Circlebackが8月31日、AI議事録の無料プランを開始しました。
AI議事録ツールのCirclebackが、無料プランを含む新しい料金体系を公開しました。これまでは支払いを前提にしたお試し期間しかありませんでしたが、今回からオンライン会議と対面の打ち合わせを本数の制限なく記録できる無料プランが常設されます。士業事務所にとって、面談記録や相談記録の作成は時間を最も食う工程のひとつです。無料で試せる選択肢が増えたことは歓迎できる一方、依頼者との会話を外部サービスに渡すという性質上、守秘義務と情報管理の設計を先に決めておく作業が残ります。本記事では公表資料をもとに、何が変わったのかと、事務所側で確認しておきたい論点を整理します。
Circlebackが公開した4つのプランと無料枠の中身
結論から書くと、今回のアップデートはお試し期間の延長ではなく、無料プランの常設です。Circleback公式のリリースノートは、Free・Pro・Business・Enterpriseの4本立てを2026年8月31日に開始したこと、そしてFreeは「トライアルではない」ことを明記しています。
公式の料金ページによると、無料プランは1ユーザーあたり0ドルで、AIによる議事録と課題抽出、オンライン会議と対面会議の記録、話者ラベル付きの文字起こし、SlackとLinearとの連携が使えます。ただし会議と録音の履歴は30日間に限られ、API・MCP・CLI・自動化の機能は制限付きで、作成できるチームは2つまでです。有料プランは同ページの表示で1ユーザーあたり月15ドルのPro、25ドルのBusiness、35ドルのEnterpriseという段階になっており、Proで履歴が無制限になり録音は1年保存、Businessでは管理者と一般メンバーの権限分離、データ保持期間の個別設定、事務所全体への設定の強制、利用状況ダッシュボードが加わります。Enterpriseはシングルサインオンと請求書払い、録音の無制限保存に対応します。
背景として、同じリリースノートには8月20日にAPIを公開したこと、7月末には外部アプリと接続するコネクタを追加したことが並んでおり、今回の料金改定はその延長線上にあります。文字起こしは100を超える言語に対応すると公式サイトに記載があります。
士業事務所が先に確認したい4つの論点
第一に、会話データがどこへ渡るかです。Circlebackのプライバシーポリシーは、会議の録音・文字起こし・カレンダー情報を「Communication Data」として扱い、サービス提供のための取引上の範囲でAIモデル提供者と文字起こし提供者に共有すると記載しています。あわせて、サービスは米国で運用され、データは米国のサーバーに保存されるとしています。依頼者の相談内容がこの経路を通ることを事務所としてどう位置づけるかが、最初の分岐点になります。
第二に、学習利用の可否です。公式サイトのよくある質問には「自分のデータはAIモデルの学習に使われるか」という項目が置かれていますが、今回参照した公開ページからは回答の本文を確認できませんでした。この点は要確認事項として残るため、導入検討の段階でベンダーに直接照会し、書面で回答を得ておく対応を採る事務所があります。
第三に、履歴30日という制約です。無料プランは会議と録音の履歴が30日間で、それ以降は遡れません。事務所として面談記録を一定期間保管する運用を採っている場合、無料プランのままでは保管の役割を担えないため、記録の書き出し先を別に用意するか、有料プランを前提にするかという判断が要ります。
第四に、対面録音の伝え方です。無料プランでもスマートフォンとApple Watchのアプリで対面の会話を記録できます。相手が目の前にいる場面では、録音している事実と用途をどう伝えるかを事務所内で統一しておく論点が生まれます。守秘義務まわりの整理は、当サイトの士業の生成AIと守秘義務でも扱っています。

選定と運用でこれから起きそうなこと
無料枠が常設されたことで、AI議事録の比較軸は価格そのものから運用設計へ移りつつあることがうかがえます。Circlebackが有料プランに置いたのは、履歴の長さ、録音の保存年数、管理者権限、データ保持期間の個別設定といった、まさに事務所のガバナンスに関わる機能でした。無料で試し、統制が要る段階になったら有料へ移るという導線がはっきりしたとも読めます。
事務所側の現実的な進め方としては、まず依頼者の氏名や事案が特定されない内部の打ち合わせで試し、記録の精度と話者の識別を確かめる段階から入る例があります。そのうえで、記録の保存場所・保存期間・共有範囲・削除手順を事務所のAI利用規程に落とし込み、依頼者への説明文面を決めてから実務に載せる、という順序です。規程の骨子は士業事務所のAI利用規程テンプレートに、面談記録の載せ方は士業のAI議事録・文字起こし活用にまとめています。
まとめ
Circlebackは2026年8月31日に、履歴30日という制限付きで会議数に上限のない無料プランを常設しました。士業事務所にとっては試しやすさが増えた一方で、会話データの共有先、学習利用の可否、記録の保存期間、対面録音の伝え方という4点を先に決める作業が残ります。ツールの価格ではなく、事務所の情報管理をどう設計するかが判断の中心になります。
参考文献
- Circleback「New plans」リリースノート(2026年8月31日)
- Circleback 公式料金ページ
- Circleback プライバシーポリシー
- Circleback「Circleback API」リリースノート(2026年8月20日)
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引用元: Circleback
本記事の作成体制について
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