を合格発表以降に行う整理です。面接が後ろ倒しになる分、9月からの2か月をどう使うかが、採用の成否を分ける部分になりそうです。
参考文献
※士業のチカラでは、生成AIの導入支援から運用最適化まで、貴事務所の業務に合わせたカスタマイズ提案を行っています。無料相談(30分)も実施中ですので、お気軽にお問い合わせください。
https://shigyonochikara.jp/contact/
引用元: 日本公認会計士協会
本記事の作成体制について
本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。
本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。
記載内容に誤りを見つけられた場合は、お問い合わせよりご指摘ください。確認のうえ速やかに訂正し、訂正履歴を記事内に残します。編集方針の詳細は運営者情報をご覧ください。