第六世代電子証明書が90分停止|9月9日に止まるのは1機能だけ

日税連が2026年9月9日18時から19時30分の第六世代税理士用電子証明書サーバ停止を公表。止まるのはリモート署名登録の1機能のみで、電子署名は利用可。60日期限との関係と事務所の初動4点を整理します。

第六世代電子証明書が90分停止|9月9日に止まるのは1機能だけ

日税連は9月9日夜、第六世代電子証明書サーバを一時停止すると公表しました。

日本税理士会連合会が2026年8月24日、第六世代税理士用電子証明書サーバメンテナンスに伴うサービス利用停止についてを公表しました。停止するのは2026年9月9日(水曜日)の午後6時から午後7時30分までの90分間です。ここで押さえておきたいのは、停止するサービスが9項目のうち1項目に限られている点です。e-Taxやe-LTAXでの電子署名そのものは期間中も使えます。止まるのは「審査完了後のリモート署名登録」、つまり新しく申し込んだ電子証明書を受け取る手続だけです。本記事は公表資料をもとに、事務所の段取りにどう効くのかを整理します。

電子証明書とリモート署名を扱うパソコン環境のイメージ

何が止まり、何が止まらないのか

止まるのは1機能です。日税連の公表資料によれば、メンテナンス期間中に利用できないのは「第六世代税理士用電子証明書審査完了後のリモート署名登録」で、残る8項目は利用可と示されています。

利用可とされているのは、マイナンバーカードを使ったオンライン申込み、書面申込書の印刷、マイナンバーカードの利用登録、税理士認証カードによる電子署名、利用登録済みマイナンバーカードによる電子署名、税理士認証カードの動作確認、そして電子証明書の動作確認2種です。つまり、すでに電子証明書を持っている税理士にとっては、9月9日の夜に申告データへ署名する作業が止まるわけではありません。

影響を受けるのは、いま申込みを進めている途中で、ちょうどその時間帯に「受け取り」の操作をしようとしていた税理士です。第六世代における電子証明書の受け取りは、カードを郵送で受け取るような物理的な行為ではありません。ウェブ上のリモート署名サーバーに証明書を登録する操作を指します。サーバーが止まればこの登録操作だけができない、という構造です。

税理士事務所にとっての論点は「60日」との距離

論点は、今回のお知らせに示された90分そのものよりも、その前後にある期限との距離にあります。

日税連の第六世代税理士用電子証明書の案内ページには、審査完了から60日以内にリモート署名登録を行わない場合、電子証明書の発行手続が完了せず申込みが取消しとなる、と記載されています。60日という猶予があるので通常は問題になりにくいのですが、期限の終盤にさしかかっている税理士が、たまたま9月9日の夜を作業日に選んでいた場合には、その日の作業を翌日以降へずらす判断が要ります。加えて、税理士認証カードを紛失・破損している場合は再発行の申請が別途必要で、交付手数料も発生すると案内されています。

背景として押さえておきたいのは、第六世代への移行が全会員に関わる出来事だということです(出典: 日本税理士会連合会 税理士用電子証明書の発行【第六世代】)。第六世代は、リモート署名方式と税理士認証カードを組み合わせた仕組みで、有効期間は2030年7月31日までとされています。従来の第五世代(紫色のICカード)は有効期間満了に伴い2026年4月1日以降は使用できないと案内されており、e-Tax・e-LTAXを利用するには第六世代の取得が前提になります。認証カードは令和7年8月以降、税理士名簿に基づく事務所所在地へ一般書留郵便で発送されたとされています。事務所移転や氏名変更の登録が追いついていないと、そもそも申込みの入口でつまずく設計です。

なお、オンライン申込みにはWindows11のパソコン、ICカードリーダライタ、管理ツール、有効な税理士認証カードと暗証番号、そして署名用電子証明書が格納されたマイナンバーカードが必要と案内されています。マイナンバーカードを使えば住民票などの添付書類が不要になる一方、旧姓や通称名を税理士名簿に登録している場合は、マイナンバーカード側にも本名と旧姓・通称名の両方が格納されている必要があるとされています。ここは事務所の担当者が事前に確認しておく価値のある部分です。

初動として見ておきたい4点と、AI活用との接点

初動として確認できることは4点あります。

1点目は、事務所内に「審査完了済みで、まだリモート署名登録をしていない人」がいるかどうかです。審査の進捗と結果は管理ツールから確認する運用なので、担当者に一度見てもらう対応を採る事務所があります。2点目は、9月9日の夕方から夜に電子申告や受け取り作業を予定していないかという確認です。署名自体は使えるため慌てる必要はありませんが、受け取りだけは翌日以降に回す段取りになります。3点目は、社内のネットワーク制限です。日税連の案内ページには、接続先を制限している環境ではリモート署名サーバーや管理ツールのURLを許可する設定が必要と記載されています。4点目は、認証カードの所在確認です。紛失や破損があると受け取りそのものができないため、再発行の時間を見込む必要があります。

ここは士業×AIの視点とも接点があります。事務所の申告スケジュールをAIやRPAで自動組みする動きが広がっていますが、自動化されたスケジュールは「外部の認証基盤が止まる時間」を自分では知りません。今回のような停止情報は職能団体のお知らせとしてしか流れてこないため、人が拾って自動化の前提条件に反映する工程が残ります。リモート署名という仕組みは司法書士の商業登記実務でも広がっており、商業登記のリモート署名について整理した記事も参考になります。電子インボイスなど他の電子基盤との兼ね合いは、Peppol対応と電子帳簿保存法の点検をまとめた記事で扱っています。

まとめ

日税連が公表したメンテナンスは、2026年9月9日の午後6時から午後7時30分までの90分間で、止まるのはリモート署名登録の1機能だけです。電子署名や動作確認は利用可とされています。影響を受けるのは受け取り手続の途中にいる税理士で、審査完了から60日という期限との距離を見ておくと落ち着いて対応できます。

参考文献

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引用元: 日本税理士会連合会

本記事の作成体制について

本記事は士業のチカラ編集部が、公表されている一次情報のみを根拠に作成しています。法令の条文はe-Gov法令検索の原文で、行政の見解は各府省庁の公表資料で、それぞれ確認したうえで記載しています。引用元は本文中および参考文献にすべて明示しています。

本記事には特定の資格者による監修は入っていません。個別の事案について法令の当てはめや手続の可否を判断する必要がある場合は、当該分野の有資格者にご相談ください。本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、個別具体的な法律判断・税務判断・労務判断を提供するものではありません。

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